TOEICの勉強は英会話の役に立つのか体験談と検証 【コスタリカ留学】

TOEICの勉強は英会話の役に立つのか

日本で英語のテストと言えば英検やTOEICを思い浮かべる人が多いでしょう。TOEICの点数は大学院入試の評価として使われたり、会社の昇進試験の要件になっていたりと身近な試験ではないでしょうか。

電車の中でもTOEICの問題集を眺める大人や、必死で単語帳をめくる高校生の姿をよく見かけます。

しかし、TOEICで良い点を取っても、全然英語がしゃべれなかった!!とか、会話が続かない、、といった声をちらほら耳にするのも事実です。

確かに、TOEICの勉強をものすごーく頑張っても、英語がぺらぺらになるわけではないと自分も考えています。実際、最初は全く会話が続かず、意思疎通もままならなくてとても苦労しました。

まずは自己紹介と自分が英語を全くしゃべれなかった体験談から語っていきましょう。

コスタリカに研究で1ヶ月半滞在

私は東京大学の修士1年生の時、研究でコスタリカに滞在しました。霊長類の研究で、現地の野生のオマキザルを観察するのが主な任務でした。

その当時TOEICの点は770点。海外経験はあまりなく、英語で誰かと会話する機会もほとんどありませんでした。

英語が決して得意と言うわけではなく、リスニングがすこし自信がある程度でした。ただ、当時の自分は英語なんてなんとかなるだろうと高をくくっていたのでした。

コスタリカでは保護された自然区域のジャングルの中にある研究者用の村に滞在しました。行きは教授と一緒に来ましたが、研究のやり方や手続きなど一通りのことを済ませると1週間ほどで帰国しました。

今、この村にいる日本人は自分一人。滞在しているのはアメリカやドイツなど各国から来た研究者や、現地のサポートスタッフのみでした。

そして、滞在していたこの村がまた特殊なところで、人里離れた地にあるので食料が手に入りません。タクシーで1時間ほど離れた町まで行き、1週間分くらいの食料を買いだめして過ごす、といった生活をしました。

村は自然保護区内にあるので普通のタクシーでは出入りできず、許可された車両でなければなかなか通行できません。タクシーは高いので基本は他の研究学生たちと乗り合います。

ジャングルに猛獣はいませんが、ヘビやサソリ、毒蟻などは普通にいますし、デング熱の危険性もありました。

この村にいる日本人は私一人。英語がしゃべれなければ”一緒に買い出し行こうよ”と食料も買いに行けず、体調が悪くても誰にも助けを求められない、、

英語がしゃべれなければ死

の世界に飛び込んだ気分でした。いや、大げさな表現でもなく、当時の日誌にそう書いてあります。

平和な日本にいたはずが、なぜかいきなり研究村で超絶サバイバルに挑戦されられることになったのです。

教授のいる最初の1週間が勝負。ここで友達を作れなかったら教授が帰った後暮らしていけない!!そう思った私は学生と思わしき人たちに積極的に声をかけていきました。

自 “あなたはどんな研究をしているの??どこから来たの??”

自 “僕は日本から来たよ!!これからよろしくね!!”

学生 “こちらこそ!私の研究は—–。”

学生 “ちなみにあなたの研究は?どんな実験装置を使う??”

 

自 “ええと僕の研究は,,,,サルを,,,ええと,,,サルの嗅覚が,,,,,目的は,,,ええと,,,,,,”

・・・

 

ここで自分は2つのあることに気がつきました。

①言葉が出てこない

言いたいことがあるのに全然言葉が出てきません。ここで自分の意図をちゃんと伝えられないと、実験も上手く進まないし、うまく協力もできません。

頭に浮かぶのは単語だけ。ええと嗅覚だからolfactoryか、いやいや嗅ぐからsmellか。果物の匂いはaroma?いやfragrance?サルはmonkeyだけど専門用語はapeだっけ??

ええと、ええとと言葉を探っているだけで会話が全然できません。頭だけは無駄にフル回転するのですが結局教授の助けなしには何もできないありさまでした。

最初のうちは自分の意図が全然伝えられず、とても苦労したし、村の中で孤独を感じたし、不安で泣きそうになりました。

②相手の英語がわからない

これ、東大行っててTOEICの勉強もしててリスニングもできないの??嘘でしょ??と思われるかもしれませんが、ホントなんです。

まさか英語リスニングができないとは思ってもいませんでした。当然、学生達はみな英語で会話をしているので、食卓でも日常生活でも英語です。

団らん中に笑いが起きても何が話題になっていたのか、さっぱり理解することができませんでした。

自分が勉強してきたリスニングはいわゆる受験英語で、現地の若者が使う生きた英語ではなかったのです。

1週間後

右も左も分からない大地で絶望を感じ、不安と恐怖で人知れず枕を濡らしましたが、だからといって何かが変わるわけではありません。

しゃべれなければ食べ物が買えないので空腹だし、生活していけません。

まずは自分の言葉で、単語の羅列でも良いからとにかく伝えることを意識しました。“今僕はこう考えている。””今僕はこうしたい””困っている”

とにかく会話ができなくて黙ることをやめました。とにかく伝わるまでしゃべり続ける。文法がかっこわるくても失敗してもいい。とにかく伝える。

ここで英語の知識が大きく役に立ちました。

TOEICの勉強をしていれば、知っている定型文の構造や単語の数も当然増えます。知っている知識が多いので自分の意図を相手に伝えやすくなりました。

そうすると、周りの学生達も、“ああ、この人全くしゃべれないんじゃないのね。なるほどこうして欲しいのね。”と少しずつ理解を示してくれるようになりました。

少しずつ意思の疎通ができるようになってくると、皆が自分に興味を持っていることも分かってきました。日本の研究技術やマンガ、日本の話題。自分が話せることも多かったのです。

