ハミギタン山岳野生生物保護区 【フィリピン】 行き方と難易度

ハミギタン山岳野生生物保護区の行き方

難易度★★★★★

ハミギタン山岳野生生物保護区はフィリピンのミンダナオ島の南東部に位置する自然遺産で、フィリピンイーグルなど、ミンダナオに生息する固有種が多数生息しています。

ハミギタン山など保護区を観光する際は、事前に許可証の提出が必要な他、許可を得たレンジャーの同行が必要になるため、一般の観光客はハミギタン博物館周辺を散策することになります。

ミンダナオ島は広域に渡航危険レベル2またはレベル3が発令されています。ミンダナオ島ではイスラム過激派が活動していることが分かっており、過去には外国人の誘拐やテロも起きています。

ミンダナオ島の空の玄関口であるダバオや、ハミギタン探索の起点となるマティは、マニラと同じ渡航危険レベル1ですが、ダバオ-マティ間やハミギタン山岳野生生物保護区周辺はレベル2となっています。また、ハミギタン周辺は電波が弱く、Smartでは圏外になりました。

本記事はハミギタン周辺の安全を保障するものではありません。渡航はご自身の判断において行い、旅行中は常に細心の注意を払うようにしてください。

日本外務省HPミンダナオ島について

ハミギタン山岳野生生物保護区の行き方

●ハミギタン山岳野生生物保護区はミンダナオ島の南東部にあります。ミンダナオの大都市ダバオはフィリピンで3番目に大きな都市で、マニラから飛行機が毎日頻繁に運行しています。ミンダナオの北西部は前述の通り大変危険なので、ミンダナオ島渡航時はマニラからダバオへの飛行機を利用してください。

ダバオからマティへは長距離バスが30分~1時間おきに運航しています。距離としては遠くありませんが途中の街ごとに停車して乗り降りがあるので所要は片道5時間です。長距離バスでの移動になりますが、ダバオ-マティ間は渡航危険レベル2区域にあたりますので十分に注意してください。

ハミギタンに最も近いのは途中のサンイシドロという村ですが、この村は渡航危険レベル2区域に当たるので滞在はお勧めしません。また、村なので宿泊施設があるか定かではありません。終点のマティまで行き、宿泊するのが安全です。

マティにはBooking.comを含むネット上で予約できるホテルがほぼありません。Googleマップを頼りに現地で宿を探す必要があります。ジョリビーやマクドナルドがある市内中心部やバスターミナル周辺が栄えています。筆者はジョリビー付近の宿を利用しました。朝食付き個室、温水シャワーありで一泊800ペソでした。

マティからハミギタンへはバイクで1~2時間です。ガイド付き、往復チャーターで2000ペソ(=5000円くらい)でした。ほとんど観光客がいないので相場は分かりませんが距離を考えると妥当だと思います。

●ハミギタン博物館は筆者訪問時は改装中のため閉館中でした。2023年5月10日ごろ開館とのことですが、詳細は不明です。現地語の公式HPで最新情報を確認してください。

ハミギタン博物館の隣には高級なリゾートホテルが併設されています。高級ホテルなのでセキュリティもしっかりしており、こちらを利用するのも良いです。ただし、渡航危険レベル2区域内であることは注意しておきましょう。また、ハミギタン周辺は電波が弱く、筆者のフィリピンキャリアSmartのSIMでも通信速度が遅く、圏外になりました。

●ハミギタン山岳野生生物保護区に関連する施設として、マティにあるスバンガン・ダバオオリエンタル・博物館およびダバオ郊外のフィリピン・イーグル・ファウンデーションも世界遺産のより深い理解のため、おすすめです。

