屋久島
目次
難易度★★★★★
屋久島は鹿児島県の南部に位置する島で、1993年に法隆寺、姫路城、白神山地と共に日本で最初の世界遺産に登録されました。
標高1936mの宮之浦岳を中心に島内は高い山が多く、外界から隔離された状況下で豊かな自然が保存され、多様な動物、植物が生息しています。
飛行機やフェリー、ジェット船が運航していることから訪問は容易に思われがちですが、シーズン時の屋久島行きの飛行機は高額になることが多く、またフェリーは天候次第で欠航になることがあるため、その訪問難易度は他の国内の世界遺産と比べると高くなっています。
さらに、屋久島島内は広い割に移動手段に乏しく、路線バスは本数が多くありません。レンタカー台数にも限りがあるため、事前に確保しておくことをおすすめします。
また、世界遺産登録範囲は島内中心部の標高が高い部分になるため、登山をする体力も求められる世界遺産です。
屋久島の行き方
●屋久島は鹿児島県の九州南東部からさらに60kmほど南の洋上にある島で、面積は500㎢と大きな島になっています。主に島の北西部が栄えており、飛行場、フェリー乗り場は北西部に位置しています。
●飛行機の場合、東京からの直行便は無く、鹿児島空港や福岡空港で乗り換える必要があります。鹿児島空港から屋久島までは約40分です。また、福岡や大阪伊丹空港からも直行便が運航しています。
鹿児島空港には屋久杉切り株の展示がある他、観光案内所で情報収集もできる。
屋久島空港。鹿児島空港から40分。飛行機移動は早くて便利。
●鹿児島からフェリーを使うのが最も安い手段で、鹿児島ふ頭から屋久島へは主に2つの会社が運営しています。
●折田汽船が運行する”屋久島2″は鹿児島8:30発→屋久島12:30着、屋久島13:30発→鹿児島17:40の片道約4時間の船旅です。日中の利用しやすい時間帯に運航しており、移動日に半日、屋久島での観光ができるため便利なフェリーです。
フェリー屋久島2。時間はかかるが安く移動ができる。
船内は広く、揺れが少ないため快適に移動できる。
出航から少しの時間、うどん屋が開業する。開店直後は混み合う。
ゲームコーナーや漫画コーナーなど、アクティビティも充実。
●鹿商海運が運行するフェリー、”はいびすかす”は鹿児島港を18:00に出航し、種子島で1泊した後、翌7:00に屋久島に到着。帰りは11:00屋久島出航→14:40鹿児島着となっています。早朝から屋久島で遊びたい人にはうってつけの船です。
屋久島側のチケット売り場。乗船の際は余裕をもって到着すべき。
屋久島2、はいびすかすのチケット売り場。フェリーに車も乗せる際は車検証が必要。
●種子屋久高速船株式会社のジェット船は片道3時間ほどで鹿児島-屋久島を結ぶ船で、こちらは1日約6本の運行があります。本数が多く、早いため便利ですが、基本的に座席に座りシートベルトを締めて過ごすことになる他、フェリーと比較すると揺れが大きく酔いやすいという難点があります。
●屋久島島内は移動手段に乏しく、島内循環バスは1時間に1本程度、白谷雲水峡や縄文杉登山口に向かうバスも1日数本です。事前に時刻を調べ、登山計画を十分に練る必要があります。
●屋久島のトレッキングコースは大別すると4種類、ヤクスギランド、白谷雲水峡、縄文杉、宮之浦岳に大別されます。一般観光客が気軽に訪れられるのは前者の2コース、後者の2コースは事前準備や装備が必要で、中~上級者向けのコースになります。
縄文杉ルート
難易度★★★★☆
屋久島のシンボルでもあり、島内にある屋久杉の中でも確認されている中で最古の杉と言われる縄文杉は、樹齢3000年以上と言われています。
縄文杉までは、ゆるやかなトロッコ路を片道3時間、さらにそこから登山道を片道1時間半、往復合計で9~10時間かかります。山道がキツいわけではありませんが、総距離が往復21kmととにかく長く、時間がかかります。
また、少なくとも朝の7時までには歩き始めていないと日没に間に合わない恐れがあります。早朝は日の出ていない暗い時間帯を歩く必要があり、途中で柵の無い橋が何か所かあるため、自分のペースでゆっくり歩きましょう。
世界遺産登録範囲は小杉谷休憩所付近のトロッコ路の一部区間とルート後半のウィルソン杉を過ぎ、急坂を上り始めた所から縄文杉までと短いです。
3月~11月まではマイカー規制が行われ、個人での車の乗り入れができません。登山者はビジターセンター付近の駐車場に車を停め、バス移動する必要があります。
