ライン渓谷中流上部の行き方
目次
日帰り難易度★★☆☆☆
ライン川はスイスのアルプスからオーストリアを通り、フランス、ドイツを通過しオランダで海に繋がる国際河川です。
このうち、フランクフルトの西側にあるライン川のビンゲン・リューデスハイム~コブレンツ間がライン渓谷中流上部として世界遺産に登録されています。
この区間には貿易によって栄えた小さな町や中世風の古城が点在しており、またザンクト・ゴアール付近にはローレライと呼ばれる伝説の岩もあります。
この区間は左岸、右岸ともに鉄道が走っているほか、川沿いを車で走ることもできます。
最もおすすめなのは1日に5本あるフェリーを利用する方法で、数時間かけてライン渓谷の見どころを一度に堪能することができます。冬期期間(10月~3月ごろ)は運休となるので注意が必要です。
ライン川上流部の行き方
世界遺産に登録されたライン渓谷の上流の端は右岸のリューデスハイム、または左岸のビンゲンと呼ばれる町です。
・車を利用する場合、リューデスハイム・ビンゲン~コブレンツ間は約1時間10分ほどです。
・鉄道を利用する場合、リューデスハイム・ビンゲン~コブレンツ間は約50分~1時間ほどです。
・フェリーを利用する場合、リューデスハイム・ビンゲン(上流)→コブレンツ(下流)は約4時間です。コブレンツ(下流)→リューデスハイム・ビンゲン(上流)と川を逆流する場合は6時間半かかります。冬期期間(10月~3月ごろ)は運休。
リューデスハイム
リューデスハイムはライン川の右岸側にある町でライン川フェリーの始発となる町です。フランクフルトからリューデスハイムへは私鉄MRBが運行しており、所要約1時間20分ほどで到着します。
この私鉄はリューデスハイムを経由してコブレンツまで運行しており、鉄道でライン川沿いの景色を楽しむこともできます。
駅から徒歩5分ほどで到着するフェリー乗り場からは、ボッパルトが終点の船が1日2本、その先のコブレンツまで行く船が1日3本運行しています。
リューデスハイムを出発したフェリーは対岸のビンゲンに寄港した後ライン川を下っていきます。
ビンゲンから見たリューデスハイム。対岸にあるのでとても近い。
リューデスハイムを出たフェリーは左岸のビンゲンを経由する。
・ビンゲン
ビンゲンはライン川の左岸側の町です。左岸側はドイツ国鉄が通っているほか、終着点のコブレンツも左岸にあるためアクセスが便利です。
フランクフルトからビンゲンへは鉄道でICE、ICを利用して約1時間20分ほどです。直通便はなく、マインツで各駅停車に乗り換えます。この列車はビンゲンを出ると左岸側をコブレンツまで走行するので、進行方向右手側にライン川を望むことができます。
また、ビンゲン駅から徒歩5分ほどの位置にフェリー乗り場があり、リューデスハイムから来たフェリーが、発着します。ボッパルトが終点の船が1日2本、その先のコブレンツまで行く船が1日3本運行しています。
ビンゲンを出発したフェリーは左岸、右岸それぞれの街に寄りながらライン川を下っていきます。
駅から徒歩5分ほどで大きなライン川の岸辺に出る。
観光案内所があるほか、飲食店などもあり、散策しても楽しい。
ビンゲンの岸辺には小さな遊園地もあり、賑わっていた。
ライン川を下るフェリーは人気も高く日曜日は特に混み合う。
ライン渓谷中流上部
ライン川沿いの地域には小さな集落がいくつか点々としており、古くから船舶を利用した交易によって栄えました。中世以降は教会や大きな城がいくつも建てられ、発展してきました。
世界遺産登録範囲の中部にあるローレライと呼ばれる岩山は、ライン川が急カーブをする場所に位置しており、古くから多くの船が座礁する難所として知られていました。
ローレライは歌声で船頭を魅了する精霊、セイレーンの一種とも言われており、その歌声で漁師を水の中に引きずり込むと行った伝説が語られています。
川沿いに広がるブドウ畑の景観や、点在する中世の城、古くから川を利用した文化交流が盛んであった点などから文化遺産として世界遺産に登録されています。
フェリーを利用すると船内アナウンスで各見どころの紹介と進行方向の案内があります。
デッキ部分は遊具もおいてある他、中には売店もある。
ビンゲンを出ると左岸側に最初の見どころ、ネズミの塔が見える。
