疾走!ホーチミン空港での攻防 【カンボジア-ラオス-タイ】旅行記1日目前編

疾走!ホーチミン空港での攻防

 

プチ出国ラッシュ

お盆の2週間前にあたる週の金曜日、12連勤目の仕事を無事に終えて帰宅した私は、すぐさまリュックに最低限の荷物を詰め込み、羽田空港に向かった。この日の夜(早朝2時)に、ベトナムのホーチミンに向けて出発する飛行機に乗るためだ。

精魂尽き果て、疲れ切った体に鞭を打ち、京成線で羽田空港に向かう。体は睡眠を欲していたが、冒険が始まるワクワク感がなんとか勝ち、足を動かしていた。

23時に到着した羽田空港は、一足早いバカンスに向かう人々で、ちょっとした出国ラッシュになっていた。

コロナが開けたお盆前。声を弾ませて旅行計画を語る声がそこかしこで聞こえる。

ベトジェットの搭乗券発券はそこまで時間はかからなかったが、深夜だというのに手荷物検査に長蛇の列ができていた。

これほど並んだのは初めて。着いた時の半分ほどまで列は解消されたが、30分くらい待った。

遅刻魔

搭乗ゲートに着いた私はスマホを充電しながら搭乗コールを待った。地球の歩き方を読みながら時間をつぶしたが、ボーディングタイムを過ぎても一向に搭乗が始まらない。

さすがは遅延率が驚異の10%を誇る遅刻魔、ベトジェット。この日も例にもれず遅れてくれたらしい。いつもなら笑って許せる遅延だったが、今回はそうも言っていられなかった。

なぜなら、ベトナム、ホーチミン空港でのトランジット時間が2時間半しかなかったからだ。このトランジットは自分で処理する必要があるため、一度ベトナムに入国し、搭乗券を発券して再度出国手続きを踏む必要がある。

2時間半はギリギリを攻めた時間だった。その貴重な時間がここ、羽田空港で着々と消費されているのだ。心中穏やかではいられなかった。

待つこと20分、焦りが小さなイライラに変わろうとしたちょうどその時、搭乗が始まった。搭乗自体はスムーズに終わったが、夏休みということもあって滑走路自体も混んでおり、結局30分遅れでの離陸となった。

しばらくするとベトジェットの機内食が運ばれてきた。

ベトナム風料理の機内食を一気に胃に流し込むと、心身ともに疲弊した体は睡眠欲に支配されていった。

・・・

・・・

ふと目を覚ますと窓の外で夜は明け、ベトナムの大地が眼下に広がっていた。

出発から5時間、陸地が見え着陸に入る。

ベトジェットは寝ている間にいくらか遅れを取り戻し、本来の時間通りにホーチミン国際空港に到着するようだった。

6時半。定刻通りに飛行機は着陸し、私はベトナムの地に足を着けた。

タイムリミットは2時間半。ここから勝負が始まる。

ホーチミン空港での攻防

LCCのベトジェットは空港の端の方に止まったため、エアポートバスが空港に到着するまで20分以上かかった。

空港に到着して階段を駆け上がると、そこには目を疑う光景が広がっていた。

入国ゲートには長蛇の列ができていた。

1列に6~70人はいようかという長蛇の行列。しかも、入国審査はしっかりとしていることが多く、一人一人時間がかかる。ざっと計算しても通過には40分はかかるだろう。

今は6時50分。次の飛行機の離陸までは2時間10分で、ここを40分で通過したとしても発券カウンターはすでに閉まっているだろう。ジ・エンドだ。

 

日本を出発して6時間と20分、私の旅はここで詰んだ。

 

私の目に宿っていたワクワクした輝きは消え、絶望感にさいなまれながらスマホで次のプノンペン行きの飛行機を検索し始めた。

12時30分発。手痛い出費にはなるが一応飛行機に空席は有りそうだった。ただ、13時にカンボジアの首都、プノンペンに着いたとしても、その日のうちに世界遺産、サンボー・プレイ・クックに行くのは無理に近かった。

そうなると計画は破綻し、1日ずつ日程がずれていくことになる。どこかで世界遺産をあきらめることになってしまう。

 

ところが、待つこと10分、7時になるとその状況が一変した。

 

2つしか開いていなかった入国ゲートだったが、7時になると10か所ほどが一斉にオープンしたのである。列を待っていた群衆が開いたゲートになだれ込み、その場は一時騒然となった。

一瞬の出来事だったが、私はその好機を逃さず、すいている列に滑り込んだ。7,8人程の列に短縮されたが、それでも列の進みは遅く、じらされた。

20分ほどでようやく入国ゲートを通過し、ベトナムの地に足を踏み入れた。寄ってきたタクシー運転手に出国カウンターの場所を聞き(彼はとても驚いていた)、他の物には一切目をくれず、ホーチミン空港を疾走した。

息を切らしながら出国フロアに登ってくると、アンコールエアラインの発券カウンターが視界に入った。カウンターでは小太りの白人男性が一人、手続きをしているように見えた。その他に客は見当たらない。

私はそのカウンターの待ち列と思われるレーンに滑り込んだ。その後ろで、係員がポールを動かし、レーンを閉じる音が聞こえた。

セーフ。あと1分遅かったらと思うと寒気がするほどギリギリの戦いだった。

チケットは無事発券された。だが、戦いはここで終わらなかった。

第二ラウンド

この日は土曜日、ホーチミンの空港も出国ラッシュだったのである。列の進みは早いのだが、いかんせん人が多すぎる。ボーディングタイムの7:50まで30分を切っていた。

手荷物検査にできている長蛇の列。傍を通る係員に、時間が迫っているから割り込ませてくれと何度も頼んだが、彼は頑として聞き入れてくれなかった。

その後も何人か近くを通る係員にせがんだが、“Dont worry.Its OK.”とのんびりとした口調で返されるだけだった。飛行機に乗り遅れたら全然オッケーではない。

荷物検査を終え、パスポートにスタンプを押されたのはボーディングタイムをすでに15分も過ぎた8時5分だった。人をかき分け、搭乗ゲームに向かって疾走する。

アンコールエアラインの係員が声を上げてファイナルコールをかけているのが見えた。無事搭乗ゲートにたどり着き、飛行機用のバスに乗り込んだ。

私の2,3分後に、先ほど発券カウンターで見かけた小太りの白人男性が来て、ゲートが閉まった。

小さな飛行機はカンボジアの首都、プノンペンに30分で運んでくれる。

波乱の幕開けとなったホーチミン空港を後にして、いよいよカンボジアへと向かう。滞在時間はわずか2時間となったベトナムの大地を蹴り上げ、飛行機に乗り込んだ私は、小さくつぶやいた。

 

冒険の始まりはこれくらいがちょうどいい。

 

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