飛行機内で8万円スられた話 【モロッコ・スペイン・ポルトガル】旅行記1-2日目

飛行機内で8万円スられた話

1日目

2017年の年末、空前の仮想通貨ブームに上手く乗り、コインチェック騒動までにかなりの利益を稼ぎ出すことができたその翌年、長い休みを使って世界遺産巡りの旅を敢行しました。

行き先はスペイン。世界遺産が48ヶ所ありその数は世界3位を誇ります。旅程は一ヶ月半を予定していたのですが、ずっと同じ国だと飽きてしまいそうなのでポルトガルとモロッコを旅に組み込みました。

人生発上陸となるアフリカ大陸、そしてフェリーでのジブラルタル海峡越え。旅のコンセプトとしてできるだけ多くの世界遺産を訪れることを念頭にプランをたてました。

モロッコ滞在は9.5日間。旅はカサブランカから始まります…

 

スタート地点のカサブランカへはアブダビでのトランジットを1回挟みました。成田空港を夕方に出発してまずはアブダビに向かいます。

道中はずっと夜の時間帯が続きましたが、窓の外には各都市の夜景が見えました。以前に訪れた上海の夜景が飛行機内からも見えました。

やや気流が安定せず何度か揺れましたし、座席も狭く感じあまりよく眠れませんでした。

 

日本からアブダビまでは飛行機の遅れもあり、かかった時間は11時間。現地時間の真夜中に、生暖かいアブダビの地に降り立ちました。

満足に背筋も伸ばせず、背中がカッチカチです。飛行機が遅れていたので乗り継ぎの時間も少なく、休憩時間はほとんどありませんでした。

 

アブダビで一度手荷物やパスポートなどの貴重品はしっかり確認し、この時点までは実に順調に進んでいました。

そう、このときまでは。

 

2日目

アブダビを深夜に出発したエティハドの航空機はカサブランカまで8時間のフライトを続けます。座席は2人がけの窓側。隣には中国系のおじさんが座りました。

前のフライトでなかなか寝付けず疲れていた自分は、財布を含む手荷物をすべて機内頭上の荷物棚に乗せてしまいました。バッグのチャックに南京錠をかけていましたし、まさか飛行機内で何かを盗られることは無いだろうと謎の余裕がありました。

パスポートやクレカは洋服の内ポケットに入っており、財布には40日間で何かあった時用の8万円無防備にもすべて同じ財布の中に入れていたのです。

 

そもそも財布に大金を入れることもおかしいし、小分割せずに全部一緒に入れておいたのも無防備で無策にもほどがあるのですが、このとき、この旅においてだけは、どこか浮かれて油断していた自分がいたようです。

フードを深く被って目をつむり、うとうとしていたのでこのとき何が起きていたのか全く気付かずにいました。

 

そういえば隣の中国系のおじさんがやけに席を立つ回数が多いなあ、、

やけに荷物棚をごそごそしているなあ、、おじさん、寝られないのかなあ、、

スリとは巧妙なもので、スられた瞬間は全く気付かないんですけど、改めて思い返してみると、あの時か!と違和感に気付くんですよね。

正直に言って誰が犯人か、とかは今でも分からないのですが、これまでの行動を思い返して一番怪しいのがこの時でした。

南京錠でカギをかけていたので完全に油断していたのですが、世の中にはポテチ開けなる盗み技が存在します。

手元のリュックでやってみましょう。チャック2つに通してあるペンギンちゃんとカラビナが南京錠だと考えてください。

チャックを閉じれば完璧なロックの完成!と思いきや。

ポテチを開けるときのように上下に引っ張ると簡単に開いちゃいます。南京錠は付いたまま。

この手法、すでにいろいろなバックパッカーさんがご紹介しているのでご存じの方も多いと思いますが、このときの自分はまさか飛行機内で盗ってくるやつなんていないだろうという油断で気にもとめていませんでした。

窓の外に広がるアフリカの大地に興奮して気持ちが高ぶってきました。(このとき8万盗られてます)

もう一つ問題だったのは、スられたことに気付いたタイミングが遅すぎた点。

モロッコのカサブランカ国際空港に着陸し、人生で初めてアフリカの大地を踏みしめました。

乾燥した空気とイスラム風の香水の匂いにさらに心が躍ります。いよいよ40日間の世界遺産放浪記がスタートです。

何事も無くイミグレーションを抜け、モロッコに入国しました。SIMカードを購入しようとふと、バッグの財布を確認します。

そこで初めて、財布のお札だけが綺麗に無くなっていることに気がつきました。最初は日本に忘れたっけかな?などと考えていましたが、どう考えてもアブダビではお金があったはず,,,,

そういえば隣のおじさん荷物棚でごそごそしていたな、、まさか!?

ここでおそらくスリに遭ったらしいことを自覚しました。8万円という大金だったので何かアクションをしようか迷ったのですが、すでに飛行機を降りてモロッコに入国してしまいましたし、おじさんの姿もとっくに見当たりません。

仮におじさんが居たとしても彼が犯人である証拠は一切無いというのも歯がゆいです。スリで現金を失った場合は海外旅行保険の補填適応外となるケースが多いようです。

 

当時の自分がすごかったのは、当時仮想通貨で200万円以上の利益を出してプチ成金状態だったので、

8万円くらいどうでもいいか。

と旅を初めてしまったことだと思います。冷静に考えると8万円ってけっこうな大金ですよね。国によっては数ヶ月の生活費になることだってあると思います。

このお金がその後どう使われたのかは知るよしもありませんが、人から盗んだお金では幸せになることはできないだろうと思います。

巷では、“だまされる方が悪い””スリに遭うなんて油断しすぎ”なんて被害者側の不注意を責める意見もありますが、どう考えても人の物を盗る人間が悪いに決まってます。そういった悪い人間は、必ず身近のどこかに潜んでいるのでいつ何時も気を緩めてはいけない、というのが真理だと思っています。

プチ成金状態で浮かれていた私はこの件ですっかり警戒心を取り戻し、この後の旅では金銭や犯罪関係のトラブルに巻き込まれることは一度もありませんでした。

つづく。

 

少し長い旅行記となりますが、基本的には月水金の週3更新を目標に執筆する予定です。

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