カンボジア・タイ旅行記 3
シェムリアップ→バンテアイ・スレイ→ベンメリア遺跡→シェムリアップ
前の日にかなり早めに就寝したおかげで遺跡巡りの疲れもすっかり癒えた。朝食をとっていると、昨日のトゥクトゥクおじさんが迎えにきた。
朝は少し早かったが、シェムリアップの交通量は多い。
トゥクトゥクに乗っていると風が気持ちいい。
ひたすら北に向かって進んでいく。木々に囲まれた道を抜けていくのでとてもさわやかな気分になった。
現地の人々の生活ぶりを垣間見ることができた。
シェムリアップからはだいぶ離れ、交通量も減ってきた。このあたりはカンボジアの地方に住む現地の人々の暮らしぶりを肌で感じることができる。
2時間ほど揺られていただろうか。風景を見るのに夢中で時間はあっという間に感じた。まずはバンテアイ・スレイに到着した。
目立たないがバンテアイ・スレイのチケット売り場入り口に到着した。
朝一番なので観光客はあまりおらず空いていた。日中はかなり多くの人がこの遺跡を見に来るほど人気らしい。
入り口からは10分弱、赤土で舗装された道を歩いて行く。
小さな入り口に到着した。遺跡の規模自体はそれほど大きくはない。
前日に雨が降っていたのか、水たまりも所々に見えた。観光客も少なく、あたりは静まりかえっていた。
参道にはリンガの像が多数並んでいる。奥にはバンテアイ・スレイの本殿が見える。
遠くに見えたバンテアイ・スレイを見て、思っていたよりも小さい寺院だなとガッカリしていた。
が、近づいてみると“東洋のモナリザ”と言わしめるデバターと、その美しさがわかった。
祠堂に描かれた美しい彫刻の数々。
まるで絵を見ているかのように精巧な造りにしばらくの間目を奪われてしまった。
アンコールワットのような規模ではないが、郊外にこれだけの遺跡が残っているのに驚く。
柵があるため中に近づいていけるわけではないのだが、それでも十分だ。
少し離れた位置からの見学にはなるが、満喫できた。だんだんと観光客の数が増えてきた。
みどころはこの周囲だけなので40分もあれば十分見学できる。
神々が戦っているように見えるレリーフ。躍動感がある。
遺跡の周りを3週くらいして十分楽しんだところでツアー団体の大群が押し寄せてきたので、早々と撤退することにした。
しばらく歩いていると、見覚えのない光景が広がっていた。
帰り道の順路を間違えたのか、迷ってしまったようだ。
カンボジアの草原が遠くまで広がっている。
ここはどこだ。
完全に遺跡のルートからは外れて水田のようなところをさまよっている。
見晴らしの良いテラスに出た。遠くに山も見えるいい景色。
未知の土地で迷子になると不安になったりもしたが、こういう裏の景色も見るとだんだんと冒険欲がわいてきた。
迷った結果、カンボジアの水田ののどかな雰囲気を堪能できた。
一歩、観光地の遺跡から外れると、こんなにものどかな風景が広がっている。
やっとの思いでようやく入り口に帰ってきたが、その頃にはさらにたくさんの観光客が押し寄せてきていた。
おじさんと合流して、またトゥクトゥクで長旅に出る。
永遠に続くように思えるほど長い道をトゥクトゥクでひたすら走る。
普通はタクシーでさくっと回るみたい。だけど、こちらが特に何も言わなかったからか、宿のオーナーが配慮してくれたのかわからないが、トゥクトゥクで行くことになった。
かなり安くなったし、時間的にもそれほど焦ってはいなかったが、おじさんがけっこう辛そうにしていて申し訳なかった。
すまん、おじさん。(あとでチップはずみました)
途中で通学する学生の集団を追い抜いた。自転車で学校に通っているようだ。
3~4時間近くは乗っていただろうか。ようやく、次の観光地ベンメリア遺跡の入り口に着いた。
例によっておじさんとはいったんお別れ。
長い参道を歩いて行く。ここの欄干のナーガ像は保存状態が良くてきれい。
