ファウンテンズ修道院遺跡群を含むスタッドリー王立公園 【イギリス】 行き方と難易度

ファウンテンズ修道院遺跡群を含むスタッドリー王立公園

日帰り難易度★★★★★

ファウンテンズ修道院は12世紀ころに建設された、イギリス国内におけるシトー派の最大級の修道院です。多くの修道士が生活し、4世紀近く繁栄しましたが、後に放棄され、現在では廃墟となっています。

17世紀になり、この修道院は付近の土地と共にジョン・エズラビー、及び息子のウィリアムによって買い取られ、庭園として整備されました。庭園は約1.5km四方と非常に広く、隅々まで見学すると所要は1.5-2時間はかかるでしょう。

ヨークシャーテイルズ国立公園内にありますが、市街からは遠く離れた位置にあり、リポンからの交通の便も非常に悪い世界遺産です。また、10月末-1月末までは長期間閉園となるため注意が必要です。

リポンの行き方

●ファウンテンズ修道院はヨークシャーテイルズ国立公園の南東部にあり、近郊の町リポンからアクセスします。リポンには鉄道が通っておらず、バスを使用します。

●リーズからリポンへバスが運行しており、日中は1時間に3本ほどと比較的本数も多いです。36番バスで、所要は1時間40分ほどでリポン市内に到着します。

●また、ヨークやリーズから鉄道でハロゲイトまで行き、そこからバスで30分ほどかけてリポンに向かう方法もあります。リーズからハロゲイトは鉄道で約1時間、ヨークからも約1時間です。鉄道の本数は多く、ハロゲイトまでの移動には困らないでしょう。

●ハロゲイトの駅前にあるバスターミナルから36番の北行きバスに乗車し、約30分でヨークシャーの小さな町、リポンに到着します。本数は1時間に3本ペースですが、帰りのバス時刻も調べておくと良いです。

ハロゲイト駅。リーズ-ハロゲイト-ヨークの鉄道は利用者も多く混んでいる。

ハロゲイト市内。ヨークシャー散策の南東の起点。バスターミナルは駅近く。

二階建てバスでリポンへ向かう。バスの本数は比較的多い。

30分ほどでリポン市内に到着する。バスターミナルは町の中心部にある。

ファウンテンズ修道院の行き方

●リポンからファウンテンズ修道院へは139番のミニバスを利用します。ミニバスの本数はとても少なく、平日は午前中と昼前、そして午後の3便しかありません。日曜日のみ、1日8-9本と便数が増加します。

●リポンからファウンテンズ修道院へは車で20分ほどと少し距離があるので、タクシーの使用も視野に入れておくと良いです。平坦な道を歩くと、リポンからファウンテンズ修道院まで2時間近くかかります。

●また、スタッドリー王立公園内もとても広く、1周散策すると長い距離を歩くことになるので体力には余裕を持って、動きやすい服装で訪問しましょう。

リポンからヨークシャー・テイルズ国立公園の草原をひたすら移動する。

修道院方面への分岐路。看板が目立たないので見逃さないようにしたい。

この柵を越えて進む。入り口は二ヶ所あるが、奥側のビジターセンター側がおすすめ。

スタッドリー王立公園のビジターセンター兼、チケットオフィス。

売店や飲食店もある。こちら側の入り口の方がファウンテンズ修道院に近い。

ファウンテンズ修道院遺跡群を含むスタッドリー王立公園

ファウンテンズ修道院は12世紀に建てられた後徐々に繫栄していき、全盛期にはシトー派の修道院としては最大級の規模を誇りました。現在残っている巨大な厨房跡や僧房跡からも、当時の規模の大きさを想像することができます。

修道院はその後400年近く繁栄しましたが、イングランド王・ヘンリー8世の修道院の解散令に伴って放棄されました。一時期は荒廃しましたが、廃墟になった修道院は付近の景観と共に資産家のジョン・エズラビーによって買い取られ、庭園として保護されました。

廃墟となった修道院や湖を持つスタッドリー王立公園の景観が評価され、世界遺産に登録されました。

園内は非常に広く、庭園は1.5km四方に及びます。道は平坦ですが、歩きやすい靴、服装で訪れましょう。開館は10:00-18:00(冬季-17:00)ですが、10月末-1月末までは長期間閉園となるため注意が必要です。

