カンタベリー大聖堂、聖オーガスティン修道院、聖マーティン教会
目次
日帰り難易度★★☆☆☆
カンタベリーはロンドンから100kmほど離れた東にある都市です。英国国教会の総本山でもあるカンタベリー大聖堂とロンドンを結ぶ道は古くから巡礼の地となっていました。
トーマス・ベケット司教の暗殺事件が起きており、その舞台となった場所には3本の剣のオブジェが飾られています。カンタベリー大聖堂から300mほど離れた場所には、構成資産の聖オーガスティン修道院、聖マーティン教会があります。
ロンドンからは高速鉄道で1時間~1時間半ほどと日帰りが十分に可能です。高速鉄道のカンタベリー駅から大聖堂や他の遺産まで1kmと少し距離があるため、15分ほど歩きます。
カンタベリー市内と世界遺産の分布地図。
カンタベリーの行き方
●カンタベリーへ行く最も便利な手段は鉄道です。鉄道で行く場合は高速鉄道と普通列車の2パターンあり、それぞれカンタベリー・ウエスト駅、カンタベリー・イースト駅と異なる駅に着くため注意が必要です。
●セント・パンクラス駅からは高速鉄道が出ています。値段は高めですが1時間でカンタベリー・ウエスト駅に到着します。町の中心部から少し離れた位置にあるため、大聖堂へは15分ほど歩きます。
●チャリング・クロス駅からは普通の鉄道が通っており、こちらはカンタベリー・イースト駅に到着します。所要時間は1時間40分ほどです。こちらは北側に向かって歩いて15分ほどで大聖堂に向かうことができます。
●ロンドンからカンタベリーに向かうバスは1時間に1本程度で、所要は2時間です。バスターミナルはカンタベリー大聖堂に近い、市内中心部にあり、アクセスはとても便利です。
カンタベリー・ウエスト駅。高速鉄道で向かうとロンドンから1時間で到着する。
駅から市内中心部に歩いて行くと、ウエスト・ゲート・タワーが見えてくる。
重厚な門は近くで見ると圧倒される。城門の上に登ることもできる。
門をくぐると旧市街に入り、雰囲気が変わる。道なりにまっすぐ進んでいく。
細い路地を進むとクライスト・チャーチ門が見える。ここでチケットを買い中へ入る。
カンタベリー・イースト駅。こちらは普通電車が発着する。
カンタベリーの世界遺産と構成資産の分布図。
カンタベリー大聖堂
カンタベリー大聖堂は英国国教会の総本山とされ、多くの巡礼者が訪れた重要な場所でもあります。カンタベリーは7世紀ごろからキリスト教徒の深いつながりがあり、カンタベリー大聖堂は12世紀に完成しました。
12世紀に当時のイングランド国王であるヘンリー2世と対立したトーマス・ベケット卿が暗殺された場所でもあり、その現場には今でも目印がついています。ベケット卿の死後、様々な奇跡が起きたことから、カンタベリー大聖堂はよりいっそう神聖化され、巡礼者が集まるようになりました。
ゴシック様式の内装や美しいステンドグラスのあるトリニティ・チャペル、さまざまな地域の紋章がかたどられた回廊など様々な見どころがあります。開館時間は9:00-17:30(夏季)、-17:00(冬季)で、日曜日はミサのため開館時間が限られるのでご注意ください。
美しい外観を持つカテドラル。ロンドンから多くの巡礼者が訪れた。
創建当時はロマネスク様式であったが、14世紀にゴシック様式に改装された。
カテドラルの内装。開放感のある大きな窓で、外の光を取り入れている。
内陣部分のしきりは大理石でできている。精緻な装飾が美しい。
トーマス・ベケット卿が暗殺された場所には3本の剣のモニュメントがある。
内陣部分は建築様式の雰囲気が異なり、曲線が多用されている。
ステンドグラスや窓ガラスが大きく、館内は非常に明るい。
トリニティー・チャペルにはエドワード黒太子の墓が置かれている。
回廊の天井にはイングランドの様々な地域の紋章がかたどられている。
回廊側からみたカンタベリー大聖堂の外観。大聖堂は高さ72mで、ビルにして20階前後。
カテドラルの裏手部分には元の建物の遺構が少し残っている。
礼拝堂側から見た外観。大きな塔は14世紀に増設された物である。
聖オーガスティン修道院
聖オーガスティン教会もカンタベリーの構成資産に含まれており、6世紀に建てられた修道院は巨大食堂や独自の農場を持つなど大きく発展を遂げました。
しかしながら、ヘンリー8世によって修道院の再編成がなされた際に廃棄され、現在は石造りの土台部分が残るのみになっています。遺構の分布範囲は広く、修道院の隆盛期には西のカンタベリー大聖堂に匹敵する規模であったといいます。
カンタベリー大聖堂から東に5分ほど進むと入り口が見えてきます。休館日が多く、11月~3月の平日、10月の月曜と火曜、クリスマス、年末年始が休みです。事前に公式情報を確認しておきましょう。
“イングリッシュ・ヘリテッジ”の加盟遺産であり、共通パスが使用できます。このパスは他に世界遺産であるストーンヘンジ、アイアンブリッジ、ハドリアヌス城壁などで使用できるので訪れる方は検討してみてください。
大聖堂を出て東に向かって歩いて行く。距離にして300m。
城壁沿いの大きな通りを渡る。交通量が多いので注意。
オレンジのレンガが目印の修道院入り口。看板が地味で少しわかりづらい。
オーガスティン修道院跡地。現在は石の土台部分のみが残っている。
現存している壁からも、修道院の大きさを推し量ることができる。
最初の建築は6世紀だが、その後幾度も増改築され現在の広さになった。
礼拝堂があったと思われる部分。柱の跡が見て取れる。
水路があったと考えられている部分。大規模な修道院であったことが窺える。
石造りの土台部分が広範囲に残る。全盛期には農場や図書館も充実していたという。
礼拝堂の後陣に当たると思われる部分。アーチ状の構造が綺麗に残っている。
丘の上から眺めたオーガスティン修道院跡。左奥にはカンタベリー大聖堂が見える。
聖マーティン教会
同じく構成資産の聖マーティン教会は、上記の聖オーガスティン修道院の東側、徒歩5-7分の場所にある小さな教会です。古代ローマの遺構などが使用されており、実際に使用されている、イングランド最古の教区教会です。
開館時間は11時~15時で、月、火が休館日です。
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無し
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