この頃には気温がかなり上がっていて帽子なしではかなりきつかった。
参道を10分ほど歩くと奥に崩壊した遺跡、ベンメリア遺跡が見えてきた。
全盛期には東のアンコール・ワットとも呼ばれていた。交通の要所として栄えた場所である。
正面の崩壊具合には肝を抜いたが、この遺跡のすごいところはその奥である。
この遺跡はスロープが巡らせてあり、深い森に埋もれた遺跡を上から見ることができるのである。
神秘的な雰囲気を感じる遺跡である。ラピュタのモデルのひとつと言われている。
まるでインディ・ジョーンズのような探検気分を味わえる。
午前中は観光客が殺到するらしいが、ちょうどお昼時だったのがかなり空いていた。
裏手にある経蔵。遺跡の西半分は崩壊しており、立ち入ることができない。
また、このあたりはまだ地雷除去もすんでいないらしく、闇雲に歩くのは危険とされている。
ベンメリアの中でも特に綺麗に保存されているナーガの欄干。
木漏れ日が差し込む遺跡はファンタジーの世界に入り込んだ気分になる。
木漏れ日が差し込む一角。本当に森の中に埋もれた遺跡である。
この日訪れたバンテアイ・スレイもベンメリア遺跡も、階段の上り下りはほとんど無く、とても見学しやすかった。どちらも足下がしっかり整備されており、歩きやすい。
アンコールワットから一足伸ばして見学してみたい人にはお勧めだ。
さて、おじさんと合流してシェムリアップに戻る。途中でレストランに連れて行かれた。
ここで食事をするのは観光客のみのようだ。おじさんは奥の方へと消えていった。おそらく、現地人と観光客では料金が違うのだろう。
しかし、ぼったくりと思いきやかなり良心的な値段。普通の日本のレストランとあまり変わらない感じだった。なかではたくさんの観光客を見かけた。
食べたあとトゥクトゥクに戻ったら、おじさんが伸びていた。疲れたからちょっと休ませて欲しい。といっていた。
長い時間、暑い中運転し続けてそうとう疲れているに違いない。しばし、おじさんと日本のことやカンボジアのことについて語り合っていた。
カンボジアの給料は安いんだーとか、トゥクトゥクはかなり割のいい仕事なんだーとかたわいもない話だ。
昼下がり、日陰でのんびりと語り合い、すっかり仲良くなった。
昼を過ぎて、今日はこのあと観光する予定もない。ロリュオスは昨日行ってしまっている。時間に余裕があるので、急がなくていいぜと言いながら帰路についた。
シェムリアップが近づいてくるにつれて交通量も増えてきた。
途中で何度か休憩を挟みながら2時間くらいかけて帰ってきた。
今日はほとんど乗っている時間が多く、体力が余っていたので、まっすぐホテルに帰るよりもと思い、オールドマーケットで降ろしてもらった。
ここでおじさんとはお別れ。お詫びの印にチップを多めにあげた。今度は子供にアイスを食べさせてくれと思いながら、その背中を見送った。
シェムリアップで最も活気のある商店街。オールドマーケットには多くの飲食店が並ぶ。
日本では見たこともないような品が売られていて面白かった。
一通り散策してお土産も買って満足した。夜になると若者で盛り上がるらしいが、そこまでいると時間がかかるし、帰ってシャワーも浴びたいので戻ることにした。
流しのトゥクトゥクを拾ったが、3ドルだとふっかけられた。
普通近距離の市内なら1ドルが相場だと思っており、交渉したが、おまえの荷物は重そうだと言われてしまった。粘れば下げられたのだろうが、たった100円200円のことだしと思い乗った。
今思えば軽いぼったくりのようなものだが、あまり気にしてもしょうがない。
美しい郊外の遺跡群を堪能した。
まだまだ明日も観光は続く。天空の寺院、世界遺産プリア・ヴィヘアに向かうタクシーを手配した。
体力を回復するために、早めに就寝した。
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