インドネシア旅行記 5日目 (完結)
インドネシアの長距離列車はとても綺麗な内装であり、乗り心地もいい。そう、乗り心地は。
ジョグジャカルタ→ジャカルタ
インドネシア滞在も最後の日。土壇場で交渉して延泊もするくらい気に入った宿で最後の朝食を取った。
みんなで語り合ったロビー。筆者の大きな荷物が転がっている。
インドネシアでよく使うタクシーはGrabが有名。呼ぶと10分もかからずに着いた。相場よりも安いし、何より接客態度も素晴らしい。
ルンプヤンガン駅までは車で約15分ほど。特に会話をする暇も無く、あっという間に着いてしまった。
この日は早起きをして駅に向かったのでまだ早朝と呼べる時間帯だが、駅周辺はそこそこ混んでいた。荷物をさっと降ろすと運転手はすぐに退くように走り去ってしまった。
なぜこんなに早起きをしたのかというと、今日は鉄道でジャカルタに帰るからである。
来るときは飛行機(ライオンエアー)でさっと来てしまったが、帰りもこのまま帰るのは味気ない。
鉄道は安いのも魅力なのだが、なによりインドネシアの景色を8時間かけてゆったり堪能できると思った。お会いしたいろいろな旅人がことある毎に口にするので、自分も乗ってみたいと思ったのである。
この鉄道はなかなかのくせ者で、早朝に出発して夕方頃着く便と、深夜に立って次の日の朝着く便の2種類しかない。せっかく乗るのに夜の景色ではつまらないなあという単純な理由で、早朝出発の便にした。
少し早く着いたのでルンプヤンガン駅を散策する。
バイク天国インドネシアは駅前の駐輪場にバイクがぎっしり。
うろうろしていると客引きに絡まれてしまう。もう帰るところなのにね。
朝からたくさんの人が電車を待っている。日本の満員電車と比べると少ないが。
ここでコードを入力してチケットを受け取る。当日チケットは大行列だったので予約必須です。
軽い身分チェックを受けて中へ。パスポートの提示を求められた。8時間も列車に乗る経験なんてそうそう無いので緊張してきた。
そして、日本と違って電光掲示板がなく、アナウンスもインドネシア語なので何番線のどの電車に乗ればいいのか全くわからない。
ルンプヤンガンの表示。インドネシアはアルファベット表記なのがありがたい。
どこかへ向かう列車が入構した。人の行き来が激しくなる。
そうこうしているうちに列車の発車時刻が近づいてきた。それらしき長い編成の列車が入ってくる。
一斉に線路を渡っていく。いよいよジョグジャカルタともお別れ。
これが先頭の車両。座席は全席指定制である。
駅員に確認をしながら車両に乗り込み、自分の座席を探していく。
車内は明るく、よく掃除されていてとても綺麗である。
荷物を上に上げて座席に座った。そして重大なあることに気付いた。
冷房がめちゃくちゃ寒い
車内に乗ったときにうすうす気付いていたのだが、時間が経つとそれを実感し始めた。体の芯まで冷えるほど強い冷房が効いていて、あわてて上着を取り出した。
他にも乗客はたくさんいるのだが、みんな厚手の服を取り出していた。サンギランといい、インドネシアは冷房の加減を知らんらしい。
出発したときこそ空席が目立ったものの、何駅か止まるたびに乗客の数は増えてきた。
いよいよ出発。電車はすぐにジョグジャカルタ市内を離れて田舎道を進む。
日本とは異なる南国の風景が広がっている。
インドネシアらしい車窓が広がる。何時間経っても飽きる気配がない。
朝も8時には出発した列車はお昼時にさしかかり、ご飯を食べ始める人もちらほら。車内販売ではインドネシアの主食(?)カップヌードルが売られている。
なんとなく食欲がわかなかった筆者はおもむろにインドネシアのスーパーで買ったお菓子をむさぼり始めた。
すると
