ローマ帝国の国境線 (ハドリアヌスの長城) 【イギリス】 日帰り難易度と行き方

ローマ帝国の国境線 (ハドリアヌスの長城)と市壁の行き方

日帰り難易度★★★★☆

ローマ帝国の国境線は、絶大な権力を誇ったローマ帝国時代に建てられた石造りの壁で、イギリスとドイツの2ヶ国にまたがって登録されています。

もともとは「ハドリアヌスの長城」としてイギリスのものが単独で登録されていましたが、後にドイツのリーメスにあるものが追加登録され、「ローマ帝国の国境線」と改称されました。

現在はさらにイギリス国内のアントニヌスの長城も追加で登録されています。

ハドリアヌスの長城はイングランドとスコットランドのちょうど国境付近の草原に位置しています。2世紀に建設されたこの長城は当時約120kmの長さがあったとされています。

壁はカーライルとニューキャッスル・アポン・タインを結んでいますが、現在は崩壊している場所も多いです。

壁がよく残っているのは両町の中間地点、へクサムとハルトウィッスルにあるチェスターズ・ローマン・フォートと、ハウスステッズ・ローマン・フォートです。

春~秋は循環バスが1時間毎に運行しているのでこれを利用して壁や遺跡群を巡ることができます。しかし、冬期は完全に運休するため、公共交通機関を使うことができなくなります。

へクサムの行き方

ハドリアヌスの長城を訪れる際起点となるのはへクサム駅とハルトウィッスル駅です。ニューキャッスル・アポン・タイン駅からカーライルへ向かう鉄道が出ており、所要は約1時間です。

へクサム、ハルトウィッスル両駅の間には1時間に1本循環バスが出ており、ローマンアーミー博物館、ハウスステッズ・ローマンフォート、チェスターズローマンフォートでそれぞれ停車します。

ハドリアヌスの長城が残っているのはごく一部のみであり、一番綺麗に見えるのはハウスステッズ・ローマン・フォートです。時間が無ければ、ここを優先すると良いでしょう。

循環バスは4/3~9/27のみの運行で、冬期は公共機関が使えません。へクサムやハルトウィッスルから歩いて行ける距離ではないので、タクシーやレンタカーを利用する必要があります。

ヘクサム駅前。湖水地方の物寂しい駅がハドリアヌスの長城巡りの起点となる。

バスはひたすら起伏の多い草原を走って行く。乗車する観光客は少ない。

広大な放牧地帯が広がっている。風が吹きさらすため夏でも肌寒い。

途中で小さな街をいくつか通過する。バスは30~40ほどでチェスターズ・ローマン・フォートに着く。

放牧地に一部残るハドリアヌスの長城の跡が見える。

120年代に造られたという石壁はところどころ綺麗な状態で残っている。

長城と言うほど長くは残っていないが、当時のローマ帝国の強さを感じる。

石垣には数kmごとに見張り塔のような施設が設けられている。

チェスターズ・ローマン・フォート

ハドリアヌスの長城のうち多くが損壊を受けていますが、ローマ時代の遺構が今も見られるのがこのチェスターズ・ローマン・フォートです。

長城というような長い石垣はありませんが、ローマ駐留兵が滞在したと思われる場所で、大規模な共同風呂の遺構などが見られます。

残っているのは土台部分のみですが、1500年前に絶大な勢力を誇っていたローマ帝国の権力の大きさと建築技術の高さを思わせます。

冬期はここに行く公共交通機関がなくなるため、非常にアクセスが悪くなります。

この場所はイングリッシュヘリテッジに参加しているため、イングリッシュヘリテッジ・オーバーシーズパスがあれば無料で入場ができます。

イングリッシュヘリテッジ・オーバーシーズパスは、もう一つのハウスステッズ・ローマン・フォートでも使用できます。他にもストーンヘンジやアイアンブリッジ峡谷、カンタベリーの聖アウグスティン教会跡など、多くの世界遺産で使うことができるため、お得です。

チェスターズ・ローマン・フォートの入り口。ここでチケットを購入する。

羊が放牧されているのどかな光景が広がる。道なりに進んでいく。

チェスターズ・ローマン・フォートの入り口。羊よけの柵を越えると遺跡が広がる。

遺跡の土台部分に着目するとかなり広い面積を占めていたことが窺える。

たくさんの部屋が区切られていることから、多くの兵士が暮らしていたことがわかる。

石積みの床下部分。当時の建築技術の高さを知ることができる。

遺跡には水路も巡らされている。ローマは水回りの建築でも高い技術を持っていた。

石積みによってかさ上げされた床下構造が見える。

水の流れを制御する水路の構造が綺麗に保存されている点は興味深い。

川沿いには大きなローマ式共同浴場のスペースがある。

下から見ると、石垣等がかなりよく保存されている印象を受ける。

機能に合わせて様々な形の岩が残り、どの遺跡も見応えがある。

こちらは土台のみが残る遺構。観光客の姿はほとんど見かけない。

ハドリアヌスの長城はあまり知名度の高い世界遺産ではないが、とてもおすすめである。

ところどころに、綺麗に石積みが残った小部屋がある。後ろに少し城壁も見える。

敷地内には小さな博物館があり、発掘された石細工が展示されている。

ハウスステッズ・ローマン・フォート

全長約120kmにも及ぶハドリアヌスの長城のうち、最も保存状態の良い城壁が残るのがこのハウスステッズ・ローマン・フォートです。

ハドリアヌスの長城見学は、通常このハウスステッズ・ローマン・フォートを指すことが多いです。広々とした草原に遠くまで続く城壁を見ることができます。

城壁の他にも丘の上にはローマ時代の遺構が残り、共同トイレなどの跡を見ることができます。また、ハドリアヌスの城壁にも近づくことができ、その壁の高さを実感することができます。

チェスターズ・ローマン・フォートと同様、イングリッシュヘリテッジ・オーバーシーズパスを利用することができます。

冬期は循環バスが運休となるためへクサムやハルトウィッスル駅からのアクセスが困難になることには注意が必要です。

ハウスステッズ・ローマン・フォート前の駐車場。ちょうど循環バスが停車している。

入り口でチケットを見せる。その後、城壁のある丘の上まで歩いて行く。

ゲートから遺跡まではやや距離がある。目的地は丘の上なので坂が続く。

ハドリアヌスの長城がある部分はスコットランドとの国境部にあり、とても寒い。

遺跡の周辺は放牧地となっており、こちらも羊が多数生息している。

5~10分ほど歩くと丘の上にあるローマ遺跡にたどり着く。

 

かなり規模の大きいローマ軍の遺跡であり、5世紀に軍の撤退後放棄された。

約1500年前に建築された遺跡だが、往時の姿を偲ばせる。

この土地には軍用の病院などが置かれていたというが、いまは土台のみが残る。

珍しいローマ風ト共同イレの遺跡。柵がないので落ちないように注意。

ローマ遺構の頂上まで登ると、裏手に長々と続くハドリアヌスの長城が見えてくる。

この場所がハドリアヌスの長城が最もよく残っている場所である。

ところどころに見張りの詰め所がある。壁は遠くまで続いているのがわかる。

風が強く気候が荒いので高木がなくとても見晴らしが良い。

近づいてみると城壁の高さに驚く。高いところは4~5mもあったという。

城壁と牧草地が融合した見事な景観美。この場所は観光客もやや多い。

バス停まではやや距離があるので、1時間に1本しか無い帰りのバスの時間には注意したい。

 

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