リスボンから日帰りで行ける世界遺産10ヶ所まとめ【ポルトガル】
目次
ポルトガルには2020年現在、世界遺産が17ヶ所あります。大航海時代に活躍した偉人エンリケ航海王子などに由来した、ポルトガル独自のマヌエル様式などが見所です。
実はその半分以上の世界遺産はリスボンからアクセスすることができます。ここではリスボンからの日帰り難易度(距離とは別に交通の便などを考慮したもの)順に紹介していこうと思います。
リスボンから日帰りで行ける世界遺産と所在地の概略。
リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔
日帰り難易度★☆☆☆☆
マヌエル様式の最高傑作とも称されるジェロニモス修道院。
ジェロニモス修道院とベレンの塔はどちらもリスボンのベレン地区に位置しています。リスボンからベレン地区へは鉄道で3駅ほどで、時間にして15分ほどです。ジェロニモス修道院はリスボンの人気観光スポットで、入場に1時間程度待つこともあります。
大きな修道院は圧巻。日中は非常に混み合う。
海の上に立っているように見えるベレンの塔。ジェロニモス修道院から徒歩15分ほど。
詳しい解説はこちらの記事をどうぞ。
リスボンのジェロニモス修道院とベレンの塔 【ポルトガル】 日帰り難易度と行き方
シントラの文化的景観
日帰り難易度★★☆☆☆
日中は行列もできるほど混雑する、独特な外観のペーナ宮殿。
シントラはポルトガルの王族の避暑地として利用された町で、王家の別邸や別荘が建ち並んでいます。奇抜な外観のペーナ宮殿やムーアの城跡、王宮やレガレイラ宮殿など、見所はたくさんあります。
リスボン市内のロシオ駅からシントラ行きの電車で1時間弱で、山のふもとのシントラ駅に着きます。
山の上にあるため、かなり上り坂を歩く。体力に自信の無い人は覚悟が必要。
ムーアの城跡。今は廃墟と化した長城からはシントラ地区が一望できる。
シントラ王宮。街の中心レプブリカ広場に面している。
レガレイラ宮殿。遊び心にあふれた中庭が楽しい。
詳しい解説はこちらの記事をどうぞ。
エヴォラ歴史地区
日帰り難易度★★☆☆☆
ジラルド広場には飲食店も建ち並んでいる。高層ビルがなくのどかな雰囲気を味わえる。
エヴォラはポルトガルのリスボンに近く、東側のアレンテージョ地方に位置しています。
エヴォラ行きのバスは、リスボンのセッテ・リオス・バスターミナルから30分~1時間に一本出ており、リスボンから片道1時間半~2時間ほどでエヴォラのバスターミナルに到着します。
エヴォラのバスターミナルは町の西側に位置しており、町の中心部までは緩やかな坂道を登って15分ほど歩きます。
エヴォラのカテドラルは上に登ることもできる。
町の中心部にあるディアナ神殿。月の女神ディアナを祀ってあるという。
サン・フランシスコ教会に付随する人骨堂。5000体の人骨が使われているという。
詳しい解説はこちらの記事をどうぞ。
コインブラ大学-アルタとソフィア-
日帰り難易度★★☆☆☆
コインブラ大学の旧校舎。学生は黒色のマントがトレードマークである。
コインブラ大学は1290年に設立され、ヨーロッパでも屈指の歴史ある大学です。近代にリスボンが発展するまで、この町はポルトガルの学問の中心値として発展しました。
リスボンからは鉄道またはバスで移動することになります。リスボンから高速鉄道でおよそ2時間ほど、バスでも同様2時間前後かかります。どちらも多数運行しています。
コインブラ大学には世界一美しいと称される図書館がある。(画像は書斎室、本館は撮影禁止)
コインブラ旧カテドラル。ロマネスク様式の歴史ある教会。
サンタ・クルス修道院。土曜日の昼と日曜日の午前中はミサのため見学することができない。
詳しい解説はこちらの記事をどうぞ。
コインブラ大学-アルタとソフィア- 【ポルトガル】 日帰り難易度と行き方
トマールのキリスト教修道院
日帰り難易度★★★☆☆
トマールのキリスト教修道院はテンプル騎士団にゆかりのある修道院。
テンプル騎士団が勝利を収めた際に功績として建てられたのが、このキリスト教修道院です。馬で回りながらミサを受けて士気を高めたといわれるテンプル騎士団聖堂の装飾は見事です。
リスボンのサンタ・アポローニア駅からトマール行きの電車で2時間ほどで、終点のトマールに着きます。1時間おきに運行しているため、鉄道を使うのが便利です。
テンプル騎士団聖堂と呼ばれる16角形の聖堂。テンプル騎士団の強大な権力を感じる。
西の外壁に着いている大きな窓は、マヌエル様式の最高傑作とも称される。
トマールのキリスト教修道院は外周を立派な城壁に囲まれているのも特徴的。
詳しい解説はこちらの記事をどうぞ。
トマールのキリスト教修道院 【ポルトガル】 日帰り難易度と行き方
ポルト歴史地区、ルイス1世橋、セラ・ド・ピラール修道院
日帰り難易度★★★★☆
ポルトの町並みは魔女の宅急便のモデルの町の一つであるという。