あんちゃん、これ食べなよ
と隣に座ってた若い兄ちゃんがリンゴを1個渡してくれた。最初は何かの押し売りかなーと思ったが、どうやらただ長旅の話し相手が欲しかっただけらしい。
インドネシアに住むという若者とちょっと話したり、逆にお菓子をあげたり、のんびり車窓を眺めたりしながら過ごす。
途中で小さな駅に何度か止まった。そのたび人々は乗り降りを繰り返す。
何もない駅前広場。何という名前の駅かもわからなかった。
何度か川も越えた。流れている水はとても綺麗。
所々でお祭りをやっているところを見かけた。今日はインドネシアの独立記念日という祝日に当たるらしい。オランダからの独立を記念した日だそうだ。
インドネシアは実は水が豊富で水田が多い。
とてもいい天気。旅先の満足度には天気も関係する気がする。
8時間という長時間だったが、全く飽きることがなかった。旅行が好きな人ならば安いし、景色は楽しいので、列車旅行をおすすめしたい。特に夜行ではなく日中便をおすすめします。
夕方16時を回ったあたりで日が沈んできたのがわかった。そう考えるとこの日は一日中電車に乗っていたことをようやく実感し始めた。
ジャカルタに近づくにつれてだんだんと民家の数が増えてきた。
ジャカルタの高層ビルが見えてきた。旅の終わりも近い。
ジャカルタの駅に着いたときにはすっかり日が落ちていた。この列車が着いたのはパサール・スネン駅という長距離列車用の小さな駅。
家路を急ぐ人々でいっぱい。町外れの小さな駅。
早朝の便だったのにすっかり日が暮れてしまった。
駅前は待合のタクシーでごった返していた。
駅に着いたのは午後18時。乗るべき飛行機は23時発なので時間的には全然余裕があった。空港まで行くためにはバス、鉄道、タクシーを使わねばならない。
タクシーは高いので鉄道かバスがいい。どっちにしろこの駅から空港に向かう手段はない。ちょっとジャカルタを観光したい。
見知らぬ町に着くといろいろ探検したくなるのが旅人の性で、気付くと歩き出していた。とりあえずジャカルタ名物独立記念塔でも目指そうかとGPSを見る。
ジャカルタは東南アジアでも屈指の大都市。高層ビルが多い。
歩き出したはいいものの、思っていたよりも体が重い。電車旅で8時間ずっと凍えていたためか、それとも疲労のためなのか、定かではないが、とても疲れた。
そしてやはり赤道直下の国、とても暑いのである。重い荷物を背負っているし、汗をかくしで疲れてしまったようだ。
知らない土地なので迷ったりもしたが、なんとか休み休み歩き続け、ひときわ明るく光る建物を発見した。
ジャカルタ最大の駅ガンビア駅。人でごった返していた。
ガンビア駅はジャカルタでも最大の駅。東南アジアらしい人々の喧噪が聞こえた。ここまで歩けば独立記念塔まであと少しなのだが、この駅に着いたとたんにそうした気力も失せてしまった。
幸いなことに、この駅からは直通で空港行きのバスが出ている。願ったり叶ったりである。これ以上疲れた体で歩き回るよりは、空港に荷物を預けてゆっくり休もうと思った。
これが旅の最後の写真。独立記念塔が遠くに見える。このあとすぐバスに乗って発車した。
空港行きのバスは半分ほど埋まった状態で出発した。車窓から眺めていたが、ジャカルタはやはり大きな都市であるとしみじみ思った。
この旅でジャワ島の世界遺産はほぼ制覇した。ウジュン・クロン国立公園を残すのみとなった。
世界遺産の制覇にとらわれず、次に来る際はジャカルタをじっくり散策したいと思う。次に訪れるとき、急速に成長を遂げるこの首都はどうなっているだろうか。
インドネシア旅行記(2018)完
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