ブリンハルジョで待ってもバスなんて来ない 【インドネシア】 インドネシア旅行記3日目

インドネシア旅行記 3日目

3日目に訪れたのはジョグジャカルタ近郊にあるプランバナン寺院遺跡群。

ジョグジャカルタ(インドネシア)→プラン・バナン寺院遺跡群(世界遺産)→ジョグジャカルタ(インドネシア)

インドネシアでの生活にも慣れてきた3日目の朝。夜はちゃんと涼しくなるので気候もおだやか。物価も安いので過ごしやすいです。今日訪れるのはジョグジャカルタ郊外にあるプラン・バナン寺院遺跡群です。ホテルの人に聞くと、ここの近くのバス停から乗り換えを挟んで1時間かからずに着くといいます。まずはバス停まで歩きます。

インドネシアの朝。東南アジアはバイクでの移動が主である。

JECでの乗り換えも常駐の係の人が教えてくれてスムーズ。あっという間に目的地に着いた。

インドネシアはとにかく客引きが多くて、タクシーやらバイタクやらたくさん声をかけられました。バスターミナルとプランバナン間はゆっくり歩いて20分弱。プランバナンだけならチャーターの必要はないでしょう。プラン・バナンは市内交通バスで行けるほど近い場所にありました。

バスターミナル前の大通りを渡って東へ歩く。

プラン・バナンの広い駐車場。遺跡周りは綺麗に整備されている。

プランバナンのチケットセンターが見えてきた。

いよいよプランバナン寺院遺跡群に入場です。こちらの寺院はボルブドゥールとは異なり、ヒンドゥー教系の寺院です。インドネシアはイスラム教が主流ですが、こうした他宗教の寺院が建立しているのは不思議ですね。公園内はとても綺麗に整備されています。ロロ・ジョングランのみなら心配はいりませんが、他の点在する遺跡も観光するなら歩くとなかなかの距離になります。園内にはサイクリングロードも整備されており自転車で巡ることもできるようです。

チケット売り場から少し歩くと大きな遺跡ロロ・ジョングランが見えてきた。

荷物検査用のゲートがあるが、機能はしていなかった。

この光景が見たかった。ロロ・ジョングランはシヴァ神を祀っている。

近くで見るとものすごく大きい。どことなくアンコールワットに似ている。

いろいろな神が祀られているが、お気に入りは象の神様ガネーシャ。

想像していたよりも全然空いている。日差しが強くこのあたりは暑い。

ロロ・ジョングランを見学した後は点在する遺跡を観光しました。まずは同じ敷地内に存在するルンブン寺院、ブブラ寺院、セウ寺院を見学しました。中でも奥に建立するセウ寺院は規模も大きくて見応えがありました。意外と距離があって片道30分弱は歩くので、往復1時間ほど歩いてへとへとになりました。

ルンブン寺院。観光客は他に誰もいなかった。

ブブラ寺院。小さな寺院だが、よく見ると装飾が細かくて美しい。

セウ寺院は敷地面積も広く、かなりしっかりとした寺院である。

石造りの立派な寺院である。町中に多数点在している。

さて、見学を終えたわけですが朝早くから行動していたため、まだ午前中も11時前後といったところ。このまま帰ってもすることがないので、付近の有名な寺院を巡ることに。地図の縮尺を見落としていた私は、この距離なら歩いて行けるだろうという浅はかな考えでプラオサン寺院に向けて歩き出したのでした。

歩き始めること30分。ジョグジャカルタは普通に暑いのでのどが渇いた。

GPSがあるから迷いはしないがまだまだ歩く。のどかな景色が広がる。

暑すぎる気温と予想以上に遠いプラオサン寺院

健脚で歩くこと50分ほどで、ようやくそれらしき遺跡が顔を見せた。

山羊が乗った車。この山羊は何に使われるのだろう。

1時間弱かけてやっと一つ目の寺院、プラオサン寺院にたどり着きました。途中暑さとのどの渇きと疲れでいろいろとどうでも良くなってきていたのですが、やっぱり遺跡に着くと感動しますね。さすが世界遺産。

チケットを買って入場。崩壊した遺跡が多い。地震大国はこうした被害も多い。

プラオサン寺院の特徴は丸みがかった尖塔であろうか。遠目にもわかる変わった形。

よく見ると彫刻のできばえも美しい。一周してみても隙が無い。

さすがに遠い道を来た甲斐あってじっくりゆっくり楽しみました。ロロ、ジョングランやセウ寺院とは異なる魅力がありました。観光客もほとんどいないので静かに見回ることができました。時間がある方には是非おすすめしたいです。さて、バスターミナルまで戻ろうかと思ったところで、とても重要なことに気がつきました。

あれ?これ、帰りも歩くの無理じゃね?

