白川郷・五箇山の合掌造り集落の行き方
目次
日帰り難易度★★★★☆
白川郷・五箇山の合掌造り集落は、白川郷が岐阜県、五箇山が富山県にある集落です。
豪雪地帯にあるこの集落では、雪に対応するため大きな茅葺きの屋根を設けた家を建設しました。また、この地は農耕に適している土地が少なかったため、養蚕や煙硝といった産業が発達しました。
白川郷観光の拠点となるのは岐阜県の大きな都市、高山です。高山からは日に数本白川郷を往復するシャトルバスツアーがあり、これを利用してアクセスすることができます。
白川郷の行き方
白川郷は、世界遺産に登録されている合掌造り集落の中で最も大きな集落です。JR高山駅前にはバスの発着所があり、様々なバス会社から白川郷行きのシャトルバスツアーが運行しています。
白川郷は人気の観光地であるため、シャトルバスの本数も多いですが予約が必須なバス会社もあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
以下にバス会社のリンクを張っておきます。
高山駅から白川郷へは車またはバスで1時間程度です。高山-白川郷の間は高速道路が開通しており、アクセスが便利になっています。
また、富山県高岡駅側からのアクセスすることができ、こちらからは五箇山を含めた世界遺産3集落を巡るバスが発着しています。
白川郷の駐車場。ここから世界遺産の集落へは細い橋を渡って行く。
2019年秋、この駐車場周辺の合掌造り家屋(世界遺産地区外)にて火事が起きました。
この橋を渡った先が世界遺産に登録された白川郷集落である。
大きな庄川はこの地域の貴重な水源でもある。
橋を渡った先はたくさんの合掌造り家屋が広がる白川郷の村である。
白川郷集落
白川郷集落は合掌造り集落の中で最も大きな集落で、約60棟の合掌造り家屋が世界遺産に登録されています。
集落の中にはお土産屋や食事処などが建ち並び、非常に観光しやすくなっています。その反面、訪れる観光客も多く午後になると集落は多くの人で賑わいます。
見所は村から徒歩約10分の高台にある荻町城跡展望台で、ここからは集落の全容が見渡せます。狭い山間の土地にたくさんの三角屋根が並ぶ光景は幻想的です。
そのほか村内には重要文化財に指定されている和田家や、神田家、長瀬家といった合掌造り集落において内部を見学することができます。
重いかやぶき屋根を支える大黒柱や広いスペースが取られた屋根裏部屋などは見応えがあります。
合掌造り家屋が建ち並ぶ白川郷はタイムスリップしたような気分になる。
大小様々な合掌造り集落はどれも個性的なので見ていて飽きない。
昼を過ぎると多くの観光客が押し寄せるので早い時間帯に散策したい。
訪れる時期によって見られる風景も全く異なる。
荻町城跡展望台
白川郷集落を見渡すことのできる高台には、展望台が設営されています。入場料等は必要ないので多くの観光客が訪れる人気スポットになっています。
白川郷集落からはゆるやかな坂道をやや登る必要があり、息を切らせて登る方も見かけました。
展望台近くには小さな駐車場もありますが、白川郷集落内に車が乗り入れられないため、迂回して向かうことになります。
白川郷集落から荻町城跡展望台へは緩やかな坂を登っていく。
坂道が続くので展望台までは時間がかかる。
展望台は多くの観光客で賑わっている。入場料は無料で、近くに公営トイレもある。
山間に栄えた白川郷集落を一望できる。季節によって眺めが異なるのも特徴。
和田家
和田家住宅は白川郷世界遺産指定地域において国の重要文化財にも指定されている邸宅です。
合掌造り集落で生産された火薬の原料、煙硝の売買で利益を得た大商人が建てた屋敷であるため、やや規模の大きな住宅となっています。
1階部分の居住区は典型的な日本家屋ですが、二階より上の部分は大きなかやぶき屋根を支える立て付けになっています。
白川郷においてひときわ大きな建物である和田家。内部を見学することができる。
一階部分は畳張りの日本家屋となっている。住宅に上がる際、靴を脱ぐ。
二階以上は主に養蚕等に使用された部屋で、広い空間となっている。
屋根裏の構造も少しだけ覗くことができる。柱の大きさや屋根の丈夫さを実感できる。
長瀬家
白川郷集落内で内部が一般公開されている家屋です。白川郷内でも最大級の合掌造りが特徴で、内部には住宅で使用されていたさまざまな展示品が並んでいます。
白川郷中心部に位置しているのでアクセスが容易でもあります。
約60棟ある合掌造り家屋のうち、内部が公開されている貴重な住宅でもある。
長瀬家の看板。比較的集落の中心部に位置しているので、時間が無い方におすすめ。
内部には広い空間を利用して多数の家具の展示がある。
養蚕に関連する展示から当時の暮らしを想像することができる。
神田家
長瀬家と同様、白川郷集落内で内部が一般公開されている邸宅のひとつで、長瀬家の対面にあります。
神田家には使用人がいろりの火の番をしたという火見窓があります。また、窓からの眺めが良く、合掌造り集落を多角から眺められるのも特徴です。