中世時代、税関としてこのライン川の中州に建設された。
右岸側には小さな城、エーレンフェルス城が見えてくる。
リューデスハイムから訪れることができ、内部も見学できる。
川沿いには中世風の小さな街がいくつも点在している。
ビンゲンを出て最初の船着き場、アスマンスハウゼン。
対岸には中世の城、ラインシュタイン城が見られる。
左岸側にはまた中世風の大きなお城、ライヒェンシュタイン城が見えてくる。
この城は三つ星ホテルとして営業しており、一泊1万5000円ほどで泊まることもできる。
盗賊の根城として使用されてきた、暗い過去を持つ城でもある。
左岸のやや中腹にゾーネック城が見える。こちらも商人を襲った盗賊の住処だったという。
大きなライン川の岸辺には、ところどころにブドウ畑が広がっている。
左岸側の船着き場、バッハラッハと呼ばれる街。船が泊まるたびに人の乗り降りがある。
カウプと呼ばれる街の手前側にある船のような形の城、プファルツ城は有名な見どころの一つ。
多くの人がカメラを構えるプファルツ城はライン川の中州に造られている。
この城は税関として建設された。船で中州に渡り、内部を見学することもできる。
右岸のカウプの街の上にはグーテンフェルス城という城がある。内部は非公開。
左岸側に超人気の四つ星ホテル、シェーンブルク城が見える。一泊1万5千円~2万円ほど。
オーバーヴェーゼルの街。国鉄の鉄道駅もあるが、無人駅なので注意。
オーバーヴェーゼル付近で、ビンゲンから乗船したフェリーは約1時間ほど経過した。
オーバーヴェーゼルを過ぎるといよいよ右手側にローレライの岩山が見えてくる。
非常に地味なので見落とさないように注意。頂上にドイツ国旗が刺さっている。
セイレーン伝説で有名なローレライ。この迫力はフェリーから見るのがベスト。
急カーブな上に川幅も狭まることから船の難所とされていた。
右岸のザンクトゴワルスハウゼンにはねこ城と呼ばれる城がある。
ねこ城は個人所有の建物で、オーナーは日本人とのこと。内部は非公開。
ザンクトゴワールの船着き場。ここで多くの人が乗り降りをしていた。
ライン川で最も大きい城、ラインフェルス城。四つ星ホテルとして営業している。
右岸にはねずみ城と呼ばれる城が建つ。ねこ城と近くに位置することから関連して名付けられた。
ねずみ城のあたりで、ビンゲンからのフェリー旅が2時間ほど経過した。
ローレライを超えるとだんだんと乗船している観光客の数が減ってくる。
ビンゲン乗船から2時間半で、ボッパルトに到着。ここが終着点となるフェリーもある。
ライン川沿いの街では比較的大きな街で、ここでフェリーを降りる人も多い。
右岸側にはヨーロッパ1000名城のひとつ、マルクスブルク城が見えてくる。
ライン川沿いの中世の城では最も保存状態が良い。内部はガイドツアーで見学する。
フェリーの最後の船着き場、ブラウバッハから歩いて訪れることもできる。
ブラウバッハの左岸側にあるシュトルツェンフェルス城。ここがフェリー旅最後の見どころ。
ブラウバッハからコブレンツまでの1時間は見どころがなく、だんだんと大きな街に入っていく。
コブレンツに近づいたところで初めてライン川に架かる橋をくぐった。
コブレンツにはライン川をまたぐロープウェイが架かっている。
フェリーの終着点、コブレンツに到着。見どころが多く、4時間があっという間だった。
コブレンツのフェリー乗り場。コブレンツ発のフェリーもあるが、時間がかかってしまう。
コブレンツ
コブレンツは世界遺産に登録されたライン渓谷中流上部の下流の端になります。大きなライン川とモーゼル側が合流する地点で、2000年前のローマの時代から交通の要所として栄えたと言われています。
ICE特急でフランクフルトから1時間半、また、ケルンからは同じくICE特急で1時間ほどの位置にあります。
コブレンツの中央駅からフェリー乗り場へは徒歩30分ほどかかります。市バスの1番を利用すると便利です。
コブレンツ駅。ここからフェリー乗り場へは歩くとやや遠い。
コブレンツ駅はICE特急も止まる大きな駅。フランクフルトに戻るのにも便利。
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