2023年に映画館で鑑賞した映画のリストと感想 ※ネタバレあり(上半期の14本)
2023年も終わりに近づき、いよいよ年末に差し掛かりました。この年はインディ・ジョーンズやミッション・インポッシブル、ワイルドスピード、トランスフォーマーといったレジェンド級のシリーズ作品の続編が大量に公開された他、ホラー映画界でカルト的な人気を誇る“エスター”の続編や、スーパーマリオの映画、リトルマーメイドの実写化、宮崎駿監督の新作“君たちはどう生きるか“など、映画界隈では話題の尽きない1年でした。
今年公開された映画は話題作を中心に25本、25回映画館に足を運んだ私が、独断と偏見とネタバレありで振り返っていこうと思います。5段階評価で採点していますが、個人の感想なのであしからず。
画像をクリックするとプライムビデオのリンクに飛ぶのでまだ見ていない作品や、気になったものがあれば、何かと時間の余る年末年始にぜひ見てみてください。
※順番は公開の日付順になっています。
1. FALL フォール (2月3日公開) ★★★★☆
地上600mのテレビ塔に登った2人の女性。頂上部にたどり着いたものの、梯子が外れ降りられなくなってしまった。携帯の電波も通じず、狭い足場だけの空間に取り残されてしまう、、
限られた空間の中で物語が展開する、シチュエーションスリラー映画。映像や音がリアルで、終始ハラハラさせる展開に手汗が止まらなかった。無理やりな状況であるので、所々突っ込みどころもあるのだが、107分という時間は飽きを感じさせず、ちょうどよかったのだと思う。
2. アントマン&ワスプ:クアントマニア (2月17日公開) ★★★☆☆
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のフェーズ5最初の作品で、自身や物体を自在に拡大・縮小したり、アリを味方に戦うヒーロー、アントマンシリーズの3作目。ある出来事をきっかけに極小の量子世界に来てしまったアントマンの前に、シリーズ最強のヴィラン、カーンが立ちはだかる。
スパイダーマン・ノーウェイホーム以降失速気味のMCUシリーズ。量子世界の映像美は流石で、戦闘シーンも非常に見ごたえがあった。一方で、量子がテーマなので多少難解な語句が出てきたり、展開も早くて微妙に筋をつかみきれずに終わってしまった。とはいえ、大迫力の映像は、映画館で見る価値があり、楽しめた。
3. エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス (3月3日公開) ★★☆☆☆
2022年のアカデミー賞の作品賞を受賞し、賛否両論の大論争が巻き起こった本作。大女優ミシェル・ヨー扮する”おばちゃん”が全宇宙のカギを握ることになり、多次元宇宙(マルチバース)の戦いに巻き込まれていく、、
本国アメリカでの公開から遅れること1年、ようやく日本でも公開された本作は日本でも大論争を巻き起こした。とんでもないぶっ飛んだ展開と、下品でどこか汚らしいコメディと、グダグダな戦闘で、最後まで何を見せられているのかよくわからなかった。一応は映画として成立していて、なんとなく刺さる人には刺さるんだろうなと思えたので、アカデミー作品賞にも異議は無いが、私にはハマらなかった。
4. シャザム!〜神々の怒り〜 (3月17日公開) ★★☆☆☆
バットマンやスーパーマンで有名なアメコミのDCが展開する、DCエクステンデットユニバースの作品。シャザム!と呪文を叫ぶと超ヒーローに変身できるシャザムと5人の仲間たち。彼らのもとに3人の”アトラスの娘たち”が現れる。
アメコミDCの実写化と言うことで前作シャザム!も話題だったが、実は前作は脚本が甘く、戦闘シーンも少なめでそこまで完成度は高くなかった。今作もスローテンポで、ところどころに差し込まれるアメリカンジョークは悉くハマらなかった。ただ、ヒーロー映画として大迫力の戦闘シーンは最高だったし、重要な場面でDCの人気キャラ、ワンダーウーマンが登場したことに救われた映画だったと思う。
5. エスター ファースト・キル (3月31日公開) ★★★★★
映画好きでなくとも一度は聞いたことのあるであろう、超有名なホラー映画、エスターの正式な続編で、前作エスターの前日譚。精神病院を脱出したエスターは、行方不明者リストの中から1人の少女になりすまし、その家族に迎えられるが、、
