マドリッドから日帰りで行ける世界遺産9ヶ所まとめ 【スペイン】
目次
スペインには2019年現在、世界遺産が47ヶ所あります。この数は世界でもイタリア、中国に次いで3番目に多い数字で、国内にたくさんの世界遺産を保有しています。
レコンキスタを通じたイスラム文化とキリスト教文化の混合はスペイン独自の様式を作り上げました。
また、スペインは第一次、第二次世界大戦の影響を比較的受けず、ローマ時代の遺跡などもきれいに保存されています。
マドリッドはスペインの中心に位置しており、たくさんの世界遺産に日帰りでアクセスすることができます。見学時間や体力なども踏まえ、無理のない範囲で日帰りができる世界遺産を9か所ご紹介します。
マドリッドから日帰りで行ける世界遺産9か所の所在
アランフェスの文化的景観
日帰り難易度★☆☆☆☆
アランフェスはタホ川流域に位置する、自然豊か土地です。王の保養地として古くから使用されてきました。広大な庭園を含めた領域は自然美も評価されており、文化的景観にもなっています。
アランフェスはカスティーリャ・ラ・マンチャ地方のマドリッドの南に位置しています。マドリッドの近郊列車C-3に乗って50分ほどで終点のアランフェス駅に着きます。
市内近郊列車で行くことができ、本数も十分にあるのでマドリッドからは観光がしやすいです。庭園もめぐると時間はかかりますが、宮殿付近であれば半日程度で観光できるでしょう。
フェリペ2世によって建築が開始され、ハプスブルグ家の保養地でもあった。
タホ川流域の恵みを受けて造られた庭園はとても広く、リスなどの動物が生息している。
詳しい解説はこちらの記事をどうぞ。
アランフエスの文化的景観 【スペイン】 日帰り難易度と行き方
マドリードのエル・エスコリアルの修道院と王室用地
日帰り難易度★☆☆☆☆
マドリッド郊外にあるエル・エスコリアル修道院は、修道院や博物館、図書館などの施設が集められ様々な機能を持った建物です。
マドリッド市内から近郊列車のC-3またはC-8で1時間程度でつきます。値段も5ユーロ弱であり日帰りに適しています。
有名な物としては建物の2階部分に位置するきれいな図書館や、修道院とは思えないほど大きくて重厚なイメージのある礼拝堂、ひんやりとした地下にある霊廟などがあります。
駅からは緩やかな坂を上った先にある。とても大きな修道院である。
内部は撮影が禁止されている。図書館や礼拝堂、霊廟などたくさんのみどころがある。
詳しい解説はこちらの記事をどうぞ。
マドリードのエル・エスコリアルの修道院と王室用地 【スペイン】 日帰り難易度と行き方
アルカラ・デ・エナレスの大学とその歴史地区
日帰り難易度★☆☆☆☆
アルカラ・デ・エナレスは15世紀から続く大学都市です。マドリッド自治州に位置し、マドリッド市内の東側に位置しています。
サン・イルデフォンソ学校の建築美も見所の一つですが、スペインが誇る文豪セルバンテスの故郷であるという点も評価されました。
マドリッド市内からは近郊列車のC-2、C-7で1時間弱で行くことができます。
アルカラ・デ・エナレス駅は終点なので分かりやすい。
サン・イデルフォンソ学院の中庭。均整の取れたおしゃれな建物である。
詳しい解説はこちらの記事をどうぞ。
アルカラ・デ・エナレスの大学とその歴史地区 【スペイン】 日帰り難易度と行き方
古都トレド
日帰り難易度★★☆☆☆
トレドはマドリッドに近いカスティーリャ・ラ・マンチャ地方に位置しています。“スペインに1日しかいられないならばトレドを目指せ”という格言もあるほど、スペイン観光では定番のスポットです。
高速鉄道で30分程度、エリプティカ広場のバスターミナルから発着する長距離バスでも1時間半程度とマドリッドからの日帰りも容易にできる距離にあります。
トレドのカテドラルはスペイン3大カテドラルに含まれる壮大な建造物である。
歴史ある町全体が世界遺産に登録されており、観光客も絶えない。
トレドは夜景も美しい。展望台やパラドールから眺めるのもよい。
詳しい解説はこちらの記事をどうぞ。
セゴビア旧市街と水道橋
日帰り難易度★★☆☆☆
セゴビアはマドリッドの北側、カスティーリャ・イ・レオンに位置しています。標高1000mを越えるこの街には大きな水道橋が残っており、スペイン有数の観光地です。
セゴビア行きのバスはSepulvedana社が独占しており、マドリッドのモンクロア・バスターミナルから運行しています。所要時間は片道2時間弱。本数は1時間に一本程度です。
セゴビアには高速鉄道用の駅と在来専用の鉄道駅と2種類ありますが、どちらも旧市街からはかなり離れており、旧市街へはバスで10~20分ほどの移動が必要になります。
