国境防衛都市エルヴァスとその要塞群 【ポルトガル】 行き方と難易度

国境防衛都市エルヴァスとその要塞群の行き方

日帰り難易度★★★★☆

エルヴァスはポルトガルとスペインの国境部に位置する小さな町です。そのため、スペインとポルトガルの国境争いやレコンキスタにおける戦闘など多くの場面で防衛要塞として機能してきました。

のどかな町並みの高台にそびえる立派な城壁は、国防上の重要拠点で会ったことを伺わせます。また、町外れにはこのほか二つの要塞もあり、どちらも同じく世界遺産に登録されています。

エルヴァスの行き方

この町には鉄道駅がなく、アクセスするにはバスを利用する必要があります。ポルトガルの首都リスボンからは、セッテ・リオス・バスターミナルからエルヴァス行きのバスに乗り、3時間ほどで到着します。

途中でバスの乗り換えが必要なこともあるので事前に運転手に確認しておくと良いでしょう。また、スペインの国境バダホスからも近く、タクシーで30分ほどの距離です。

バスターミナルからエルヴァスの城塞へは20分ほど坂を登らなければなりません。体力に自信が無ければタクシーで上まで上がるのも良いでしょう。アモレイラの水道橋へ行く場合は15分ほど西に歩くと見えてきます。

バスターミナルからは北に向かって坂を登っていく。

10分ほど歩くと大きな石垣に囲まれた入り口が見えてくる。

このトンネルをくぐるとエルヴァスの旧市街にでる。交通量が多いので車に注意しよう。

国境防衛都市エルヴァス

城壁に囲まれた国境防衛都市エルヴァスは、石畳の町を歩いているだけでレトロな気分に浸ることができます。散策の中心となるのは、入り口から上り坂を歩いて10分ほどの距離にあるレプブリカ広場です。城壁内の見所は、レプブリカ広場に面しているノッサ・セニョーラ・ダ・アスンサオン教会や、その北側に位置するドミニカ教会、町の北東部に位置する城壁などがあります。小さな町なので2時間もあれば十分に散策することができるでしょう。

入り口から正面の道をまっすぐ上っていく。レトロな町並みが広がる。

メインストリートには小さなお土産屋も建ち並ぶ。

10分ほど歩くとレプブリカ広場に出る。旧市街で一番大きな広場であり中心部に位置する。

空が開けており、開放感あふれる町並みは旧市街の特徴である。

国境防衛都市エルヴァスの全景地図。上空から見ると星形の要塞である。

遠くの高台から見ると星形になっているのがわかる。左に見えるのがアモレイラの水道橋。

ノッサ・セニョーラ・ダ・アスンサオン教会

エルヴァスの城塞内にはいくつか教会がありますが、中でもレプブリカ広場に面した大きな教会がノッサ・セニョーラ・ダ・アスンサオン教会です。かつてゴシック様式として建てられたこの教会は現在改装を加えられていますが、重厚な柱と明るい室内にその面影を見ることができます。

レプブリカ広場に面した大きな教会。斜面を掘って建てられている。

内部は広々とした空間になっており、窓を多用しているため室内は明るい。

特別大きいという訳ではないが、たくさんの壁画が飾られており、美術館を思わせる。

教会の横部分。斜面に沿って建てられているので、坂を掘っているのがわかる。

ドミニカ教会

ノッサ・セニョーラ・ダ・アスンサオン教会の横手の坂をさらに登ってゆくと、教会の背後に当たる部分に小さな教会があるのがわかります。これがドミニカ教会で、内部はルネッサンス様式の芸術的な装飾がなされています。

ルネサンス様式の幾何学模様が美しい教会内部。8角形に柱が配置されている。

細部まで細かく装飾されているのがわかる。

城壁

エルヴァスの外周はぐるりと一周大きな城壁に囲まれています。町の北東の端にある城壁には登ることができます。見張り台からはエルヴァスの旧市街を見渡せるほか、アレンテージョ地方ののどかな風景を見ることができます。また、町の外れにあるグラサ要塞もここから見渡せます。

ドミニカ教会の脇をさらに上に向かって登っていく。

町外れの駐車場になっている場所を奥へ進むと城壁が見えてくる。

城壁内部は小さな公園のようになっている。奥に見えるのが見張り台。

城壁の上は細い通路になっており、一周することができる。

城壁の下にはアレンテージョ地方ののどかな風景が広がっている。

城壁が星形になっている様子がよくわかる。眼下にはエルヴァス市街が見える。

見張り台から見下ろしたエルヴァス旧市街。白い壁とオレンジ色の屋根が特徴。

丈夫な石組みだが、廃墟のようになっている。奥の丘に見えるのはグラサ要塞。

町の外周は角が目立つ城壁に囲まれている。城壁はとても高い。

アモレイラの水道橋

町の西側に続いている大きな水道橋がアモレイラ水道橋です。建築は1500年代と比較的新しい年代の物ですが、保存状態が良く、近くで見ると圧巻です。水道橋の全長は約7kmと、現存する水道橋の中ではイベリア半島で最長を誇ります。エルヴァス旧市街から15分ほど歩いて降りると大きな水道橋のアーチが見えてきます。

旧市街で一番西側のトンネルから出ると近い。トンネルは車一台分のスペースしかないので注意。

眼下に長く続く水道橋を見ることができる。途中の高台からの眺めがおすすめ。

道に沿って進むと橋にかなり近づくことができる。現在でも使用されている場所があるという。

橋に沿って坂を下っていくと、橋を見渡せる大きな広場に出る。

麓まで近づくと橋の大きさがよくわかる。高さは30mを超え、マンションにして10階分。

橋の近くは交通量も多い。この橋が7kmも続いている。

サンタ・ルジア要塞

エルヴァスの旧市街の丘をいったん降りてバスターミナル近くの大きな道を渡り、反対側の丘に登ると10分ほどで見えてくるのがサンタ・ルジア要塞です。こちらも要塞として世界遺産に登録されていますが、現在では内部は大きく改装されており、博物館のようになっています。また、こちら側の丘に登ると国境防衛都市エルヴァスを斜め上から眺めることができます。

エルヴァス旧市街から幹線道路を挟んで反対側に見えるのがサンタ・ルジア要塞。

遠くにエルヴァスが見える。このなだらかな坂道をひたすら登っていく。

10分ほどで大きな城壁と内部への入り口が見えてくる。

サンタルジア城塞の入り口。跳ね橋のような構造になっている。入館は2ユーロ。

展示の規模は小さいが、大砲などの模型がある。のどかなアレンテージョ地方の風景が見渡せる。

頂上から眺めたエルヴァス旧市街。星形の要塞とアモレイラの水道橋が見える。

戦時中に避難路として使用された地下通路が残っている。

 

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メリダの考古遺跡群 【スペイン】 日帰り難易度と行き方 / No.14

 

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