ガム汚染でボロブドゥールの上層部への立ち入りが禁止された件について
2020年2月14日、インドネシアの世界遺産ボロブドゥールについて衝撃的なニュースが飛び込んできました。
ニュースソースは以下からどうぞ。(日時が経つとリンクが切れる場合があります)
JAKARTA POST-Used chewing gum plagues Borobudur temple (英語)
記事に依りますと、ボロブドゥール寺院の第9層および第10層のへの立ち入りが全面的に禁止されたとのことです。
第9層、第10層はボロブドゥール寺院の核心部分にも当たる場所で、多数のストゥーパが規則正しく整列する部分です。
たくさんのストゥーパが整列する手前部分が第9層、奥に見える大きなストゥーパが第10層。
今まではこんな感じで釣り鐘状のストゥーパの周りを歩くことができた。
この部分はもともと混雑時は入場制限がかかるなどの措置があったのですが、このたび全面的に侵入が禁止された模様です。
また、ボロブドゥール自体への入場者数も制限されるのだそうです。この制限措置は当面の間続く見通しで、期限は決まっておりません。
主な理由は入場者のマナー。落書きやたばこの痕、遺跡によじ登ると行った迷惑行為が原因で遺跡が傷ついているのだと言います。
以前行ったときには落書きなどあまり見かけなかった気がしたので、気になって現地の報道も調べてみると、ジャカルタポストの方で興味深い記事を見かけました。(前出)
JAKARTA POST-Used chewing gum plagues Borobudur temple (英語)
記事によると、ボロブドゥール遺跡にはチューインガムの捨て柄多数見られ、3000ヶ所以上ものガムによる汚染が見られるとのことでした。
たしかに日本の路上でもチューインガムの捨てがらによる汚れがこびりついているのを見かけたりしますが、ボロブドゥール寺院ではそれが3000ヶ所にも登るというのです。
ボロブドゥールは年間400万人が訪れるという、世界有数の観光スポット。
落書きは無かった印象ですが、床部分のガムの汚れは確かにあった気がします。
記事にあるようにチューインガムによる汚れは落とすのに大変手間がかかり、遺跡なので化学溶剤を使ってはがすといった措置も難しいのだそうです。
ガムによる汚れが遺跡全体に及ぶのであれば、今後は遺産保護のために全面立ち入り禁止措置などが検討されるかもしれません。
また、今回の立ち入り禁止措置について、神聖な遺跡への敬意を欠いた観光客の振る舞いも問題視されていました。
写真を撮る際に遺跡に登ったり、仏座に座ったりなど多くの行動が問題視されていたようです。これについては残念ながら自分が訪れたときにもよじ登っている人を見かけました。
海外旅行となると浮かれて羽目を外したくなる気持ちは分かるのですが、神聖な場所においては礼節を持って見学したいものです。
良い写真を撮ってたくさんの人とシェアしたいという、俗に言うインスタ映えなどと言う言葉がありますが、マナーの範囲で写真を撮ることこそが最も美しいのではないでしょうか。
観光客のマナー改善でいつかまた自由に見学できるようになって欲しい。
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