国立西洋美術館本館の行き方
目次
日帰り難易度★☆☆☆☆
ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-は日本初の国境を越えた世界遺産で、トランスバウンダリーサイトという基準で登録されています。フランス、ベルギー、ドイツ、スイス、インド、日本、アルゼンチンの7ヶ国17の建築が同基準で登録されています。
そのうちの日本の東京、上野にあるものが国立西洋美術館本館です。戦争によって没収されていた松方コレクションの返還に伴い、展示施設として建設されたのが始まりと言われています。
JR上野駅から徒歩5分程度であり、関東では最も訪れやすい世界遺産と言えるでしょう。比較的観光客の姿も少なく、見学しやすい施設です。
国立西洋美術館本館の行き方
国立西洋美術館本館は上野公園内にある施設で、上野駅からアクセスすることになります。
JR上野駅の公園口出口から出て上野公園内を進むとすぐ左手に国立西洋美術館本館のシルエットが見えてきます。公式HPでは上野駅から徒歩1分と紹介されています。
東京メトロ銀座線、日比谷線の上野駅は上野公園の南よりにホームがあるため、国立西洋美術館とはやや距離が離れています。上野公園内を少し登らなければならず、徒歩8分ほどかかります。
上野駅公園口からは徒歩1分で国立西洋美術館の正面口に着く。
国立西洋美術館本館
国立西洋美術館本館の設計者、ル・コルビュジエは近代建築の巨匠とも言われており、建築デザインの革新に大きく貢献しました。
彼は近代建築の5原則と呼ばれる5ヶ条を考案し、自身の建築にも取り入れています。1,柱で建物を支え空間を作るピロティ、2,屋上庭園、3,取り外し可能な内壁を使った自由な間取り、4,横長の水平連続窓、5自由なファサード(正面部分)です。
また、増加するコレクションに対応した展示スペースを設けるため、無限成長美術館というアイデアを想起し、実用性にも意識を向けたデザインになっています。
横から見た国立西洋美術館。全面部分は柱に支えられたピロティ構造になっている。
正面に据え付けられた外階段は出口としてデザインされたが、一度も使用されたことがないという。
国立西洋美術館の外観には水平連続窓の概念はあまり表れていない。
ピロティ構造。現在は手前1列を除きすべて室内化されてしまっている。室内側は売店スペース。
入館して始めに通されるのが19世紀ホールと呼ばれる場所。吹き抜け構造になっている。
様々な方向からこのホールを見ることができ、美術館の核となっている。
2本の大きな柱で支えられており、ル・コルビュジエの建築の特徴が表れている。
世界遺産登録証のレプリカ。展示室の一角に世界遺産スペースが設けられている。
国立西洋美術館の全体模型。屋上部分や裏側など普段見えない部分まで観察できる。
展示室は吹き抜けホールを囲むようにデザインされている。
やや低い天井は人体のサイズに合わせてコルビュジエが考案したモデュロールによるものである。
展示室には中2階スペースがあるが、安全上の観点から一度も使用されたことが無いという。
本館の出口通路。ピロティだった場所が室内化された名残で柱がそのまま残っている。
作品群
世界遺産に登録されているのはル・コルビュジエが設計した本館のみですが、展示されている松方コレクションもとても貴重な物ばかりで見応えがあります。
最も有名な展示はモネの睡蓮ですが、館内にはゴッホ、ピカソ、ルーベンス、ドラクロワと行った巨匠の絵が並んでいます。
館内の作品は一部を除いて自由に撮影することができ、絵画鑑賞の勉強にもなるでしょう。
館内で一番有名な絵、モネの睡蓮。鮮やかなタッチで描かれている。
キュビズムで描かれたピカソの作品、”男と女”。
バロック期に活躍したルーベンスの一枚。
印象派の画家、ゴッホの作品、”ばら”。油絵の力強さを感じる。
ロマン派を代表する画家、ドラクロワの宗教画。
ポスト印象派のフランス人画家、ポール・ゴーギャンの一枚。
印象派の画家、ルノワールの絵画、”帽子の女”。淡いタッチで描かれている。
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