マラッカ散策。国境の街ジョホールバルへ。
目が覚めたのは7時。小雨のような音が窓の外から聞こえてきます。少しげんなりしながらも朝食に向かいます。本日泊まったホテル プリは世界遺産マラッカの西側、チャイナタウン地区にあります。
中国風な建築のホテルプリ。リーズナブルだが内装は豪華で落ち着く。
マラッカ市街は開館時間に縛られず、自由に見学できる場所も多いため宿に荷物を置いて早朝の街に繰り出します。
まずはジョンカーストリートを歩いてオランダ広場に向かいます。昨夜大量の露店が置かれていた道路は、熱気を雨が洗い落としたのか閑散としていました。
オランダ広場
マラッカは東南アジアの貿易拠点として、ペナン島のジョージタウンと共に繁栄しました。その利便性はヨーロッパの国々に目を付けられ、植民地支配の標的となりました。
ポルトガルやオランダ、イギリス、そして日本と様々な国の支配を受けたため、文化が混合した独自の発展を遂げた点が見どころとなっています。
広場に面するスタダイスやムラカキリスト教会はどちらもオランダ統治時代の建造物です。
スタダイスやキリスト教会が隣接するオランダ広場は人気の観光スポット。
スタダイスやキリスト教会は鮮やかな朱色が美しい。
広場周辺には遺構が残されている。こうした土台はマラッカ各地に残っている。
砦の遺構には大砲も飾られており、当時の情景が想像できる。
オランダ広場から中央の丘を反時計回りに歩いていきます。オレンジ色の博物館などを見ながらさらに進んで行くと、次の見どころ、サンチャゴ砦につきます。
こちらも鮮やかな色合いの建物で、イスラム教がテーマの博物館。
サンチャゴ砦
オランダ広場から中央の丘を半周回った反対側にあるサンチャゴ砦は、ポルトガル軍によって建てられました。
砦には大きな大砲が備え付けられているほか、壁に彫られている美しいレリーフも見どころです。
人気の観光スポットで日中は混雑するが、朝は誰もいなかった。
砦の門の上部に彫られたレリーフは保存状態も良い。
サンチャゴ砦の裏手にある階段から丘を登っていくと、見晴らしのいい丘の頂上にセント・ポール教会が建っています。
階段もゆるやかで歩きやすい。朝なのでとても空いていた。
セント・ポール教会
マラッカ中心部の小高い丘の上にあるセント・ポール教会はポルトガルによって建てられ、東南アジアにおける宣教活動の拠点となりました
天井部分は崩落して残っていませんが、マレーシアの熱帯湿潤気候に耐えたヨーロッパ風の建築は大部分がよく保存されています。また、見晴らしの良い展望広場からはマラッカの街や遠くに広がるマラッカ海峡を望むことができます。
マラッカ中央の小高い丘の上に建つ、美しいセント・ポール教会。
天井は崩落しており、教会の内部からは青空が見える。
ザビエルの遺骨が安置されたこともあり、教会の前には彼の像が建つ。
この日は曇り空だったが、美しい夕日が見られることでも有名。
マラッカをのんびり散策しているとスタダイスの開館時間になったので、丘を降りてオランダ広場に戻り、スタダイス見学に向かいます。
スタダイス
オランダ広場でもひときわ目立つ朱色の大きな建物は、オランダ統治時代にオランダ総督の居住地として使用されました。
内部は博物館となっており、植民地支配時代の生活や戦闘に関する展示や、マレーシア文化に関する展示が充実していてとても勉強になります。
なかでも各植民地時代の生活の変化が比較された展示構成が面白く、2階には日本統治時代の生活も比較的好意的に展示されていました。
チケットセンター。開館と同時に入館したので誰にも邪魔されずに見学できた。
展示は本格的で、マレーシア式住居の再現や服装の解説などもあった。
武器防具などマラッカにおける戦闘の歴史がテーマの部屋もある。
じっくりと見学した後はマラッカを少し散策します。リバークルーズに乗る予定でしたが、雨季は増水のため運行ができないようでした。
マラッカ川沿いにはカフェやバーが多く、おしゃれなアートもみられる。
華やかなマラッカ側は歩いて散策するだけでも楽しい。
マラッカの目立つ位置にある巨大なアート。世界遺産の表示もある。
ゴシック様式のセント・フランシス・ザビエル教会。
一通りの見学を終えて宿に戻り、Grabタクシーでマラッカのバスターミナルに向かいました。10時半に到着して11時発のジョホールバル行きのバスチケットを購入します。
バスターミナルはお土産や小物、食べ物が売られる商店がたくさん入っており、ここでマレーシアは最後となるので手持ちのマレーシアリンギットをほとんど消費してお土産を買いこみました。
時間の10分前になるとバスが到着。いよいよシンガポールに向けて出発します。
ジョホールバル行きのバスは頻繁に運行しており、11時発のバスは2本もあった。
バスはガラガラ。遅れることなく11時にマラッカを出発した。
マラッカを出発したバスは高速道路を南下してシンガポールとの国境の街、ジョホールバルを目指します。眺めの良い一番前の席を取れたので運転しているような気分を味わうことができました。
バスは3時間ほどの長旅でしたが、途中で一度サービスエリアでトイレ休憩がありました。
新しい街への移動はいつだってワクワクする。
サービスエリアで小休憩。トイレと軽食店のみの小さな建物。
ジョホールバルのラーキン・バスターミナルに到着。マレーシア滞在もこれで終わり。
マラッカから3時間、マレー半島のマレーシア南端にあたるジョホールバルの街に到着しました。国境の街ならではの慌ただしさや妙な緊張感を肌に感じます。
最初はわからずにバスカウンターの方に並んでしまいましたが、シンガポールに向かう人は列に並ぶ必要はなく、待合室でバスを待つようです。ラーキン・バスターミナルはジョホールバルの北側の郊外に位置しており、
ラーキン・バスターミナル→マレーシア側イミグレ→国境の橋を渡る→シンガポール側イミグレ→ウッドランズからシンガポール各地へ。
といった流れで国境を通過します。バスは頻繁に運行しており、予約の必要は特にありません。また、乗ってきたバスに乗るのでは無く、チケットを購入したバス会社の別のバスを乗り継いでいきます。
この旅ではラーキンバスターミナル→マレーシアイミグレ、マレーシアイミグレ→シンガポールイミグレ、シンガポールイミグレ→市内へと1枚のチケットで3台の別々のバスを乗り継ぎました。チケットは絶対に無くさないようにしましょう。
ラーキン・バスターミナルから国境へ。いざ、シンガポール!
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