ポルトはリスボンに次ぐポルトガル第二の都市です。街の中心を流れるドウロ川流域は良質のワインの産地としても有名です。
ポルト-リスボン間は鉄道で3時間程度なので、リスボンからの日帰りとなると観光は駆け足となりそうです。見どころがたくさんあるので、できれば一泊したい町です。
サン・ベント駅。ポルトの歴史をテーマとした綺麗なアズレージョ(タイル)で装飾されている。
クレリゴス教会。ポルトでも人気の展望塔がある。
ポルトのカテドラル。サン・ベント駅からまっすぐ丘を登って15分ほど。
詳しい解説はこちらの記事をどうぞ。
ポルト歴史地区、ルイス1世橋、セラ・ド・ピラール修道院 【ポルトガル】 日帰り難易度と行き方
国境防衛都市エルヴァスとその要塞群
日帰り難易度★★★★☆
エルヴァスはポルトガルとスペインの国境部に位置する小さな町。
国境防衛都市エルヴァスは、スペインとポルトガルの国境争いやレコンキスタにおける戦闘など多くの場面で防衛要塞として機能してきました。
この町には鉄道駅がなく、アクセスするにはバスを利用する必要があります。ポルトガルの首都リスボンからは、セッテ・リオス・バスターミナルからエルヴァス行きのバスに乗り、3時間ほどで到着します。
途中でバスの乗り換えが必要なこともあるので事前に運転手に確認しておくと良いでしょう。また、バスの本数が少ないので帰りの時間はちゃんと頭に入れてプランを練りましょう。
上から見ると星形のように見えるエルヴァスの全景地図。
レプブリカ広場に面した大きな教会がノッサ・セニョーラ・ダ・アスンサオン教会。
ドミニカ教会はルネッサンス様式の芸術的な装飾がなされている。
アモレイラの水道橋。水道橋の全長は約7kmと、現存する水道橋の中ではイベリア半島で最長。
サンタ・ルジア要塞はエルヴァス旧市街から幹線道路を挟んで反対側に見える。
詳しい解説はこちらの記事をどうぞ。
国境防衛都市エルヴァスとその要塞群 【ポルトガル】 日帰り難易度と行き方
バターリャ修道院
日帰り難易度★★★★☆
カスティーリャ軍への勝利を記念して建てられた大きくて美しい修道院。
カスティーリャ軍への奇跡の勝利を記念して建てられたのがこのバターリャ修道院です。未完成のまま終わってしまった未完の礼拝堂などが残っています。
陸の孤島とも言えるほど交通の便が悪い、小さな町です。鉄道は通っておらず、リスボンからはバターリャ行きのバスを利用することになります。バスの本数も極端に少なく、2~3時間に1本程度しかありません。
内装はとてもシンプルだが、力強さを感じる。
ジョアン1世の回廊。縄をモチーフとしたマヌエル様式の装飾が特徴である。
未完の礼拝堂。建設が途中で終わってしまったために屋根部分がない。
詳しい解説はこちらの記事をどうぞ。
アルコバサ修道院
日帰り難易度★★★★☆
アルコバサ修道院は全盛期には1000人を超える修道僧を抱えていたという。
この修道院はポルトガルの独立を周辺国に知らしめるため、フランスのシトー会への寄進を目的として建てられました。ポルトガルの悲恋物語ペドロ1世とイネスの墓があり、互いに足を向けあった形で棺が置かれています。
アルコバサは鉄道が通っていないため、バスによるアクセスになります。リスボンのセッテ・リオス・バスターミナルから一日に数本のバスが出ており、2時間ほどでつきます。バスの本数が非常に少ないのでプランをじっくり練りましょう。
教会内部はシトー会の禁欲精神を反映して装飾が一切無い造りになっている。
ドン・ディニスの回廊から見た教会本堂。バロック様式のファサードが見える。
食堂の横には細い扉が有り、修道僧の太り具合をチェックするのに使われたという。
詳しい解説はこちらの記事をどうぞ。
2019年7月追記
マフラの王家の建物‐宮殿、バシリカ、修道院、セルク庭園、狩猟公園
2019年7月の第43回世界遺産会議にて新たに誕生したリスボン郊外にある世界遺産です。1700年代に建てられた華やかな宮殿などが見所です。
調べた情報に寄ると鉄道はなく、リスボンから車で40分程度とのことです。私はまだ訪問できていないので正確な情報、日帰り難易度等をお伝えすることはできませんが、位置的にはシントラの近くであるため、日帰りはできそうです。
以上10ヶ所です。いかがでしたか?気になった世界遺産はそれぞれリンク先に詳しい解説記事があります。
日帰り難易度は実際に行った筆者の主観です。みなさんのポルトガル旅行がより充実した旅になることを願っています。
本サイトで紹介する情報は筆者の訪問当時の現地情報となります。実際に行ってみて変更や意見等がございましたら、コメント等でお知らせいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
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