玉山書院 -書院、韓国の性理学教育機関群-
目次
難易度★★★★☆
書院は中国を発祥とする、儒学を学ぶ私設の教育機関です。中国の科挙制度に伴って広く普及し、朝鮮半島やベトナムといった東アジアにも伝番しました。
2019年に世界遺産登録された韓国の書院は紹修書院、玉山書院、陶山書院、屏山書院、道東書院、藍渓書院、武城書院、筆巖書院、遯巖書院の9ヶ所で、主に韓国の中部から南部にかけて広範囲に分布しています。
このうち玉山書院、陶山書院は韓国の別の世界遺産”大韓民国の歴史的村落:河回と良洞”にも含まれている世界遺産です。
玉山書院は慶州郊外の良洞マウルからさらにバスで50分ほど進んだ奥地に所在しています。バスの本数も少ないためやや不便な世界遺産です。
玉山(オクサン)書院の行き方
●玉山書院は韓国中部の都市、慶州の北部にあり、大韓民国の歴史的村落:良洞マウルからやや西に位置しています。
●玉山書院に行くのは慶州バスターミナルから出る203番バスのみで、運行は1日に9本ほどしかありません。
●慶州~良洞マウルへはバスで1時間半、良洞マウル~玉山書院は50分ほど、慶州~玉山書院は2時間半ほどです。
●玉山書院の最寄りは玉山二里というバス停で、5分ほど川沿いに沿って進むと書院の大きな駐車場が見えてきます。
慶州~良洞マウル~玉山書院を結ぶ203番バスの時刻表(2020)。
203番バスは慶州バスターミナルのやや北側から出発する。
玉山二里というバス停。良洞マウルからもかなり離れており、人里離れた場所にある。
バス停から川に沿って上流方面に向かって歩いて行く。
玉山二里の石碑がある。右の道を進んでいきます。(車は左側一方通行です)
5分ほどで玉山書院の大きな駐車場が見えてくる。
玉山書院
玉山書院は儒学を学ぶ教育機関として1572年に設立されました。書院は慶州からもほど遠い自然豊かな場所にあり、川沿いは風流な景観が広がっています。
世界遺産登録名にある性理学とは儒学の一派で、「性」人間の生まれ持った本性、「理」この世のすべての中心となる法則性、より、読書や瞑想といったことによって本来性(理)に立ち返り、「理」を体得することを目標とする学問です。
建物自体それほど大きな物ではありませんが、儒学を学ぶ小さな学校が良い状態で保存されています。観光客もほとんど見かけない静かな場所です。
駐車場を奥へ進むと自然に囲まれた静かな空間に入る。
2019年に9つの書院として登録された。読みはオクサン。
玉山書院の外観。観光客はほとんどいなかった。
性理学教育機関の性理学とは宗・明時代の儒学のことを指す。
正面には玉山書院の本殿が位置している。建物は木造。
中央にある小さな広場を囲むように建物が配置されている。
書院による性理学教育は李氏朝鮮の普及に大きく貢献した。
一方で朝鮮では性理学を重視するあまり外国文化の取り入れと発展が遅れたとの考えもある。
この書院は良洞マウルの構成資産としても世界遺産に登録されている。
書院の手前には大きな川と風流な岩場がある。
書院は自然豊かな場所にあり、お土産屋、飲食店はほとんど無いので注意。
良洞マウルを訪れるついでに訪問するのがおすすめ。
他の構成資産
近くの世界遺産
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