ダバオ空港。ダバオ自体は渡航危険レベル1で比較的安全に観光できる。

ダバオのやや南東部にある長距離バスターミナル。入場時、荷物検査がある。

マティ行きのバスは他のバスと比べると本数はやや少なめ。乗客も少なかった。

正確な値段を失念してしまったが、500ペソくらいだったと思う。

途中の街、マコ。バスが止まるたびに商人が乗り込んで様々なものを売りに来る。

ルポンの街。ここまでは海沿いの道だったがマティへは山を越える。

マティのバスターミナル。ここまで来ると外国人観光客はおらず、英語もほぼ通じない。

参考までに筆者が泊まったホテルの外観。ジョリビーの北西あたりにある。

トライシクルで通過したサン・イシドロ村。アクセスするならこの村が一番近い。

サン・イシドロを過ぎるとハミギタン山(右)が見えてくる。

ハミギタン山岳野生生物の看板を目印に少し山道を登っていく。

のどかな山道だが、ハミギタンの近くにはプールもあり、観光客が多い。

道路の先が駐車場になっており、その先にハミギタン博物館がある。

ハミギタン山岳野生生物保護区

ハミギタン山岳野生生物保護区はミンダナオ島南東部のプジャダ半島にある、ハミギタン山周辺の地区が世界自然遺産に登録されています。たくさんの固有種が生息しており、生物多様性に関する登録基準10が認められています。

中でも有名なのがハミギタンの固有種であるウツボカズラネペンテス・ハミグイタネンシスと、ミンダナオ島に生息する絶滅危惧種のフィリピンイーグルです。現在は50羽ほどに激減しており、そのほとんどは後ほど紹介するフィリピンイーグル・ファウンデーションにて保護されています。

自然環境保護の観点から自由な立ち入りはできず、観光客はハミギタン博物館周辺を散策することになります。繰り返しの注意喚起になりますが、ハミギタン周辺は渡航危険レベル2の地域になっています。不要な滞在は避け、警戒を怠らないようにしてください。

ハミギタンの駐車場に奥に博物館がある。筆者訪問時は改装中だった。

ハミギタン博物館の展示は評判が良いので、行かれた方はぜひ情報をコメントで共有してください。

筆者の事前調査では改装は3月までだったが、訪問時は5月までとなっていた。今後も延長の可能性がある。

博物館周辺は歩道が整備されているので簡単な散策が可能。

散策していると鳥の鳴き声が聞こえてくるので心地よい。

博物館周辺でもウツボカズラは見ることができた。

歩道を横切るトカゲに遭遇。

電波が圏外なので不用意に道から外れないように注意したい。

博物館のすぐ横にあるリゾートホテル。ネット予約も可能。

綺麗なロッジなので宿泊するのも良いが、渡航危険レベル2地域なのをお忘れなく。

併設のプールは現地の人たちやダバオの人にも人気らしい。

スバンガン・ダバオオリエンタル・博物館

スバンガン・ダバオオリエンタル・博物館はマティ市内にある中規模博物館です。ダバオの歴史や自然の展示がメインで、2Fにはハミギタン山岳野生生物保護区に関する展示もあり、世界遺産登録証も展示されています。

休館日は無く、9時~18時までとなっています。マティ中心部から歩くと1時間の距離にあるため、トライシクルやジプニーを利用するのが楽です。

スバンガン・ダバオオリエンタル・博物館。入場料は確か50ペソ。

内部はフラッシュ撮影のみ禁止。動画の撮影はOK。

エントランスホールの巨大なクジラの骨が目玉展示だった。

2階にはハミギタンのコーナーと世界遺産登録登録証の展示もあった。

そこまで広くはないが、ハミギタンの固有植物の写真や解説があった。

ハミギタンを訪問するためにマティに来た際は、こちらも併せて訪れたい。

フィリピンイーグル・ファウンデーション

フィリピンイーグル・ファウンデーションはダバオ郊外のカリナンCalinanという町にある施設で、絶滅の危機にあるフィリピンイーグルの保護、繁殖を行っています。

ハミギタン山岳野生生物保護区と直接の関係はありませんが、ハミギタンとダバオのシンボルでもあるフィリピンイーグル見たい場合はこちらも訪問をお勧めします。この施設は渡航危険レベル1の地域にあるため、安心して観光することができます。

ダバオ市内からはやや遠く、車で1時間の距離にあります。ジプニーでCalinanまで行き、そこからトライシクルを使うと安く行くことができます。

フィリピンイーグル・ファウンデーションはダバオ中心部から車で1時間。

フィリピンイーグルだけでなく、様々な鳥類や他の動物も飼育されている。

貴重なフィリピンイーグルを間近で見ることができる。

フィリピンイーグルのはく製。研究を行う学生がボランティアでガイドしてくれる。

 

近くの世界遺産

なし

 

本サイトで紹介する情報は筆者の訪問当時の現地情報となります。実際に行ってみて変更や意見等がございましたら、コメント等でお知らせいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

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