伝説のホラー映画の実に13年ぶりの続編だが、主演は25歳になったイザベル・ファーマンが再び”エスター”を演じる。前作のインパクトが強すぎて2作目は期待値も高くなってしまうが、その期待を裏切らない物語中盤以降の衝撃の展開に映画館で鑑賞した私は大満足だった。25歳のイザベル・ファーマンが少女を演じるところにさすがに無理はあったが、”エスター”に繋がる伏線もちりばめられていて、前作へのリスペクトが垣間見られた。
6. search/サーチ2 (4月14日公開) ★★★★☆
映画が全てパソコンの画面上で展開する、サンダンス映画祭をにぎわせたサスペンス映画、”search/サーチ”の続編。パソコン上で物語が展開するのは共通だが、登場人物は全く異なるので、本作だけでも楽しむことができる。父を亡くし、母と2人ロサンゼルスで暮らしていたジューン。新しい彼氏とコロンビアに旅行に行ったまま消えてしまった母親を、ジューンはあらゆるネットツールを使って探すのだが、、
物語全てが画面上で展開するアイデアとテンポの良さ、衝撃の犯人で評価の高かった前作search/サーチ。余談だが、前作の原題は”searching”で、本作は”missing”となっている。前作よりもさらにパワーアップした本作では通話アプリの他、”出会い系アプリ”や”便利屋依頼アプリ”などより現代チックなネットツールが登場する。前作よりも矛盾が多く気になったが、それでも鑑賞後の満足度は高かった。
7. ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー (4月28日公開) ★★★★★
あの、全世界的人気ゲームのスーパーマリオがまさかの映画化!ブルックリンで配管工として働いていたマリオとルイージは、ある日謎の土管のワープを通って”キノコ王国”に流れ着く。キノコ王国のプリンセス、ピーチ姫と共にクッパと戦うことになるのだが、、
マリオ、ルイージ、クッパやピーチ姫の他、マリオシリーズではおなじみのドンキーコングも登場する。ゲームでおなじみの横スクロールシーンやマリオカートのレースシーンなど、ゲームのあらゆる要素が詰め込まれており、ゲームをプレイしているような気持ちになれた。上映時間の93分はあっという間だった。
7. ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3 (5月3日公開) ★★★★★
2023年、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の2本目。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーシリーズの3作目に当たる。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー本部に、2作目の敵のボス、アイーシャが造った”アダム・ウォーロック”が襲撃する。その際にロケットが瀕死の重傷を負い、彼を治療するため、彼の過去を巡って戦いの旅が始まる、、
マーベルコミックスシリーズでも人気の高いシリーズは前2作ともテンポと曲、ノリ、魅力的なキャラクターや戦闘シーンが完璧だった。本作もそれに劣らず飽きさせない展開の良さや映像美が堪能できた。ロケットの悲しい過去の話には泣けたが、笑いもあり、戦闘もありで、間違いなく近年のアメコミ映画では1番の出来だったと思う。
9. ワイルド・スピード/ファイヤーブースト (5月19日公開) ★★★★★
ド派手なカーアクションを売りにするワイルドスピードシリーズの10作目。シリーズの5作目で対峙したリオデジャネイロの麻薬王レイエスには息子ダンテがいた。金も父親もドミニクファミリーに奪われたダンテの復讐が始まる、、
前作ジェットブレイクでは崖を大ジャンプで越えたり、車で宇宙に行ったりと、なんでもありになってしまったように思えたワイルドスピードシリーズだったが、本作はストーリー展開もカーアクションもまとまった良作に戻ってくれた。過去シリーズのキャラクターたちが共闘する様子は熱くなったし、序盤のローマでの攻防はシリーズ屈指の名場面だった。
10. リトル・マーメイド (実写) (6月9日公開) ★☆☆☆☆
