コルディリェーラの棚田群を観光しつくす2泊3日の旅
目次
フィリピンのコルディリェーラの棚田郡はルソン島の北部、バナウェ周辺に点在する棚田で、バダット、バンガアン、フンドアン、ナガカダン、マヨヤオという5つの地域にあります。
詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください。
今回は2泊3日で4つの棚田を巡ってきたので、その様子を紹介していきたいと思います。
1日目
マニラを前日の21時に出発したバスはキアンガンで一度乗り換えを挟み、8時にバナウェに到着しました。
棚田郡の巡り方や特徴などから滞在する宿に至るまで全くのノープランだったので、信頼のおけそうな客引きの一人に身をゆだねることにします。
バナウェは小さな町であるため大型バスが入れず、バスターミナルは少し離れた場所にあります。
バナウェのバスターミナルに到着。
ここで観光税50ペソを支払い、客引きの車に乗って観光案内所に行きました。そこで地図を見ながら棚田の説明を英語で受け、どの棚田を巡るか、どこに泊まるか、総額、を相談しました。
やはりバダットが一番のおすすめで、数日かけてバナウェからバダット周辺をトレッキングするのが人気なのだそうです。今回はいろいろな棚田に行きたかったので、バダット、バンガアン、フンドアン、マヨヤオを選びました。
マヨヤオを選ぶ人はとても珍しいらしくかなり驚かれました。ナガカダンの棚田は小さくて、観光は博物館がメインだからマヨヤオの方がおすすめだと言っていました。
ガイド料が3日間で3000ペソ、泊まったホテルが2泊で1500ペソ、トライシクル代がバダット1000ペソ、マヨヤオが少し高くて3000ペソ、フンドアンが1500ペソで合計10000ペソ(=約24000円)でした。
コルディリエーラの棚田付近はかなりの山奥で観光客も少ないためか、やや高めの値段設定になっています。棚田の維持への貢献だと思って納得しました。いきなりの出費だったのでまずはATMへ。
山間の町バナウェは標高が高く、涼しい。
ATMはメインストリートの奥、集会所のような場所にあった。
案内された宿に荷物を置いて身軽になると、10時30分。ガイドがしきりに勧めるので1Lのペットボトル水を買い、準備完了です。トライシクルでさっそく1か所目、バダットの棚田に向かいます。
30分ほど山道を進んで行くと、トライシクルやジプニーが停車している場所に着きました。ここからは徒歩で進んで行きます。ガイドの青い服のおばちゃんに連れられてトレッキングを開始しました。
バダットの棚田
普通の山道をどんどん下っていく。帰り道が心配になった。
山道の右手に棚田が見えてきてさっそく大興奮。
15分ほど下っていくと管理事務所に着き、ここで帳簿に名前や住所などを記載しました。そのまま下っていくと、山の斜面に広がる広大な棚田が目に飛び込んできました。
眼下に広がる絶景、バダットの棚田。
この周辺にはホテルやレストランもあり、観光客向けになっていました。ここからさらに下って行って、棚田の中を歩いていきます。
バダットの小学校。小さな校舎だがバスケットコートがあった。
フィリピンの伝統家屋。台風や雨季にも強い構造になっている。
棚田に降りる石段がけっこう危険だったので子供や高齢者は特に注意が必要。
苦労しながらもようやく棚田の下側に到着した。
急な石段を15分ほどかけてゆっくり下っていくと、棚田のあぜ道に着きました。訪れた時期は春で、苗を植え終わり、稲がすくすくと育っていました。
青々とした稲の香りが山風に乗って鼻に届く。
のんびりとあぜ道を歩きながら対岸へ来た。
あぜ道をたどって先ほど来た場所と反対側の端に着き、今度はさらに川に向かって下っていき、タッピヤ滝を目指します。ここはとても急な階段が続いたため、帰りのことを考えると戦々恐々としながら降りました。
下り道も足にかなりの負担を感じます。フィリピンの暑さも伴い、汗をだらだらとかきました。バナウェで1Lの水を買っておいて本当に良かったと思います。
滝に続く道はかなり下るので、体力を温存したい場合はパスしてもいいと思う。
なんとかたどり着いたタッピヤ滝。疲れすぎて泳ぐ気にはなれなかった。
外国人観光客が元気に泳いでいるので気持ちが揺らぎましたが、ここは体力を温存することにしました。前日がバス車中泊だったこともあり、けっこうバテバテになってしまいました。
しばらく滝の冷気で涼んだ後、来た道を戻っていきます。この階段が無限に続くかのごとく感じ、時間をかけてゆっくり登りました。ガイドのおばちゃんも気を使ってくれ、ところどころで休憩を入れながら進んでくれました。
登っても登っても階段で、特に眺めも良くないのできつかった。
再び棚田を横切って元来た場所に戻る。
途中で棚田の解説などを挟みながら、バダットの棚田を歩き始めてから約3時間で小学校のあった場所まで戻ってきました。一軒のレストランに入り、昼食を取ります。
棚田を見ながら遅めのランチ。贅沢すぎる眺め。
ここでのんびりランチをしていると偶然にも一人旅の日本人の女性と遭遇しました。彼女はここのホテルに宿泊しているのだそうです。2日かけてバダットの棚田を散策したと言っていました。
しばし日本語での会話を堪能し、お別れをしてトライシクルを降りた場所までまた登っていきます。ランチを食べたので幾らか元気になり、どんどんと進んで行きました。
トライシクルに戻ると、バンガアンの棚田に向かう!はずが、あまりの疲れで爆睡し記憶が途切れてしまいました、、、
