フエの構造物群の行き方
目次
難易度★★★☆☆
フエは1802年~1945年まで続いたベトナムのグエン朝の首都として発展し、王宮や歴大王の陵墓が築かれました。
フエには空港があるため飛行機でのアクセスもできるほか、ベトナム中部の大都市ダナンからバスや電車で3時間とアクセスも良好です。
フエは王宮そのものも広大で見ごたえがある他、郊外にはミンマン帝陵、カイディン帝陵などといった歴大王の陵墓があり、すべて巡るとなると1日近くかかるでしょう。
フエの構造物群の行き方
●フエはベトナム中部の街ダナンの北、約100kmの場所にあります。列車、バスがベトナム各地から頻繁に運行している他、空港もあるため容易にアクセスすることができます。
●電車の場合、ダナンから3時間ほど、ハノイからは12時間前後です。鉄道駅はフエ中心部に近いため、そのまま観光することができます。駅から王宮へは約2kmです。
●バスを利用する場合、ダナンのチュンタム・ダナン・バスターミナルから公式のバスが7:30、8:30、9:30に出発しています。所要は約3時間です。一方で乗り合いバス(小さなマイクロバス)は頻繁に運行しており、こちらを使うと便利です。フエのバスターミナルは旧市街の南約3kmの場所にあり、観光地から少し離れています。
●また飛行機はハノイやホーチミンから一日数本発着しています。ハノイでハロン湾を観光した後、フエに移動し、ダナン周辺のホイアンやミーソン聖域と合わせて訪問するのもおすすめです。
●フエの王宮のみ見学の場合は不要ですが、ティエンムー寺や郊外の王族の陵墓(カイディン帝陵、ミンマン帝陵、トゥドゥック帝陵)を見学する場合はかなり離れているためバイクかタクシーをチャーターする必要があります。レンタサイクルも可能と書いてあるガイドブックもありますが、かなり距離がある上、坂道が続くのでおすすめはできません。
おしゃれな外観のフエ駅。王宮に近いため、観光にも便利。
フエのアンクー・バスターミナル。バイタクやタクシーで旧市街に向かう。
ダナン-フエは乗り合いのマイクロバスが便利。所要は3時間、休憩なし。
フエの構造物群
フエはベトナムのグエン(阮)朝時代に首都として繁栄した都市です。グエン朝は150年近く続く長期政権となり、その繁栄の中で隣国清の紫禁城の影響を受けた中国風建築の王宮や、離宮、寺院、霊廟などが世界遺産に登録されています。
王宮や旧市街は、ベトナム戦争により多大な被害を受けましたが、戦後復旧、修復が進められ、現在も王宮を含めた遺産の保護活動が行われています。
フエはベトナムでも人気の観光地のひとつで、フエのシンボルでもある王宮の他、郊外のカイディン帝陵などは日中多くの観光客でにぎわい、混雑します。
グエン朝王宮
フエ観光の中心、グエン朝王宮は中国の紫禁城に大きな影響を受けており、中国風の建築様式が見られます。13代に及んだ歴代皇帝によって何度も増改築が繰り返され、王宮門を通ると1km四方の敷地内に太和殿をはじめ、たくさんの歴史的建造物が並びます。
日本語の音声案内が利用できるため、これを聞きながら回るとフエ王宮の歴史や見どころを把握しながら回ることができます。太和殿の他、池に囲まれた質素な離れ、ジエント宮、ロイヤルシアターなどが見どころです。
全てをじっくり回ると所要は2時間~3時間といったところでしょう。また、気温の高いベトナムにおいて、日陰の少なく、広い王宮を長時間歩くので帽子やサングラス、水は忘れずに持参していきましょう。
フエ王宮のチケット売り場。陵墓群とのセット券もある。
門の対面には国旗掲揚塔がある。
フエの王宮門。グエン朝初期に建造され、その後末期に再建されている。
正面にある太和殿。ベトナム戦争中に破壊され、再建された。
王宮内には石壁があり、さらに内部が区切られている。
王宮の西側に残るテートー廟。王宮の中でも美しい建物の一つ。
石造りの飾り門。中国と東南アジアの文化が混合した美しい装飾。
初代皇帝、ザーロン帝の母親の住居、ジエント宮。
2代目、ミンマン帝時代に建てられた北西のチューンサン宮。
王宮の北部はベトナム戦争で大きな被害を受け、のどかな風景のみが残る。
東側にあるロイヤルシアター。宮廷舞踊が行われていた豪華な間。
出口は西側の顕仁門。こちらも美しい装飾の門。
ティエンム寺
ティエンム寺はグエン朝以前の17世紀初頭に建造された仏教寺院で、グエン王宮の西側3km、フーン川沿いにあります。
高さ20mを越える8角形の仏塔が有名で、その奥にはダイフン寺と呼ばれる寺院があります。野外施設のため24時間開放されていますが、ダイフン寺は7~11時、13:30~18:00と時間が定められています。
フーン川沿いの高台の上にそびえたつ8角形の塔。登ることはできない。
ティエンム寺の奥にあるダイフン寺。
さらに奥には仏塔と竹林があり、静かな時間が流れる。
カイディン帝陵
カイディン帝陵はフエ王宮の南、6.5kmほどの山の斜面に造られた第12代カイディン帝の陵墓で、フエの陵墓の中で最も豪華絢爛な建築となっています。
西洋風の外観に宝石をちりばめた豪華な内装など、他の陵墓とは大きく異なる派手な陵墓になっており、カイディン帝の死後に建築が完了しました。
夏季は朝6:30から、冬季は7:00から開館しており、無休で営業しております。フエの世界遺産の中でも人気の構成資産の一つです。
カイディン帝自身の像が中央に鎮座する豪華な霊廟。
西洋風の建築は、ベトナムにいることを忘れさせる。
カイディン帝は浪費壁があり、財政が傾いたという。
フエでも人気の観光地の一つで、日中は混雑する。
ミンマン帝陵
ミンマン帝はグエン朝の2代目の皇帝で初代ザーロン帝の4男にあたる人物です。非常に有能で、グエン朝の発達に大きく寄与した人物といわれています。
静かな敷地内には動物や人物を模した石造が置かれており、最深部には石壁に囲まれた霊廟があります。上記カイディン帝陵とは真逆の自然と調和した落ち着いた建築です。
開館時間はカイディン帝陵と同じく夏季630~、冬季7:00~で、年中無休です。
ミンマン帝陵の入り口。自然に囲まれたのどかな雰囲気。
死者の霊を守ると言われる、等間隔に並ぶ石造が印象的。
のどかな景観が広がる。観光客の数はやや少ない。
最深部には王墓への石扉があるが、ここから先は非公開。
トゥドゥック帝陵
トウドゥック帝はグエン朝第4代皇帝で、その陵墓は王宮の南西部約8kmの場所にあります。
ミンマン帝陵、カイディン帝陵より面積が広く、のどかな雰囲気のある場所です。開館時間は他の2つと同じく夏季6:30~、冬季7:00~で、年中無休です。
トゥドゥック帝陵の入り口。観光客が少なくのんびりできる。
トゥドゥック帝陵の特徴は敷地内に大きな池がある点。
皇帝の鉱石が書かれた石碑などがある。
その奥にはトゥドゥック帝陵の石棺があるが、遺体は見つかっていない。
池の前には休息用の建物があり、池を見ながら涼むことができる。
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