ルートの大半が平たんなトロッコ路なので歩きやすい。
トロッコ路上やすぐ近くでたくさんのヤクシマザルを見かけた。
高さがあり、柵がない橋が何か所かあるので慎重に。
片道4~5時間かけて登った縄文杉。ここまで来ると達成感がある。
存在感を放つ縄文杉。帰りも4~5時間かかるので油断は禁物。
白谷雲水峡
難易度★★★☆☆
白谷雲水峡は屋久島の北部側に位置するハイキングエリアで、古くから景勝地として親しまれています。入り口付近までは車でアクセスすることができます。
ルートは比較的よく整備されており、ルートに合わせて2~5時間ほどで回ることができるため、手軽に屋久島の自然を体感することができます。半日で巡ることができるため、屋久島に上陸した初日や、最終日に予定を組む人のがおすすめです。
弥生杉などの古木があるルートや、奉行杉を中心にヤクスギを巡るルート、屋久島の自然を高所から見渡せる太鼓岩などが見どころです。
もののけ姫の世界のような自然の中をトレッキングする。
白谷雲水峡の巨木、二代大杉。奉行杉コースには大木が多くみられる。
太鼓岩から見る屋久島の自然。180度のパノラマビューを堪能できる。
白谷雲水峡付近でもヤクシマザルを見かけることがある。
ヤクスギランド
難易度★☆☆☆☆
ヤクスギランドは縄文杉コースの荒川登山口に向かう分岐路を左に曲がった淀川登山口方面にある施設で、ルートはヤクスギをだれでも手軽に楽しめるように整備されています。
舗装されていてアップダウンの少ないながらもヤクスギを堪能できる30分、1時間コースの他、本格的な登山コースの80分、150分コースなど個々人のレベルに合わせてトレッキングを楽しむことができます。
また、ヤクスギランドから車で15分ほど進んだ山中には“紀元杉”と呼ばれる巨木があり、推定樹齢は2000年以上とこちらも見ごたえがあります。また、縄文杉と違い、こちらは近くに寄って観察ができるため、おすすめです。
歩きやすい整備された道なので、子供や年配の方も手軽に屋久島の自然を楽しめる。
30分、1時間のコース内にも魅力的なヤクスギがたくさんある。
ヤクスギランドから車で10分ほどの場所にある紀元杉。道路沿いにある。
海岸温泉
屋久島には天然温泉が湧くスポットがいくつかありますが、中でも絶景を楽しみながら入浴ができる、海岸にある天然温泉平内海中温泉、湯泊温泉のを2か所紹介します。
いずれも屋久島南部にある温泉で、屋久島ビジターセンター付近からは車で20~30分、温泉へ続く道は狭くなっているため、注意して運転しましょう。
入湯は一人200円で、係員はおらずいずれも海岸に岩で囲まれた湯舟があるのみ。本当の天然温泉になっています。
平内海中温泉
平内海中温泉は、干潮時の前後2時間のみ湯船が現れ、入浴可能になる特殊な温泉です。1日のうちで2回の干潮時、前後4時間のみなので、事前に時間を調べ、計算して訪れましょう。
野外のため更衣室等は無く、岩陰に隠れて着替えることになります。また、温泉は混浴で、水着、下着の着用は認められていません。バスタオルや湯あみウェアを纏っての入浴は許可されているため、特に女性の方は忘れずに持参してください。
干潮時のみ入浴できる、まさに天然の温泉。
湯泊温泉
こちらも海岸にある天然温泉で、上記の平内海中温泉同様野外にあり、潮の満ち引きにかかわらず、24時間入ることができる温泉です。
混浴ですが男女は大きな柵で仕切られています。小さな更衣室とトイレがあり、着替えやすいのも特徴です。こちらの温泉も水着や下着での入浴は禁止ですが、バスタオル、湯あみウェアの着用は許可されています。
海岸沿いにある湯泊温泉。大きな駐車スペースもあり、アクセスしやすい。
間近に海を感じながら入浴ができる。大きな仕切りと囲いがあるので安心。
屋久島にはその他、世界遺産ではありませんが、千尋の滝や大川の滝と言った壮大な滝や屋久島灯台、ウミガメが卵を産みに来る永田いなか浜など魅力的な観光スポットがたくさんあります。
屋久島は一周60kmと非常に広いので、よく計画を練ってから訪れましょう。
島のはずれ、北西部にたたずむ美しいシルエットの屋久島灯台。
近くの世界遺産
鹿児島の関吉の疎水溝,寺山炭窯跡,旧集成館
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