オビエドとアストゥリアス王国の建造物群の行き方
目次
日帰り難易度★★★★☆
オビエドはスペインの北部アストゥリアス州に属しています。山間の町はスペイン国内でも比較的大きな都市ですが、このあたりは大規模な観光名所もなくツアーも少ないため、アクセスしづらい印象です。
レコンキスタ始まりの地ともされており、現在のスペインはまさにこの地から始まったともいえます。
オビエドの行き方
オビエドは山に囲まれた大きな都市です。交通の便は比較的よく、大きな鉄道駅やバスターミナルがあります。マドリッドからは少し遠く時間がかかる印象です。
オビエドまでマドリッドから鉄道で5~7時間、バスでも6~7時間程度かかります。大都市からの日帰りは体力がないと厳しいので、一泊して周辺の観光と併せてゆっくり楽しむことをお勧めします。
オビエドの駅前。比較的町の中心に近い場所にある。バスターミナルは駅から歩いて15分ほど。
オビエドのメインストリート。大きなビルが建ち並び、賑やかである。
広場では民族衣装を着て楽しげなショーが開かれていた。
オビエドとアストゥリアス王国の建造物群
オビエドはスペインの前身となるアストゥリアス王国の発祥の地と言われています。この地に建国されたアストゥリアス王国がイスラム王朝との戦いに勝利し、イベリア半島全土を巻き込んだレコンキスタが始まりました。
建造物群はオビエド市内に点在していますが、町はずれに位置するサン・ミゲル・デ・リーリョ教会とサンタ・マリア・デル・ナランコ聖堂、オビエドのカテドラル内部に残るカマラ・サンタ・デ・オビエドが見所です。
カテドラル(カマラ・サンタ・デ・オビエド)
オビエドの中心街、アルフォンソ二世広場には大きなカテドラルが隣接しています。カテドラル自体は16世紀頃に建てられました。カテドラルそのものは祭壇の見事な装飾や、宝物が展示された博物館も隣接しており見所が多いです。
世界遺産に登録されているのはカテドラル内部にある小さな建物カマラ・サンタ・デ・オビエドのみです。回廊の端にひっそりと曽比言えているので見落とさないようにしましょう。
構成資産の中では町中に有り比較的アクセスしやすいカテドラル。
カテドラルの礼拝堂部分。ゴシック様式の大きな建物である。
上部のステンドグラスと金色の細かい装飾の祭壇部分。現在の建物は内戦後に再建された物。
回廊部分。博物館を抜けた先に世界遺産であるカマラ・サンタがある。
サンタ・マリア・デル・ナランコ聖堂
サン・ミゲル・デ・リーリョ教会とサンタ・マリア・デル・ナランコ聖堂はオビエドの街から少し離れたナランコ山の中腹にあります。イベリア半島ではイスラム文化が浸透していた一方で、北側のアストゥリアス王国では独自のキリスト教文化が栄えていました。
現存するアストゥリアス建築である2つの建物はとても貴重な物件です。オビエドの街から北に向かって山道をゆっくり登ること1時間15分ほどです。バスの場合はオビエドの市街から10番のバスがナランコ山の中腹まで向かいます。所要時間は約10分です。
内部に入るには所要約40分のツアーに参加する必要があります。言語はスペイン語のみですが内部から見える風景はまたひと味違います。
オビエドから北に進むとナランコ山が見えてくる。それほど高い山ではない。
のどかな放牧地が続いている。行きはバスやタクシーで、帰りは歩いて降りるのも気持ちいい。
遠くにオビエドの街が見える。市街を見下ろす位置に教会が建っている。
山道の中腹に小さな教会が見えてきた。バスできた場合ももう少し下の方に降ろされる。
この小さな建物がサンタ・マリア・デル・ナランコ聖堂である。
近くで見るとかなり作り込まれた石造りの建物であることがわかる。
窓のアーチ構造は後のロマネスク様式の先駆けともいわれている。800年代の建築。
入り口はこちら側からのみ。ツアーは建物右手に受付がある。
建物の二階部分はツアーでのみ入ることができる。窓が多く、開放感に満ちていた。
石造りの柱一本一本に模様が刻まれている。細部まで美しい構造である。
窓枠は広くて大きく、オビエド市街を一望できる。ただし柵のような物が一切無いので足下には注意。
聖堂の2階からの眺めは離宮としてこの場に建築した王の意図がうかがえる。
一階部分は浴槽や炊事場のような生活の場の名残がある。
サン・ミゲル・デ・リーリョ教会
上述のサンタ・マリア・デル・ナランコ聖堂から15分ほど山道を進んだ先にあるもう一つの教会です。王の離宮として建てられたサンタ・マリア・デル・ナランコ聖堂の礼拝堂として同時代に建築されました。こちらもツアーでのみ内部に入ることができます。
ツアーはサンタ・マリア・デル・ナランコ聖堂とセットで40分程度。シエスタが長いので注意してください。また、内部は写真撮影が禁止されています。小さな教会ですが、独特の石のにおいが印象的でした。
サンタ・マリア・デル・ナランコ聖堂から細い道を上っていく。
ナランコ山の中腹にたたずむ小さな礼拝堂。まわりは原っぱであり何もない。
小さな礼拝堂。窓の部分には細かな装飾がある。オレンジが基調なのも印象的。
丸い小窓の装飾はロマネスク様式の先駆けであり、保護されていた。
ひっそりとたたずむ教会。華やかさはないが歴史を感じる建物である。
次の世界遺産へ
アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器洞窟美術 【スペイン】日帰り難易度と行き方 / No.30
前の世界遺産へ
ラス・メドゥラス 【スペイン】 日帰り難易度と行き方 No.28
[amazonjs asin=”B072KXLTB2″ locale=”JP” title=”オビエド市スペインスターリングシルバーフラグ Cufflinks 刻まれたボックス”] [amazonjs asin=”4478821682″ locale=”JP” title=”A20 地球の歩き方 スペイン 2018~2019″]本サイトで紹介する情報は筆者の訪問当時の現地情報となります。実際に行ってみて変更や意見等がございましたら、コメント等でお知らせいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
また、本サイト内の記述、画像、写真の無断転載・転用を禁止します。
コメントを残す