ホートンプレインズ国立公園、世界の果てと呼ばれる絶景
標高1800mのスリランカの町ヌワラエリヤで一夜を明かし、約束の早朝4時頃目を覚まして準備を始めます。
オーナーが気を利かせて軽いトーストとコーヒーを用意してくれました。寒い朝にはホットコーヒーが染み渡ります。
今日はこの町から車で2時間の世界遺産、スリランカ中央高地に含まれる”ホートンプレインズ国立公園”を目指します。高地に広がる湿地帯の自然は悠大で、公園内にはワールドエンドと呼ばれる絶景スポットがあります。
早朝から行動することでたくさんの動物と遭遇しやすいのだそうです。
まだ日も昇らない早朝から行動開始。ドライバーは宿の人である。
車はどんどんと町を離れ、山を登っていきます。途中でいくつか小さな村を抜け、山奥へと入っていきます。大きな牧場や、スリランカで最も標高が高い駅などを通過していきます。
途中で朝日が昇り始め、幻想的な時間が過ぎてゆきます。公園に近づくと朝靄が濃くなり、あたりは霧に包まれました。
ホートンプレインズ国立公園の入口。ここでいったん降りてチケットを買う。
このゲートでいったん降りて入場用のチケットを購入します。注意したいのが入場料で、なんと4000ルピー。これまで見てきたスリランカの他の世界遺産よりも高く、桁も違います。
日本円にするとたいした金額ではありませんが、ここまでの車代なども考えるとなかなか費用がかさむ世界遺産です。
小さなチケットブースで入場券を買う。観光客はほとんどいない。
さて、その後さらに車で奥まで進みます。
10分ほどで小さな駐車場に着いた。ここが散策の拠点になるようだ。
奥には生物を観測するために英国人が建てたおしゃれな家が残っている。
ここが湿地帯への玄関口になっています。生物保護のためしっかりと荷物チェックを受け、ビニール袋のたぐいはすべて没収されてしまいます。
小さなゲートで簡単な荷物検査を受ける。その後はトレッキング開始。
ドライバーさんとは別れ、ここから湿地帯ホートンプレインズ国立公園のトレッキングが始まります。
一周は約2時間~3時間とやや長く、山道なのでなかなか大変なのだそうです。このトレッキングコースの途中に絶景スポット”ワールドエンド”があります。
午前7時。いよいよトレッキング開始。まだ観光客も少なく空気が気持ちいい。
ほんの数秒歩いたところで、いきなり大物と遭遇したのは驚きでした。
目の前の道を悠然と横切るのは野生のサンバー。早起きした甲斐があった。
このあたりを住処にしており、遭遇率は高いという。
まだ朝早く、それほど人もいないので静かな湿地を歩き進めます。
途中で分岐路がありますが、どちらも同じ道になっていて、右回りか左回りかの違いになります。湿地帯の植生はよく保存されており、全然飽きることがありません。
しばらく進むとうっそうと茂る森の中を通り抜けて行く。
左回りに30分ほど歩き続けると目の前が少し開けてきた。
前日の大雨で道がところどころぬかるんでおり、何度か転びそうになりました。舗装されていない道もたくさんあるので靴選びも大事です。
特に、サンダルやハイヒールではとてもじゃありませんが歩けないでしょう。
こんな感じの道を下る場所もある。かなり足腰を使う。
足を滑らせると大けがなので、慎重に時間を掛けてトレッキングしたい。
やっとのことで一つ目の展望台”リトルワールドエンド”に着いた。
トレッキング開始から45分くらいでようやく一つ目の絶景スポット、リトルワールドエンドにつきました。一番の見所ワールドエンド、の次に絶景と呼ばれる場所です。
眼下に広がる絶景。写真ではなかなか魅力が伝わらない。
切り立った崖のすぐ横を歩いて行く。柵もないのでなかなか怖い。
ここで休憩をしている人もおり、絶景を見ながらお茶を楽しんでいました。
ここまで苦労して歩いてからの絶景なので、喜びもひとしおです。さらなる期待を込めて次の目的地ワールドエンドを目指します。
この頃には霧も晴れ、遠くまで見渡すことができた。
ここから切り立った崖の上を歩き続けます。天気も良く眺めも良いので心なしか足取りも軽くなってきました。
時間にして約10分ほどで、また大きな展望台が見えてきました。
