フィリピン・コルディリェーラの棚田群 【フィリピン】 行き方と難易度

フィリピン・コルディリェーラの棚田群の行き方

難易度★★★★★

フィリピンのコルディリェーラの棚田郡はルソン島の北部、バナウェ周辺に点在する棚田で、バダット、バンガアン、フンドアン、ナガカダン、マヨヤオという5つの地域にあります。

山の斜面に広がる壮大な風景は訪れる人を虜にする美しさですが、交通手段の乏しい山奥にあるためアクセスが困難です。また、フンドアン、ナガカダン、マヨヤオはそれぞれバナウェから別方向にあるため5つすべての棚田を巡る場合、3~4日を要します。

現地の地図より。バナウェから、マヨヤオは東、フンドアンは北、ナガカダンは南方向にある。

棚田だけの見学も可能ですが、棚田のトレッキングにチャレンジする場合、上り下りが多く、気温も高いので体力を消耗します。

バナウェ周辺は携帯の電波が入りにくいです。筆者はフィリピン大手のSmartのSIMカードを使用しましたが、通信速度は遅く、圏外になることもありました。

棚田の位置関係と巡り方、おすすめなどについては後ほどもう少し詳しく解説します。

フィリピン・コルディリェーラの棚田群の行き方

●棚田郡の観光の起点となるのはバナウェという町です。山間の街であるため飛行機は無く、鉄道もありません。

アクセス手段は長距離バスのみで、マニラからは所要10時間の夜行バスがあります。Ohayami Trans(オハヤミ・トランス)一日3本のみ運行。席には限りがあるので予約を推奨。満席になる込み具合です。バス乗り場は比較的マニラ中心部に近いですが、夜間はかなり暗くなるので、歩き回るのは男性でも怖いです。

Ohayami Trans予約の公式HP(英語)

●また,CODAラインズがマニラのクバオからバナウェを経由してサガダまで向かう便を1日3本運行しています。乗り場がクバオと、マニラ中心部から少し離れているのと、バナウェが終点ではないため乗り過ごしには注意が必要です。

●ルソン島中部の大都市バギオからも長距離バスや乗合ワゴンが運行しています。しかし、バギオ自体も標高が高く、飛行機が発着していない他、鉄道もなくアクセス手段は長距離バスのみになります。

●フィリピンは一年を通して暖かい気候の国ですが、長距離バスはエアコンが効いてかなり冷えるので、寒さ対策も必要です。

バナウェから帰りの便も本数が少ないので早めに予約しておきましょう。バナウェ発Ohayami Transのマニラ行き、バギオ行はそれぞれ1日1本のみ(17:00頃発、翌3:00時頃着)です。また、Ohayami Transのチケット売り場はバナウェ中心部ですが、バス乗り場はバナウェ中心部からかなり離れた所にあります。徒歩では厳しい距離にあるのでトライシクルを使用しましょう。

バナウェから各棚田へは歩いて行ける距離ではないため、トライシクルやタクシーをチャーターして向かうのが推奨です。ジプニーも多少運行していますが時間が不安定で、棚田を自分のペースで巡ることができないというデメリットがあります。

オハヤミトランスの乗り場があるレガルダ駅周辺。夜間は暗いのでタクシーが安全。

オハヤミトランスバスターミナル。この周辺だけは観光客でにぎわう。

バスは筆者がついた時には2台目まで席が埋まっていたので、予約を推奨。

夜行シートではなく、普通の4列シートバスで10時間。休憩は数回あるが、かなりきつい。

バスのチケット。座席は指定制で料金は600ペソほど。

10時間の長旅を経てようやくバナウェに到着。ターミナルは中心部からやや離れている。

バナウェに到着したら一人ずつ”観光税”を支払う必要がある。

バナウェは山間の小さな町。ホテルは十分な件数あるがATMは町に1台しかない。

バナウェからも棚田は見えるが、この周辺の棚田は世界遺産ではない。

バナウェのメインストリート。それなりに店は充実している。

棚田群の位置関係と特徴、周遊プラン

前述のとおり、フィリピンのコルディリェーラの棚田郡は、バダット、バンガアン、フンドアン、ナガカダン、マヨヤオという5つの地域に分かれています。

それぞれの棚田はかなり離れており、また特徴も異なります。トレッキングを含めると棚田見学には時間がかかるので、以下を参考に、事前にプランを少し考えておきましょう。

各棚田は環境保護の観点から観光客のみで立ち入ることはできず、棚田専属のガイドの同伴が必須です。

バダットの棚田

おすすめ度★★★★★

5つの棚田の中でもっとも有名で、最も観光客の多い場所です。バダットにはホテルもいくつかあり、世界遺産を眺めながら宿泊することもできます。棚田をトレッキングしたり、タッピヤ滝まで行くと所要3時間はかかります。バナウェから最も近く、時間がなければこことバンガアンを1日で回るとよいでしょう。

バンガアンの棚田

おすすめ度★★★☆☆

バダットの棚田に近いため、おそらく同時に訪れることが多い場所です。幹線道路沿いにバンガアンの棚田全体を見下ろすビューポイントがあるので、そこから楽しむのがおすすめ。ビューポイントだけなら時間はかかりません。