ローマ式のアーチ構造が特徴的で、最も高いところで28m、10階建ての建物くらいの高さになる。
白を基調としたその美しい外観から、カテドラルの貴婦人という呼称がついたセゴビアのカテドラル。
町はずれのアルカサルは、ディズニー映画白雪姫のモデルとなった城でもある。
詳しい解説はこちらの記事をどうぞ。
アビラ旧市街と市壁外の教会群
日帰り難易度★★☆☆☆
アビラはマドリッドの北部、カスティーリャ・イ・レオンに属しています。頑丈な城壁に囲まれた旧市街が世界遺産に登録されています。
アビラは鉄道の場合、マドリッドから市街近郊線C-3またはC-8で2時間で行くことができます。ただし、アビラに向かう列車の本数は1時間に1本程度と少ないです。
マドリッドからバスの場合、南バスターミナルから同2時間弱で到着します。バスターミナルは鉄道駅と隣接しています。アビラ駅から城壁のある旧市街までは平坦な道を20分ほど歩きます。
アビラは中世スペインにおいてレコンキスタの舞台となり、堅牢な要塞が建設された。
アビラのカテドラルは赤い斑点の柄の模様で彩られている。
町はずれのクアトロポステスからは城壁に囲まれた市街が見渡せる。
詳しい解説はこちらの記事をどうぞ。
アビラ旧市街と市壁外の教会群 【スペイン】 日帰り難易度と行き方
歴史的城塞都市クエンカ
日帰り難易度★★☆☆☆
クエンカはスペインの国土中心部カスティーリャ・イ・ラマンチャに属しています。川の浸食によってできた断崖の上にできた城塞の役割をもっていた都市です。
崖上にせり出した宙づりの家は有名なスポットであり観光客も多いです。見所は旧市街に位置しますが、市内交通が発達しているため、アクセスも便利です。
高速鉄道AVEで行く場合1時間程度で着きますが、駅は市内から遠く離れた位置にあるためバスかタクシーで30分ほどかかります。
バスで行く場合はマドリッドから約2時間ほどです。人気路線で満席近くになるので注意しておきましょう。
クエンカは2本の川が浸食してできた断崖の上に立つ都市である。
崖の上にせり出す宙づりの家とサンパブロ橋。
クエンカのカテドラル正面のファサードは再建されたものだが、その歴史は13世紀にさかのぼる。
詳しい解説はこちらの記事をどうぞ。
アラゴン州のムデハル様式の建造物(サラゴサ)
日帰り難易度★★★☆☆
アラゴン州のムデハル様式の建造物はアラゴン州の複数の都市にまたがり、構成遺産は10か所になります。そのうちサラゴサには3か所、テルエルに4か所が集中しています。
サラゴサはアラゴン州の州都にもなっている大きな都市です。マドリッドとバルセロナのちょうど中間地点に当たり、両都市を結ぶ鉄道やバスの中継地点となっています。そのため、マドリッドからは高速鉄道で1時間半、バスでは3時間程度で行くことができます。
サン・パブロ教会。外装は八角形の鐘楼や、丸みを帯びた尖塔のイスラム風の教会である。
ムデハル様式の最高傑作とも称されるラ・セオ (カテドラル)。内部は撮影禁止。
詳しい解説はこちらの記事をどうぞ。
アラゴン州のムデハル様式の建造物(サラゴサ編) 【スペイン】
コルドバ歴史地区
日帰り難易度★★★☆☆
コルドバはスペインの南部アンダルシア地方にあります。イスラム王朝がイベリア半島を占領して繁栄した頃、コルドバはその首都として発展を遂げました。
イスラム風の巨大なメスキータは紅白の柱が800本近く並んでおり、その光景は圧巻です。何度も増改築が繰り返され、元の大きさの2倍近くになったといわれています。
コルドバはアンダルシアでもセビーリャ、マラガに次ぐ大都市で高速鉄道の駅もあり、マドリッドから高速鉄道で2時間ほどです。駅から見どころが集まる地区へは30分ほど歩きます。
ローマ橋と遠くに見えるメスキータ。夜景もきれいなことで有名。
ユダヤ人街にある花の小道は細いので観光客で常にごった返している。
コルドバの防衛拠点でっもあったアルカサルには美しい庭園が広がる。
詳しい解説はこちらの記事をどうぞ。
以上9ヶ所です。いかがでしたか?気になった世界遺産はそれぞれリンク先に詳しい解説記事があります。
厳密にいえばバルセロナ、バレンシア、ブルゴスなど日帰りしようと思えばできる世界遺産は他にもあるのですが、いずれも旅程がかなりタイトになってしまうのでここに挙げたものに絞りました。
日帰り難易度は実際に行った筆者の主観です。みなさんのスペイン旅行がより充実した旅になることを願っています。
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