妙に暖かいフィリピンの気候と、滑らかなトライシクルの振動で眠りに落ち、気が付くとバナウェに戻ってきていました。どうやらドライバーが気を利かせてくれたらしく、”バンガアンは明日、マヨヤオに行く際通り道だからそこで見学するよう伝えておくよ”と言ってくれました。
バナウェのホテルに戻ってきたのが15時。時間的にはバナウェビューポイントに行く余裕も、バナウェを散策する時間も全然あるのですが、思った以上にトレッキングでへとへとになってしまい、シャワーを浴びてベッドに倒れこみました。
2日目
翌日はマヨヤオの棚田と、行きそびれたバンガアンの棚田を見学します。7時40分、マヨヤオに向けて出発。マヨヤオは遠いのでトライシクルではなくバイクで行くことになりました。
まずは30分ほどで昨日行きそびれたバンガアンの棚田のビューポイントに到着。
バンガアンの棚田
ビューポイントから見る美しいバンガアンの棚田。
柵から落ちたら18秒で棚田だよ、と恐ろしい文言が書かれている。
バンガアンの棚田も散策できますが、上から見るだけでも十分だと思います。バイクでさらに東へ進んで行きます。疲れるので少しずつ休みながら向かいます。
道の途中でいろいろな形の棚田が見られた。
1時間40分ほどでようやくマヨヤオの郊外に到着。山間にマヨヤオ中心部が見える。
小さな町、マヨヤオに到着。レストランも宿泊施設もそれなりにありそうな町。
観光案内所に行くも、公認ガイドが一人も待機していないらしかった。
マヨヤオもいろいろな散策コースがあるらしいので日数をかけて散策するのもよさそう。
2時間ほどでマヨヤオに着きましたが、ガイドが一人もいないので、呼び寄せるまで他の場所で待っていてほしいと言われ、マヨヤオのビューポイントに行くことにしました。
マヨヤオの棚田
10分ほどでマヨヤオのビューポイントに到着。他には誰もいなかった。
マヨヤオは町全体に棚田が広がっており、横に広い印象を受けた。
観光案内所に戻るとガタイのいいおじさんがガイドについてくれました。この方は大学で棚田の歴史やイフガオについて研究をしていたそうで、京都大学の研究室とも交流があったのだそうです。
ガイドのおじさんとマヨヤオ小学校を通り抜けて棚田を歩く。
マヨヤオは平原なので、バダットとは違い歩きやすく感じた。
伝統家屋に関するガイドさんの知識量は半端じゃなく、楽しかった。
他に観光客がいないので現地の時の流れを肌で感じることができた。
この日はマヨヤオで少し休憩をはさんだのち、2時間かけてまたバナウェに戻りました。バナウェを少し散策する余裕もありました。
3日目
バナウェ滞在最終日はフンドアンの棚田を目指します。温泉があるので水着を下に着て、荷物をホテルに置き、出発しました。フンドアンも山を越えた先にあるので想像よりも遠く感じました。
1時間ほどでフンドアンの観光案内所に到着。記帳をしてガイドを雇う。
フンドアンの棚田
ガイドと共にまたバイクで先へ進むと小さな展望台がある。ここからの眺めが最高。
フンドアンの世界遺産マークが展望台の横にある。
この日のガイドは陽気なおばさまだった。スイスイ進むので置いていかれないように頑張った。
ややこしいが、フンドアンの村中心部はさらにバイクで40分ほど先にある。温泉があるこの周辺はハパオと呼ばれる地区。
フンドアン(ハパオ)の特徴は川を挟んだ両脇に広がる棚田の風景。
川に沿うように歩いていく。外国人のみならず地元の人やフィリピンの観光客も多かった。
45分ほどでボギャ温泉に着いた。平地なので比較的歩きやすかった。
温泉で棚田トレッキングの疲れを癒す。ぬるくて気持ちよかった。
この後は来た道を戻り、ガイドの素敵なおばさまに別れを告げ、バナウェビューポイントに向かいました。バナウェにかなり近い街道沿いにありました。
ビューポイント近くはこのように観光客向けに栄えている。
ビューポイント傍の看板が目印。少しわかりにくい。
対岸に棚田が広がる。が、世界遺産ではないのであまり興奮しなかった。
遠くにバナウェの町が見える。よく見る棚田の写真はここのことが多い。
バナウェビューポイント周辺は観光客がたくさんいた他、イフガオ族の女性がたたずんでいたのが印象的でした。しかし、これまで棚田をさんざんトレッキングして絶景を見た後だったので、世界遺産でないこの棚田はどこか物足りなく感じてしまいました。
観光の後はバナウェに戻り、帰りの支度をはじめました。バスは1日1便なのである程度時間に余裕を持っておきたいところです。バスターミナルへ移動しなければならないのを失念しており、あわただしく移動することになってしまいました。
この日は無事バギオ行行きの長距離バスに乗ることができ、ルソン島北部の世界遺産、ビガン歴史都市を目指し、バナウェを後にしました。
バナウェ滞在はまさに棚田尽くしの3日間でした。トレッキングで足は棒のように、服は汗でドロドロになりましたが、それでもはるばる長距離バスで来たかいがあったかなと思います。
再訪することがあれば、今度はキアンガンも見てみたいと思いました。この旅行記で興味を持っていただけた方は、下の記事の行き方解説も参考にしてみてください。
本サイトで紹介する情報は筆者の訪問当時の現地情報となります。実際に行ってみて変更や意見等がございましたら、コメント等でお知らせいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
また、本サイト内の記述、画像、写真の無断転載・転用を禁止します。
コメントを残す