神田家の外観。一般的な邸宅と同じくらいの大きさである。
使用人がいろりの火を見張ったという小さな窓が着いている。
養蚕で使用された倉庫部分。容器などが展示されている。
窓からの眺めが良く、合掌造りの家屋群を一望できる。
一般公開されている邸宅の中で最も先端の部分まで登ることができる。
明善寺・庫裡
明善寺庫裡は白川郷内にあるお寺で、庫裡(くり)とはお寺の住職や家族が住む居館のことを指します。
お寺の庫裏もかやぶき屋根の合掌造りで建てられており、こちらも内部が郷土資料館として公開されています。
遠目からでも分かる大きな外観と、庫裏の裏手にあるこぢんまりとしたお寺との対比が面白いです。
白川郷内でも屈指の大きさを誇る明善寺庫裏。外観も目立つ。
庫裏は岐阜県の重要文化財に指定されており、内部も公開されている。
茅葺き屋根の分厚さは近くで見るととても迫力がある。
裏手には明善寺本殿と鐘楼が物寂しく建っている。
五箇山・菅沼集落の行き方
五箇山の集落はどちらも富山県に位置する集落で、白川郷からは車で1時間ほど距離が離れています。
五箇山の集落は富山県JR高岡駅からのアクセスが一般的で、バスで1時間20分ほどとなっています。
知名度が低いためか交通の便が悪く、やや行きにくい場所になっています。富山県高岡駅からは世界遺産の3集落を巡るバスが発着しています。
岐阜県高山駅や富山県高岡駅を起点としてレンタカーで白川郷、菅沼集落、相倉集落を周遊すると観光しやすいでしょう。
白川郷と比較するとややこぢんまりとした印象の菅沼集落駐車場。
駐車場から菅沼集落へはエレベーターを使って下っていく。
エレベータを降りて長い通路を歩いて行くと菅沼集落に出る。
整備された道を進んでいくと小さな合掌造り集落に出る。
五箇山・菅沼集落
菅沼集落は9軒の合掌造り集落がある非常に小規模な集落で、合掌造り邸宅も比較的小さなものが多いです。
一方で、日本の原風景を思い起こさせる、ノスタルジックな町並みが楽しめます。
白川郷は多くの観光バスが発着しますが、こちらの集落は知名度も低いためか観光客の姿は少ないという印象です。
上から見た菅沼集落。合掌造りは9棟と小規模であるのが分かる。
観光客の姿はちらほらとしか見かけないので静かに観光できる。
世界遺産登録範囲も狭いのでそれほど観光に時間はかからない。
集落の規模が違うため、白川郷とはまた異なる魅力がある。
煙硝の館
菅沼集落において一般公開されている住宅のひとつで、内部は合掌造り集落にて行われていた煙硝作りに焦点を当てた展示館となっています。
小規模な合掌造り集落ですが、白川郷集落と比較してみるのも良いでしょう。
煙硝の館と呼ばれる家。菅沼集落にぽつんと立っている。
内部の展示は火薬作りで重要な役割を果たした煙硝にテーマを絞っている。
農耕に適さない地であるため、煙硝や養蚕産業が大名への献上品となり、いわば生命線でもあった。
五箇山民俗館
こちらも菅沼集落にあり、内部が見学できる施設です。煙硝の館との共通チケットを購入すると少し割引があります。
小さな合掌造り家屋ですが、こちらは主に生活に焦点を当てた展示となっています。
民俗館も合掌造り邸宅を利用した見学施設であり、内部の見学ができる。
当時の住人の生活ぶりや厳冬の過ごし方の工夫などがわかる。
五箇山・相倉集落の行き方
相倉集落は菅沼集落と同じく富山県に位置する世界遺産で、両者は車で30分ほど離れています。
こちらも交通手段が乏しく、富山県JR高岡駅からの世界遺産バスを利用するのが最もわかりやすいルートになります。このバスはそれぞれの集落を結んで観光するため他の集落にもアクセスしやすいです。
自分のペースで観光したい場合はレンタカーを利用するかタクシーをチャーターして周遊するのがおすすめです。
相倉集落と観光客用の駐車場。車で訪れるのが一般的である。
五箇山・相倉集落
相倉集落は約20棟の合掌造り家屋を含む集落で、大規模集落の白川郷、小規模集落の五箇山菅沼集落と比して、中規模の集落と言うことができるでしょう。
川沿いの開けた土地に位置し、農業を行ったため耕作地が広がります。他の集落とはまた異なる光景を楽しむことができます。
また、合掌造り家屋のうち妻入り(三角の屋根の正面側に入口がある)が多いのもこの集落の特徴です。
こちらの集落には民宿も多く、合掌造り家屋に泊まるという、世界遺産に宿泊する貴重な体験ができます。
少し離れた高台から見た相倉集落の全景。約20棟の合掌造り家屋がある。
農道は車が行き交うので見学中は注意が必要。
合掌造りの大きさも中程度と行った印象。他の集落も訪れて違いを比較するのも良い。
相倉集落は農耕地の面積が広い印象を受ける。妻入り(屋根の正面側に入口がある)もこの集落の特徴。
相倉集落でも初期の頃に作られたという小さな家。高齢の女性が住んでいたという。
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