海事都市グリニッジの行き方
目次
日帰り難易度★☆☆☆☆
ロンドン郊外にある海事都市グリニッジは、その名の通り海運関連で栄えた街で、その地域一帯が世界遺産に登録されています。テムズ川沿いにある旧王立海軍学校は巨匠クリストファー・レンによる建築です。
また、グリニッジの丘上には旧標準時子午線でも有名なグリニッジ天文台があります。
ロンドン中心部からは地下鉄DLR及び国鉄が通っており、比較的簡単に日帰りができる世界遺産と言えます。また暖かい時期はウエストミンスター・ピアからボートで向かうこともできます。
ロンドンの地下鉄路線図と近郊の世界遺産。VISIT LONDON より引用
グリニッジの行き方
●グリニッジはロンドンの東側、テムズ川の下流方面にあります。最もシンプルな行き方はモニュメント駅やタワー・ヒル駅からDLR(ドックランズ・ライト・レイルウェイ)を使う手段です。カティ・サーク駅で降りるとすぐ旧王立海軍学校やカティ・サーク号にアクセスすることができます。
●国鉄を使う場合はチャリングクロス駅から、約20分ほどでグリニッジ駅に着きます。駅から旧王立海軍学校や海洋博物館は少し離れており10分ほど歩きます。
●テムズ川クルーズ船を使用する場合、市内中心部から40分ほどでグリニッジ・ピアに到着します。船着場はカティサーク広場や観光案内所に直結しています。
国鉄グリニッジ駅から西に向かって大通りを進むと、世界遺産地域が見えてくる。
船で行くとグリニッジピアはカティ・サーク号の目の前にある。
船着場から歩いてすぐ旧王立海軍学校の敷地内に入ると、観光案内所が見える。
カティ・サーク号
中国の紅茶をヨーロッパに輸入する際、その競争の中で帆船の速さも競われるようになり、誕生したのがカティ・サーク号です。この世界最速の大型帆船は、蒸気船の台頭まで多くの物資の輸送に使用されました。
引退後はグリニッジで展示されていましたが、2007年に火災で大きな損傷を受けました。現在は修復作業が完了し、内部も見学できるようになっています。
りりしい姿のカティ・サーク号。内部は博物館のようになっている。
旧王立海軍学校
旧王立海軍学校の美しいバロック様式の建築物群は、クリストファー・レンによる作品です。敷地内の立ち入りは自由ですが、入ることができる建物は制限されています。
見所は礼拝堂と、ジェイムズソーンヒルが描いた絵が部屋一面に広がるペインテッドホール (絵画の間)です。どちらも大学構内の中心部にあります。
西門から5分ほど歩くと、現在は大学として使用される美しい建物群が見えてくる。
左右の建物はそれぞれキングウィリアム・コートとクイーンマリー・コート。
巨匠、クリストファー・レンによるバロック様式の美しく統制の取れたデザイン。
クイーンマリー・コートにある礼拝堂の内部。柱はなく、比較的シンプルな内装。
キングウィリアム・コートにあるペインテッドホール。その名の通り絵画の広間。
部屋一面に装飾された絵画には圧倒される。見学は無料。
天井を覆い尽くす絵画。これらの絵はジェームズ・ソーンヒルによる作品。
大学内の建物はどれもデザイン性があり、一部はグリニッジ大学として使用されている。
国立海洋博物館
グリニッジの海洋博物館は、旧王立海軍学校の南側、世界遺産登録地域の中心部に位置しています。トラファルガーの戦いで活躍したイギリスの英雄ネルソン提督や、冒険家キャプテン・クックなど海洋にまつわる展示があります。
入場は無料で、開館は10:00~17:00。休館日は12/24-26のみです。無料とは思えない規模の展示で、じっくり見ると1時間以上は要するでしょう。
立派な外観の国立海洋博物館。イギリスの海洋関連の歴史が学べる。
海洋博物館の入り口には大きな錨のモニュメントがある。
内部はとても広く、展示もエリアごとにテーマが分かれている。
船の模型や海兵の制服、武器など海洋に関するあらゆるものが集められている。
グリニッジ天文台
海事都市グリニッジの中で最も有名とされる観光名所、グリニッジ天文台は旧標準時子午線の基準線があることでも有名です。歴史ある天文台で、エドモンド・ハレーなども天文台長を務めました。
大航海時代は星空の星座などの位置が方位や緯度経度を知る重要な手がかりであったために、天文学が大きく発展しました。こうした時代を牽引する目的で、このグリニッジの丘に天文台が建設されました。
国立海洋博物館のさらに南にあり、緩やかな坂道をしばらく登ります。徒歩が苦手な方はタクシーを使うと、上の駐車場まで楽に登ることができます。
開館は10:00~17:00で、休館日は12/24-26日です。
国立海洋博物館の裏手から眺めると、小高い丘の上に天文台があるのがわかる。
グリニッジ公園の中を通っていくと小さな道が丘上まで続いている。徒歩5-10分ほど。
そこまで高い場所ではないが、それなりに坂道を登っていく。
坂の下にはグリニッジの海事博物館や旧海軍学校が見える。
丘の上にはすぐ展望台がある。大きな時計が目印のグリニッジ天文台。
グリニッジ天文台の裏手の庭。人気の少ないここが見学の入り口。
八角形のおしゃれな外観の天文台。大航海時代の天文学は位置を知る重要な役割を担っていた。
天文台の目の前を本初子午線が通っている。かつてはここが緯度0度であった。
この線から各都市への緯度が記されている。TOKYOの文字も刻まれていた。
同敷地内にある天文博物館。内部は宇宙に関する展示で、見学は無料である。
現在は計測機器のたぐいはすべて撤去され、内部は別の展示になっている。
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