アントニ・ガウディの作品群(カサ・ミラ/カサ・バトリョ/カサ・ビセンス)の行き方
目次
日帰り難易度★☆☆☆☆
アントニ・ガウディはスペインで活躍した天才建築家です。建物に曲線美や自然の美しさを取り入れる斬新な発想で、モデルニスモの先駆けとなりました。
バルセロナ市内には彼が手がけた7つの建築が世界遺産として登録されています。見所が多く人気の世界遺産のため、2記事に分割しての紹介です。
本記事は、カサ・ミラ/カサ・バトリョ/カサ・ビセンスを扱います。
グエル公園、サグラダファミリア、グエル邸は下の記事をどうぞ。
アントニ・ガウディの作品群(グエル公園/サグラダ・ファミリア/グエル邸) 【スペイン】 日帰り難易度と行き方
バルセロナの行き方
バルセロナ地下鉄の地図はwww.mapametrobarcelona.comより引用
すべての構成遺産がバルセロナ近郊に集まっています。バルセロナはスペイン第2の都市で、カスティーリャ州の州都です。たびたび独立運動で話題に上がるほど大きな都市です。
バルセロナは観光税が非常に高く設定されており、観光値の入場料とホテルの宿泊料がとても高くなっています。観光の際はご注意ください。
バルセロナ北バスターミナル。バルセロナで最大のターミナルである。
ランブラス通りはいつも多くの人で賑わっている。
カサ・ミラの行き方
カサ・ミラはバルセロナの市街中心部に位置しており、大通りであるグラシア通りに面しています。地下鉄駅を出て歩くと大きな建物が見えてきます。
とても大きな建物なので目立つ。チケット売り場は左手に進んだところ。
カサ・ミラ (ラ・ペドレラ)
カサ・ミラはガウディが54歳の時に建築デザインされた、比較的後期にあたる建築です。実業家ペレ・ミラのために作られた住居であることから、カサ・ミラ(ミラの家)と呼ばれます。
当時の人々にはこの前衛的なデザインが受け入れられずラ・ペドレラ(石切場)と呼ばれていましたが、今ではこの呼び名が定着しています。
カサ・ミラには直線上の構造が存在しないという特徴がある。
入り口から入ると広い中庭に出る。ガウディは採光にこだわるため、このような空間が多い。
カサ・ミラの屋上。曲線があふれた独特な構造が有名である。
変わったデザインのオブジェが多い。この建物のテーマは”山”である。
カサ・ミラの屋上からはサグラダ・ファミリアが見える。
風や火山など、このオブジェにはそれぞれコンセプトが込められている。
廃棄されたガラス瓶をオブジェに組み込むアイデアは、リサイクルの先駆けである。
よく見ると細部までしっかりとこだわりがある。瓶らしき突起も見える。
目の前は大きな道路。カサ・バトリョもこの道路沿いにある。
屋根裏は博物館になっている。アーチ構造は鯨の骨格をモデルにしている。
屋上の形に合わせているため屋根裏の通路は入り組んでいる。
上からつり下げた鎖をモデルとして、曲線の建物をデザインした。
ガウディは建物だけでなく、家具もデザインしており、一部が展示されていた。
その下のフロアは居住区。一般人も住んでおり、一部が公開されている。
子供部屋。窓を大きくして明かりを取り入れるのはガウディの特長の一つ。
出口付近の様子。門扉もとにかく採光にこだわっている。
カサ・バトリョの行き方
上記カサ・ミラと同様、カサバトリョも大通りであるグラシア通りに面しています。両者は徒歩で15分ほどの距離にあります。
カサ・バトリョは他の建物に溶け込んでいて一見してわかりづらいですが、観光客による人だかりができています。
カサ・ミラ、カサ・バトリョともに入場料が22ユーロ(約3000円)と高いのでどちらか一つを入場、もう一方は外から見る人もいました。
カサ・バトリョの外観。ひときわ異彩を放ったデザインである。
カサ・バトリョ
バトリョ氏の依頼を受けて建築されたこの建物は海がテーマとなっています。巻き貝や波、サンゴなどの自然物をモチーフとしたデザインが随所に見られます。