ディズニーアニメの中でも人気のリトルマーメイドが実写化。パートオブユアワールドやアンダーザシーなどの名曲も多く、主役のアリエルを黒人歌手のハリー・ベイリーが務めることでも話題になった。監督はパイレーツオブカリビアン生命の泉のロブ・マーシャル。アリエルとエリック王子の恋のゆくえにも注目。
待ちに待ったアリエルの実写化。アンダーザシーやキスザガールのシーンが好きなので公開日に見に行ったが、映画館は満席近い人気だった。ストーリーはほとんどアニメと一緒でアリエルが黒人なのも許容はできた。が、水中のシーンが大半を占めるためか画面が暗すぎる。そして魚や海の生物が妙にリアルで不気味さすら感じた。楽しい歌のシーンでも暗めの画面にリアルな海洋生物が生き生きと動く様子は残念だった。子供向けにもう少しデフォルメしても良かったと思う。
11. M3GAN ミーガン (6月9日公開) ★★☆☆☆
本国アメリカではキモカワロボットのミーガンダンスが大流行りした本作。両親を事故で亡くした女の子を引き取った、A.I.会社に務める姪のジェマは、彼女の心の寂しさを埋めるためにロボット“ミーガン”を開発する。ミーガンに心を開き始めるケイティだったが、次第にロボットがおかしな方向に向かって行く、、
制作に“ソウ“シリーズのジェームズ・ワン、配給は“ゲット・アウト”や“パージ”シリーズ、“ハッピー・デス・デイ”のプラムハウスということで、良質のホラー映画が期待された。しかしながら、ストーリー展開は至って普通で、お世話ロボットがおかしな暴走を始めるというもの。驚きは無かった。やはり“ミーガンダンス”のシーンだけは強烈なインパクトを残したので、そのシーンを見るための映画と言ってもいいだろう。
12. ザ・フラッシュ (6月16日公開) ★★★★★
アメコミDCシリーズの2023年2作目。シャザムとは違い、フラッシュはジャスティスリーグに所属するメインヒーローの1人で、スーパーマンやバットマンに並ぶ人気を持つ。高速で移動できる能力を持つフラッシュはある日、この力で時間を遡ることができることに気づく。母の命を救うために過去の改変を行ったことで、様々な影響が現れてしまう、、
高速で移動する能力を持つヒーロー、フラッシュが初の主役となった作品。戦闘シーンがとにかく爽快で、フラッシュ自体も魅力的なキャラクターであることから終始ダレずに鑑賞できた。タイムリープを扱う映画にしてはよくまとまっており、究極の選択を迫られるシーンは感動させられた。過去のバットマン映画を知っている人にはビックリのサプライズも。
13. スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース (6月16日公開) ★★★★☆
スパイダーマンシリーズのアニメ版で、主人公はマイルズ。空間や自身に穴を開ける能力を持つヴィラン、“スポット”と対峙したマイルズ・スパイダーマン。様々な次元(マルチバース)のスパイダーマンが集うスパイダーバースに行くことになったマイルズは、運命の選択を迫られることになる、、
映像美やテンポ、ストーリーも良く、アカデミー賞アニメ賞を受賞した前作の続編。スパイダーマンの宿命、最愛の人を失うという運命に抗おうとするマイルズの活躍はとても良かった。今作でもテンポの良さは継承されていたが、扱うテーマがマルチバースとやや難解なので、話の速さに理解が追いつかない所があった。また、話が途中で終わっており、続編ありきのストーリーに批判の声も多かった。
14. インディ・ジョーンズと運命のダイヤル (6月30日公開) ★☆☆☆☆
スティーブン・スピルバーグ監督、ハリソン・フォード扮する考古学者、インディジョーンズが活躍する大人気シリーズの5作目。1作目から42年、前作からは15年ぶりの続編となる。人類の歴史を変える秘宝、“アルキメデスのダイヤル”を巡る、インディジョーンズの冒険が再び始まる、、
世界的大ヒットの人気シリーズ、インディジョーンズの続編を、御年80歳になるハリソン・フォードが熱演。ファンにはたまらない映画になるはずだったのだが、流石に80歳の俳優に激しいアクションは無理があり、カーチェイスもアクションもイマイチ盛り上がらなかった。後半のトンデモ展開もよく分からず、わざわざ続編を作らなくてもよかったのではと思ってしまった。
下半期の11本はこちらからどうぞ。
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