ハノイ市内の世界遺産、タンロン遺跡の魅力
ベトナム滞在の最終日、8ヶ所目の世界遺産、ハノイのタンロン皇城の中心区域に向かいます。
ハノイ中央駅からも1.4kmで、徒歩約15分ほどの位置にありハノイでも有名な観光スポットでもあります。日中は観光客で混雑するため、朝の早い時間帯に訪れました。
タンロン遺跡のチケット売り場。朝早く、とても空いていた。
タンロン遺跡の世界遺産マーク。2010年に登録された。
800年にわたりベトナムの王朝が置かれていた場所でもある。
タンロン遺跡で最も印象的な建物である端門、通称ドアン門。
正面に構えているドアン門。横から上に登ることもできる。
日中は混むが朝なので他にほとんど人の姿が無い。
上からは広場の様子を眺めることができる。
建物内は近くで見るとほとんど装飾がないシンプルな造りになっている。
タンロン遺跡は戦争の影響を受けたり、何度も改装、増築が行われているため、印象的な建物はあまりありません。
一方で、ベトナム戦争時に司令室として使用されたこともあり、地下深くの一室に軍司令部の痕跡が残っているのが印象的でした。
途中には出土品を展示する博物館などもあります。
第一城壁にある門を通ると、博物館や宮殿跡地がある。
博物館には何百年も前の時代の出土品が展示されている。
1000年生きると伝えられるタンロンの伝説の亀の像。
タンロン遺跡自体はあまり見どころが無い印象。
個人的に一番興味深かった地下軍司令室への入口。
地下司令室への扉は分厚く、2層になっている。
世界遺産であるタンロン遺跡の地下にある司令室。
交信室なども残っており、当時の様子が想像される。
皇帝の宮殿は残っておらず、手前の階段部分だけが残っている。
龍の階段より上が皇帝の宮殿とされる部分。
宮殿跡の裏手にはベトナム戦争時に使用された司令室が置かれている。
数十年前まで行われていたベトナム戦争の生々しさを感じる。
裏手には軍用車なども残されていた。
タンロン遺跡のメイン部分は見終わったので他の場所に向かいます。この日もどんどんと観光客が増えていったので、空いているうちに見るなら朝8時から開いているので早朝がベストだと思います。
出口はタンロン遺跡の西側にある小さな門。何台もの観光バスが止まっていた。
道路を渡った先にも構成資産の遺跡がある。
8世紀頃の遺跡の土台が残るホアンジエン18番遺跡。
タンロン遺跡の入場料に含まれており、チケットを確認します。
タンロン遺跡のメインの建物群と比較すると地味な印象を受けますが、遺跡部分の土台はよく保存されており、見応えがありました。
世界遺産としての価値は、むしろこちらの遺跡の方が大きく評価されているのではないかと思います。観光客はほとんどいませんでしたが、自分はとても楽しめました。
レンガ造りの建物が復元された展示。
8世紀頃の遺跡の土台は現在も発掘作業が進められている。
土台のレンガ等はよく残っており、建物の痕跡が見られる。
テント内には見学用の通路があり、遺跡を間近で見ることができる。
実際に使用されていたとされる井戸の痕跡も見られる。
こうした遺跡が発見されたのは2002年と比較的最近のこと。
タンロン遺跡の思わぬ魅力にすっかり興奮しました。ドアン門などのある宮殿跡地よりも、遺跡そのものを感じた場所でした。
ほとんど知られていないのが残念ですが、ホアンジエウ18番遺跡はタンロン遺跡出口から道路を渡った向かい側にあります。
さて、タンロン遺跡の最後の見どころ、北側にあるバック門に向かって歩いて行きます。
北側にあるバック門。近くで見るととても大きい。
バック門もタンロン遺跡の重要な構成資産です。
200年ほど前に立てられた門で、唯一現存している物です。
階段で上に登ることができます。とても高いです。
楼閣の上にはベトナムの英雄を祀る祠がある。
タンロン遺跡の構成資産はドアン門を含むメイン広場と、道路の反対側にあるホアンジエウ18番遺跡、国旗掲揚塔、そしてこのバック門の4ヶ所です。