フンドアンの棚田

おすすめ度★★★★☆

バナウェの北側にあるフンドアンはハパオと呼ばれる地区を観光することになります。大きな川の両脇に広がる棚田が見どころです。また、40分ほど棚田を歩いていくと、野外温泉があり水着で入浴することができます。ただし、混浴なので注意が必要です。同じくバナウェの北側にある”バナウェビューポイント”と合わせて訪れるのがおすすめ。

マヨヤオの棚田

おすすめ度★★★☆☆

棚田郡の中では最も遠くに位置するマヨヤオは観光客がとても少なくゆっくり観光できます。平原に広がるのどかな棚田の風景を楽しみたい方は検討してみてください。バナウェからだと往復4時間で観光や食事の時間を含めると1日を消費するので時間とお金に余裕のある方向けです。

ナガカダンの棚田

おすすめ度★☆☆☆☆

バナウェと同じく栄えた町、キアンガンの郊外にあります。筆者は訪れなかったのですが、バナウェの観光案内所でもナガカダンよりは他の棚田の方が面白いと言われてしまいました。キアンガンには戦争追悼碑や平和博物館、イフガオ博物館などがあるので、キアンガンに魅力を感じる方はナガカダンもご検討ください。

バナウェビューポイント

おすすめ度★★☆☆☆

バナウェのやや北側にある棚田で、バナウェから唯一歩いて行ける距離にあります。(それでもやや遠く、行きは上り坂です)観光客向けのお土産売り場やカフェ、レストランが立ち並びますが、ここは世界遺産ではありません。ここには民族衣装を着たイフガオ族の方がおり、チップを渡して写真を撮ることができます。棚田自体も他の地域のものと比較すると少し見劣りしますが、フンドアンと合わせて訪れるとよいでしょう。

モデルプラン

マニラから深夜バスを利用して朝の8時にバナウェに到着、帰りは17時発のマニラorバギオ行きを利用するものとします。

日帰りの場合 バダット、バンガアンの棚田をサクッとコース

バナウェ(8:00)→バダットの棚田トレッキング(~13:00)→バンガアンの棚田ビューポイント(13:30)→バナウェ(14:00)→余裕があればバナウェビューポイントへ(トライシクル、観光含め往復1.5h)→バナウェ(16:30)

1泊の場合 バダット、バンガアン、フンドアンと温泉ゆったりコース

バナウェ(8:00)→バダットの棚田トレッキング(~14:00)→バンガアンの棚田ビューポイントor散策(15:30)→バナウェ(16:00)バナウェ泊

バナウエ(8:00)※水着を下に着ておくと良し→フンドアン(ハパオ)の棚田(9:00)ボギャ温泉へトレッキング(~12:00)→バナウェビューポイント(13:00)→バナウェへ歩いて戻る(15:00)

2泊の場合 バダット、バンガアン、フンドアン、マヨヤオ棚田じっくりコース

バナウェ(8:00)→バダットの棚田トレッキング(~14:00)→バンガアンの棚田ビューポイントor散策(15:30)→バナウェ(16:00)バナウェ泊

バナウェ(8:00)→マヨヤオ(10:00)→マヨヤオビューポイント(10:30)→マヨヤオの棚田トレッキング(~13:30)→バナウェ(16:00)バナウェ泊

バナウエ(8:00)※水着を下に着ておくと良し→フンドアン(ハパオ)の棚田(9:00)→ボギャ温泉へトレッキング(~12:00)→フンドアン村へ(13:00)→バナウェビューポイント(14:30)→バナウェ(15:30)

3泊の場合 バダット、バンガアン、フンドアン、マヨヤオ、ナガカダン棚田制覇コース

バナウェ(8:00)→バダットの棚田トレッキング(~14:00)→バンガアンの棚田ビューポイントor散策(15:30)→バナウェ(16:00)バナウェ泊

バナウェ(8:00)→マヨヤオ(10:00)→マヨヤオビューポイント(10:30)→マヨヤオの棚田トレッキング(~13:30)→バナウェ(16:00)バナウェ泊

バナウェ(8:00)→キアンガン(9:00)→ナガカダンの棚田トレッキング(12:00)→キアンガンの平和博物館、戦争追悼碑、イフガオ博物館(~15:00)→バナウェ(16:00)バナウェ泊

バナウエ(8:00)※水着を下に着ておくと良し→フンドアン(ハパオ)の棚田(9:00)→ボギャ温泉へトレッキング(~12:00)→フンドアン村へ(13:00)→バナウェビューポイント(14:30)→バナウェ(15:30)

棚田のトレッキングは山登りも同然なので、フィリピンの暑い気候の中で、連日の棚田トレッキングはかなりの体力を消耗します。

ケガをしてしまうと、バナウェは山奥のため治療が大変です。自分の体力に合わせて無理のない周遊計画を立ててください。

2泊3日で実際に巡ってみた様子を各棚田の違いに着目しながら次ページで紹介していきます。

コルディリェーラの棚田群 観光しつくす2泊3日の旅-バダット編-

近くの世界遺産

なし

 

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