公園内では羊が放牧されており、のどかな景観が広がっている。

ビジターセンターから南に下っていくと、修道院の屋根が見えてくる。

廃墟となった修道院は近くで見ると大きく、迫力がある。

西側から見たファウンテンズ修道院の全景。土台部分はしっかりと残っている。

ファウンテンズ修道院の遠景。ヨークシャーの草原に大きな廃墟がたたずんでいる。

外壁に装飾、模様やレリーフは無く、シンプルな造りになっている。

廃墟となった部分も自由に歩き回ることができる。修道院跡は非常に広い。

大きなステンドグラスがはめ込まれていたと考えられる部分。大きな穴が空いている。

修道院跡で最も大きな礼拝堂部分。天井部は完全に崩落している。

滞在していた修道僧が使用していたと思われる大広間。

日常生活を送っていたと思われる僧房部分。ほとんど崩壊しているが部屋の形は分かる。

手前側は大部分が廃墟となってしまっているが、これも含めると相当な規模である。

中央部の鐘楼は約50m、ビルの15階に相当する。近くで見ると迫力がある。

遊歩道を上ると、少し上から修道院全景を見ることができる。

スタッドリー王立公園

資産家のジョン・エズラビーはファウンテンズ修道院周辺のこの地方の土地を買い取り、17世紀頃に広大で美しい庭園として整備しました。広い湖や緑豊かな庭園の景観は、スタッドリー王立公園と呼ばれ、修道院遺跡群と共に世界遺産に登録されました。

園内を遊歩道に沿ってゆっくり歩くと、1~1.5時間ほどかかる広さで、その登録面積は300haを越えます。園内には聖マリア教会、ファウンテンズ・ミル(粉挽き場)、バンケティング・ハウスなどの見所が点在しています。

園内は整備された遊歩道が通っている。平らな道が多いので歩きやすい。

園内は水辺に沿って歩く。途中に売店がほとんどないので、水分は持参しておくと安心。

月の池と呼ばれる円状の池の中心にはオブジェが飾られている。

湖がある側の入り口付近。大きな湖の周りも一周することができる。

ヨークシャーののどかな景観を上手く利用した庭園となっている。

月の池の前には小さなピエティ神殿が建つ。この付近でピクニックを楽しむ人も多い。

ファウンテンズ・ホール

ファウンテンズ・ホールは、公園内にいくつか点在する建物のひとつで、宴会等を行う目的のホールです。ビジターセンターや修道院と比較的近い公園内の南西部にあります。

内部は1階部分が見学用に開放されており、洋風の内装を楽しむことができます。

小さな花園を持つ優雅なたたずまいのファウンテンズ・ホール。

正面には川が流れており、庭には小さな倉庫もある、イギリスの古き良き田園風景。

この建物は修道院の時代ではなく、その後庭園造りの際に増設されたもの。

暖炉付きの広々とした部屋にはタペストリーがかけられている。修道院と比べるとやや新しさを感じる。

ファウンテンズ・ミル (粉挽き場)

ファウンテンズ・ミルはスタッドリー庭園内、修道院遺跡群の南西側に位置する小さな小屋です。修道院の栄えた時代に建てられた物のうち、屋根を含め原型をとどめる数少ない建物です。

小屋は内部に入ることもでき、大きな水車を間近で垣間見ることもできます。この大きな水車の力を利用して粉を挽くことができるという仕組みになっています。

修道院遺跡群の近くにある小屋。小屋という割りには大きい3階建ての建物である。

建物の裏手には水がためられたプールのような構造があり、こことの落差を利用する。

大きな水車の一部を見ることができる。近くで見るととても迫力がある。

バンケティング・ハウス

バンケティング・ハウスは、イングランド地方独特の文化で、本来の宮殿とは別に晩餐会、舞踏会、レクリエーションなどに使用する用途で建てられる離れのことです。スタッドリー王立公園内にもひとつ、月の池の周辺に建てられています。

小さな小屋の前にはレクリエーション用の小さな広場が設けられており、招待客がボウリングなどスポーツに興じることができるようになっています。

水辺からは少し離れた小高い丘の上に建つ小さな家がバンケティング・ハウス。

家の大きさ自体は大きい物ではなく、また内装も当時とは異なる物になっている。

聖マリア教会

スタッドリー王立公園の敷地の中でひとつだけかなり離れた北西部の端にあるのが、この聖マリア教会です。ファウンテンズ修道院とは関連性がなく、こちらは1878年に建てられた後期ビクトリア朝様式の教会です。

公園内からこの公園を訪れるのはかなりの回り道になってしまいますが、リポンからこの公園に来る途中の道路脇から見ることができます。

公園の外れにぽつんとそびえている教会で、正面にはオベリスクも建つ。

 

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