こうしてようやく打ち解けていくようになったのでした。

そして買い出しへ

みんなで買い出しに行くときに、”一緒に行こうよ”と学生達の方から誘ってくれました。そのころには英語ぺらぺらではないもののすっかり打ち解けていたし、不安もなくなりました。

ご飯もいっぱい買えたし、これからは自分から行こうよと提案することもできる。このころにはすっかり自信がつき、積極的に英語をしゃべるようになりました。

続きは次の記事にしていったん本題に戻りましょう。

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TOEICの勉強をしていて本当によかったなと思えたのは、豊富な知識があったことでしょう。単語や熟語を知っているので形だけでも意思を伝えることができました。

一方で苦労したのは表現をアウトプットできなかったこと、そして自信をなくして黙り込んでしまったことです。

TOEICと英会話には決定的な違いが2つあると思っています。

①相手がいるコミュニケーションであること

ペーパーテストはあくまでも個人プレーです。リスニング問題や文章題に会話形式の問題が出題されることもありますが、それも自分で聞き取って答えを選ぶだけ。個人力です。

英会話は自分で返答を生み出し、それを生きた相手に伝えなければなりません。

また試験には制限時間があり、その中で回答すれば何の問題もありません。分からない問題は後回しにしたり、あきらめたりすることもできます。

ところが英会話ではそうは行きません。相手の問いに対してほとんど時間をおかずに返さないと会話が不自然になりますし、そこで流れが止まってしまいます。

答えをあきらめることも後回しにすることもできません。

自分一人で戦う試験ではなく、相手がいるというのが大きな違いです。

②英会話に正解がないこと

受験勉強にしろTOEICにしろ、選択問題であれ記述問題であれ、問題には必ず答えがあります。正しい選択肢は○、間違った選択肢は×。至極明白です。

相手との会話はどうでしょうか。日本語での会話でも結構です。この返しは正解だな。この返答は間違いだな。なんていちいち考えないでしょう。(心理学・論理学的な要素は置いておいて)

もちろん、文法的なミステイクや言葉の誤用はあります。普段の日本語の会話においてすら、時々間違うこともあるでしょう。

でも、普段の会話においては意図が伝われば大きな問題にはなりませんよね。むしろ、会話をせず黙ったままの人の方が何を考えているのか分からず、困ってしまいます。

じゃあ、受験英語は意味が無いのか?

結論から言うと、そんなことは無いと思います。勉強はとっても大事です。ただ、英会話に応用するには少し切り替えが必要ということです。

初めからすらすらと上手くしゃべることができる人なんていません。最初はみんな片言だし、英語表現も間違うし、発音も変だったりします。

TOEIC英語を勉強してきた人たちに圧倒的に足りないのは会話をする実戦経験です。実際にたくさんの人と話して、英語になれて、自分で使える表現を増やして行くこと。

上手くしゃべるようになるのは、こうした経験を積むことと、それを継続することです。続けていくことで経験と知識がたまり、自分に自信が持ててきます。自分はこの経験がきっかけとなって帰国後はさらに英会話の努力をしました。

英会話のコツなどはたくさんの本やYouTube動画などで解説されていますから割愛しますが、個人的に研究留学して感じたことなどを語ってみました。

よければ続きの記事もどうぞ。

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2 件のコメント

  • お世話になってます。スリランカもうまくいったようで、おめでとうございます。

    コスタリカで、いきなり特殊な非日常の体験をしているので、今1人で世界遺産巡りも出来ていると思います。本当にTOEICの点数だけ高くて、英語が全然しゃべれない人は、かなりいます。

    セブ島滞在時に現役の京都大学の4回生がいましたが、やはり最初は話せませんでした。しかし、もともと知っている単語や正しい文法の知識など圧倒的な蓄積があるので、慣れてコツを掴むと短期間でかなり話せるようになってました。

    私もまだたいして話せませんが、日常会話で当たり前に使うフレーズは、何十回も何百回も使うので、場数を踏んでいけばいちいち考えずに出てきます。

    しかし、英語は日本語と比べても、アルファベットしかないので、ひらがな、カタカナ、漢字を覚えるよりは全然楽だと思います。外国人に日本語を教えることもありますが、漢字までたどりつけません。それでもこちらの勉強にもなります。

    世界遺産巡りも英語ペラペラへの道も、先はまだまだ長いですが、今後も頑張っていきましょう。最も大事なのは、目標を持つことと楽しくやることなので、それはお互いクリアしている気がします。

    • こんにちは。コメントありがとうございます。
      スリランカの旅行記は週1でどんどんアップロードしていきます!!

      まさにおっしゃるとおりで、会話を楽しみながら上達していくのが大事なのかなと思っています!
      以前、TOEICや受験の英語なんて全く役に立たない!という論調の記事を読んだことがありまして、
      ちょっと自分の考えをまとめてみたいと思い、記事にしました。

      勉強を後回しにしてもフィーリングや言い換えでその場をしのぐことはできますが、
      ずっとそのままではいつか限界が来ると考えています。
      いっぱい勉強していろいろな単語や文法を知っておくと、その知識はいつか必ず役に立つ!!
      ということが読んだ方に伝わるといいなあと思います。

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