大ホールの大きな窓や上層と下層で濃さの違うステンドグラスなど、ここでも採光への強いこだわりが見られます。
ガウディ全盛期の時期に建てられた作品のひとつです。
入り口の階段も波を意識した曲線となっている。
小さなストーブのある採暖室。このシートは2人と向かいに1人で計3人用のスペース。
テラス兼大ホール。青色のステンドグラスが室内を海らしくみせる。
天井は巻貝をイメージした照明。まるで海底にいるような気分になる。
家の裏のテラス。波うった形は大海原を想像させる。
家の裏側。頂上部には昆虫をかたどった模様や花柄の模様が見られる。
中庭部分。光の入射を利用するため上部が濃く、下部が薄い色合いをしている。
グラデーションのようにだんだんと色合いが変わっている様子がわかる。
鯨の骨を連想させる屋根裏スペース。カサ・ミラやサグラダファミリアにもある構造。
ガウディの特徴の一つでもある煙突。色合いがおしゃれである。
ドア一つを見てもこだわりがわかる。ガウディは粘土を自分で握って取っ手をデザインしたという。
夕暮れ時のライトアップされた建物は海底洞窟のようである。
カサ・ビセンスの行き方
カサ・ビセンスは2017年の11月から公開が始まった世界遺産です。グエル公園に近い大通りから、路地に入った場所にあります。地下鉄3号線のフォンタナ駅が最寄りになります。
街角に立つ奇抜な建物がカサ・ビセンス。修復中の覆いがようやく取れて一般公開された。
カサ・ビセンス
アントニ・ガウディが初めて手がけた一般住宅で、ビセンス氏の別荘として建てられたガウディ最初期の貴重な建築です。
建物はスペインのイスラム文化を踏襲したムデハル様式と、当時流行したアルハンブラ様式が合わさった建築です。
イスラム風の建築の中にもガウディらしい曲線美や煙突などのこだわりが垣間見えます。
一般住宅にしてはとても大きく感じる。横の細い通路を抜け、裏側に入り口がある。
チケットブースの入り口。コインロッカーもあり、荷物を預けておける。
外観の幾何学模様はアルハンブラ宮殿などにも見られるイスラム風の建築の特徴である。
他の建物と比べると知名度が低いため比較的空いている。予約も必要ないだろう。
奇抜な外装の建物。花柄のタイルが多用されており、窓枠には幾何学模様の格子がついている。
幻想的な色合いの空間。ステンドグラスを多用し、入り込む光を利用している。
イスラム風の照明もガウディ建築としては珍しい。
細かな細工が施された天井。カサ・ビセンス内部は博物館のようになっている。
カサ・ビセンスの屋上。この頃から通気口には独自のこだわりがあるようだ。
今でこそビルに埋もれているが、当時はとても目立ったに違いない。
角のテラス。ガウディ建築はどれも屋上を過ごしやすい空間として利用している。
次の世界遺産へ
バルセロナのカタルーニャ音楽堂とサン・パウ病院 【スペイン】 日帰り難易度と行き方 / No.38
前の世界遺産へ
アントニ・ガウディの作品群(グエル公園/サグラダ・ファミリア/グエル邸) 【スペイン】 日帰り難易度と行き方 / No.37
[amazonjs asin=”4582634958″ locale=”JP” title=”バルセロナのガウディ建築案内 (コロナ・ブックス)”] [amazonjs asin=”4478821682″ locale=”JP” title=”A20 地球の歩き方 スペイン 2018~2019″]本サイトで紹介する情報は筆者の訪問当時の現地情報となります。実際に行ってみて変更や意見等がございましたら、コメント等でお知らせいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
また、本サイト内の記述、画像、写真の無断転載・転用を禁止します。
コメントを残す