韮山反射炉の行き方
目次
日帰り難易度★★★☆☆
明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業は岩手・静岡・山口・福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島の8つの県にまたがった世界遺産ですが、そのうちの韮山反射炉は静岡県の伊豆の国市にあります。
反射炉とは鉄の鋳造を行う施設のことで、熱を内部で反射させる構造から”反射”という名前がついています。
江戸時代末期、外国船が多く到来し当時の日本を脅かしました。韮山反射炉はその勢力に対抗するため、大砲の筒を作る施設として男 江川英龍により建設されました。
駅からやや離れた位置にあり、交通機関も充実していないことから、ややアクセスしづらい世界遺産でもあります。
韮山反射炉の行き方
韮山反射炉アクセスへの起点となるのは東海道新幹線も停車する三島駅です。三島駅から伊豆箱根鉄道に乗り、20分ほどで到着する伊豆長岡駅が最寄り駅です。
一つ手前の韮山駅は韮山反射炉の建設者、江川英龍邸へのアクセスに利用します。
伊豆長岡駅からは土日祝限定で循環バスが一日6本運行しています。このバスは伊豆長岡駅、韮山反射炉、江川邸、韮山駅などを結ぶ便利な循環バスなので、休日の利用をお勧めします。
平日は上記バスが運行していないため、伊豆長岡駅から片道約30分ほど歩きます。
韮山反射炉
韮山反射炉は、アヘン戦争によって欧米列強に清が敗戦したことをきっかけとした江戸時代末期-明治期にかけて、富国強兵政策の一環として建設されました。
設計者である江川英龍は優れた蘭学者であり、これまでの日本式の溶鉱炉ではなく、西洋的な反射炉を導入するためのカギを握る人物でした。
反射炉そのものの見学はすぐに終わりますが、韮山反射炉ガイダンスセンターでは、当時の様子を物語る資料などが展示されています。
韮山反射炉のトレードマークでもある交差模様の鉄骨は当時のものではなく、耐震補強のため後から追加されたものです。
中央に高くそびえる韮山反射炉。電車での見学はやや不便である。
現存する近代の反射炉はこの韮山反射炉と萩反射炉のみ。実際稼働したのは韮山反射炉のみであったという。
高さは約16m。下部が鋳造する部分であり、目立つ上部はほとんど煙突である。
韮山反射炉の手前には設計者江川英龍の銅像もたっている。
江川邸
江川邸は、韮山反射炉を設計した江川英龍の住居であり、韮山反射炉から徒歩約1時間、韮山駅からは徒歩約25分の位置にあります。
江川英龍は伊豆や駿河、相模などを治める韮山代官であり、各村を巡回して貧困に苦しむ人々を助けるなど、人情の厚い人物としても知られています。
人材の確保から設計、現場指揮にいたるまで、あらゆるものを兼ね備えていた江川英龍の一面がみられる、広い邸宅です。
世界遺産ではないが、こちらも訪れてみるのも面白い。
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