細い山道を抜けるとまた開けた空間が見えてきた。
ここが本家のワールドエンド。世界の果てと呼ばれる展望台。
切り立った崖の上に作られた展望台からの眺めは格別。
道中ではほとんど見かけなかった観光客ですが、この場所でようやく遭遇しました。ここまでかなりの山道を歩いてきたので自分も少しこの場所に長居して休憩しました。
見応えは抜群で、早起きしてくるまで2時間、徒歩1時間掛けて来た甲斐がありました。昨晩とは打って変わってさわやかな晴れの天気なので写真もたくさん撮りました。
柵が低いので見学は十分に注意したい。逆に言えば見晴らしは良い。
ワールドエンド。まさに世界の果てのような光景だった。
霧至った崖と美しい緑の山肌の対比が美しい。
写真もたくさん撮れましたが、ワールドエンドの魅力はやはり現地で体感してこそなのでしょう。
絶景に感激した後はさらに歩みを進めます。ここからは先ほどの駐車場に向かって湿地帯の方を歩いて行きます。
美しい湿地帯の光景。よく保存されていて世界遺産にふさわしい。
帰りは平地の湿原の中をトレッキングしていく。夏だがやや涼しい。
湿地帯に特有の植生が見られ、ゴミひとつ無く保存されている。
トレッキングコースは歩きやすいものの、やはりかなり長く感じました。どんなに健脚な人でも一周2時間は見ておくと良いと思います。午後からは観光客の数が増えてくるらしいので早朝の見学がおすすめです。
平地もありますがアップダウンの多い土地でもあり、また岩場もあるので足の裏がやや痛くなりました。
しばらく歩いていると、日本人ツアーの団体とすれ違いました。スリランカを旅行する日本人自体かなり珍しいですが、こんな山奥で遭遇するとは想像もしていなかったので少しうれしくなりました。
景色がどんどんと変わるので歩いている最中に飽きることはなかった。
そして最後の見所、ベイカーの滝と呼ばれる大滝が見られる場所がある。
前日の雨の影響もあり、かなりの水量になっていた。
こんなに間近で滝を見ることのできる大迫力の展望スペースがある。
こちらがベイカーの滝。かなり横幅のある大滝である。
だんだんと時間が経つと、すれ違う人の数が増えてきました。みな登山のような本格的な格好をしており、トレッキングを楽しんでいるようでした。野生生物もたくさん生息しており、空気がとても気持ちよかったです。
中には足下が険しい岩になっている場所もあるので、くれぐれも油断はしないように。
歩くこと2時間半で最初の分岐の場所に戻ってきた。とても充実したトレッキングも終了。
トレッキングコースはここで終了。ちなみにこの分岐路を左に行くとリトルワールドエンド→ワールドエンド→ベイカーの滝の順で回ることになり、右に行くとその逆でベイカーの滝→ワールドエンド→リトルワールドエンドの順になります。
どちらも結局同じルートなのですが、ワールドエンドの後にリトルワールドエンドに行くと楽しみが半減しそうな気がするので、左回りのルートがおすすめです。
駐車場に戻ってくると大きな鹿がご飯を食べていました。
人の近くで堂々と草を食べている鹿。逃げるそぶりは全くない。
この近くに生息している鹿はとても人慣れしているそうです。しかし、餌付けは禁止だそうなので見かけても温かく見守ってあげるだけにしましょう。
このあと、ドライバーと合流してヌワラエリヤへの帰路につきます。
車の運転中に野生の猿の群れに遭遇した。
帰る途中の牧場ではたくさんの牛が放牧されていた。
行きとは違い、帰りは車の交通量も増え、これからホートンプレインズ国立公園に向かう人もたくさんいました。
疲れもあってうとうとしかけたころセイロンティーの茶畑が目に入った。
早朝からの長旅を経て、ようやくヌワラエリヤに帰ってきました。時刻は12時前。幻想的だったホートンプレインズ国立公園のトレッキングを終え、今日はこれからさらに次の目的地に移動します。
標高1800mのスリランカ高原地域にもお別れを告げ、山を下りながらスリランカの地をさらに南へ向かいます。
目的地はスリランカ密林地帯に近い宝石採掘が盛んな町、ラトゥナプラです。
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