朝早い空いている時間に見たかったので回りましたが、それでも2時間あればゆっくり見て回れる広さだと思います。特に、ホアンジエウ18番遺跡は見応えがあります。
国旗掲揚塔のあるベトナム軍事歴史博物館は午後からなのでそれまで時間をつぶします。
帰りの飛行機は真夜中にハノイを出発し、翌朝成田に着く便なのでハノイ市内を観光する時間はまだあります。
そこで、気になっていたロンビエン橋の方へ歩いて行ってみます。何でも“横にしたエッフェル塔”と呼ばれる鉄橋が美しいのだそうです。
ハノイ市内を歩くこと30分ほどでようやく大きな駅が見えてきました。ロンビエン橋はベトナム国鉄が通る橋でもあります。
橋の袂にはロンビエン駅がある。蒼い看板は駅の入口。
ロンビエン駅。本数は少ないがハノイ駅から来ることもできる。
駅の目の前の道路を渡るとロンビエン橋がある。
鉄橋は全長1700mにも及ぶ、とても大きな橋。
ロンビエン橋は海外でも有名らしく、観光客がたくさんいました。
歩道が狭い上にバイクの交通量がえげつないので注意。
ロンビエン橋は鉄道とバイクのみが通れる橋で、車は通行することができません。そのためかバイクの数がとても多く、落ち着いて観光できるような場所ではありませんでした。(ロンビエン橋は徒歩での通行が禁止されています。観光客の見学は黙認されていますが、現地での指示に従ってください)
歩道も狭いので歩行者同士のすれ違いもひやひやしました。橋自体は1902年の完成の後ベトナム戦争で何度も破壊されましたが、そのたび補修されて現在に至っています。
鉄骨の美しさは確かにエッフェル塔を思わせる美しい造型でした。
横に倒したエッフェル塔という異名もうなずける。
帰り道で立ち寄ったドンスアン市場はハノイ最大の市場。
女性物の衣服が多めだが、とても活気がありました。
市場をひやかしながらお土産を買い集めます。午後は、最後に行ってみたかったベトナム軍事歴史博物館に行きました。11:30~13:00のお昼時は閉館してしまうので注意が必要です。
ベトナム軍事歴史博物館。ベトナム戦争に関する展示がある。
当時の銃器や服装、乗り物などの展示が興味深い。
大砲や戦闘機の展示もあり、とても充実している。
敷地内にある国旗掲揚塔は世界遺産タンロン遺跡の構成資産。
塔へは途中まで登ることができます。
塔からは軍事博物館の展示や奥にはタンロン遺跡のドアン門も見える。
奥には戦車や戦闘機の展示もあり、男心をくすぐられる。
このベトナム歴史軍事博物館は期待していたよりも展示が凝っていてとてもおもしろかったです。また、開館時間が短いためか、午後の開館と同時にたくさんの観光客が入場していました。
こちらは悲壮な感じはあまりないので楽しく見学できると思います。
さて、午後も良い時間になり、ハノイを歩き回ってさすがに疲れたのでそろそろ空港に向かいます。空港へはハノイ駅から出る86番の路線バスが安くて便利です。
ハノイ駅。ホーチミンやラオカイなど国内に向かう便や北京行きの鉄道もある。
ベトナムの列車は本数が多くないので駅はどこも空いている印象。
86番の路線バスは約20分おきに運行しています。ほとんどの利用客はベトナム人で国内便を利用しますが、もちろん国際ターミナルにも停車します。
日が暮れるハノイを車窓に見ながら空港に向けて走ります。前半は駆け足気味でしたが、ベトナムの世界遺産も8ヶ所すべて制覇することができました。いくつかもう一度訪れたい世界遺産にも出会えた、すてきな旅になりました。
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ハノイ市内の世界遺産、タンロン遺跡の魅力 【ベトナム】旅行記8日目【最終回】
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ベトナム8ヶ所の世界遺産を一筆書きで訪問する旅 【ベトナム】旅行記計画編
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