残りの水も少ない中、気温の高いインドネシアの田舎道を1時間歩くのは無謀です。正直ここまで遠いと思っていませんでした。恐るべしプラオサン寺院。仕方ないので交渉してインドネシアのバイクタクシー(通称オジェッ)で帰ることに。このまま帰るとなんだか悔しいので、多めに出して他の遺跡も観光してから帰ることにしました。こうして2人乗りバイクで来た道を引き返しました。

何これめっちゃ気持ちいい。

空気が乾いているからか、風を切って進むバイクはものすごく爽快感にあふれていました。気前よくお金を出したからか、おっさんはとても親切でした。なぜ最初からチャーターしなかったのか。暑い中必死に歩いた時間は何だったのか。旅に失敗はつきもの、気にしてはいけません。残りのカラサン寺院、サンビ・サリ寺院、サリ寺院をさくっと見学しました。

まずはカラサン寺院です。市街地にどーんと大きく構えているのがこの寺院。インドネシア最古の寺院ともいわれており700年~800年代にかけての建築です。目の前に建つとその大きさに圧倒されます。建築当時の人々の信心深さが窺える建物でした。

チケットを購入して中へ。手前の建物と比較するとその大きさがわかるだろう。

市街地に大きくそびえる寺院。これが1300年前には建っていたという事実に感動する。

この空間には仏像が置かれていたらしいが、いまは失われている。

石が均衡を保って積み上げられている。彫刻も美しい。

さらに、川沿いをバイクでどんどんと進み、少し遠くにあるサンビ・サリ寺院へ向かいます。ヘルメットはしていますが、それでも涼しい空気を肌に感じます。サンビ・サリ寺院は地面より下にある寺院で、火山灰で埋もれていたのを後世になって発見されました。地面に埋もれた、一風変わった寺院です。地面より深いところに位置するサンビ・サリ寺院。

別角度からの一枚。寺院にしては珍しく、壁に囲まれた形をしている。

地元の農民が掘り当てるまで地中で眠っていた小さな寺院である。

ヒンドゥー教の寺院で、ガネーシャや女神像の彫刻がある。

さらに外側は高い壁で囲まれていた。一部のみが掘り起こされている。

サンビ・サリ寺院は一風変わった寺院でした。他の寺院と比べるとかなり距離があり、それこそ歩いて行ける距離にはありませんが、チャーターした際などはセットで訪れてほしい場所です。最後はバスターミナルに近いサリ寺院へ向かいます。なぜかこの寺院だけチケット係の人がおらず、ただで入れました。地元の子供たちが秘密基地のようにして遊んでいたのが印象的でした。

歴史ある遺産なのですが、子供にとっては遊び場なんですねえ。

こちらが最後の寺院、サリ寺院。3階建てで、僧侶たちが暮らしていたという。

地元の子供たちが隠れ家のようにして遊んでいた。

寺院の裏側。壁に掘られたレリーフに目を奪われる。多くの魅力を備えている。

いろいろなことがありましたが、一通り見学を終えてとても満足しました。長旅につきあってくれて、親切にいろいろと教えてくれたおじさんに感謝を伝えてお別れ。すてきな出会いがあるのも旅の魅力です。今頃元気でやっているだろうか。

バスターミナルに帰ってきました。客引きがまた寄ってきますが、全部行ってきたばっかりだよ。

さて、バスターミナルに戻ってきたのが15時前。もう観光は十分です。歩きっぱなしでお昼を食べ損ねていたので、市内バスで、活気があることで有名なブリンハルジョ市場に向かいました。東南アジアといえば、やはり屋台の食べ歩きが魅力の一つでしょう。市バスに乗って30分ほどでブリンハルジョに到着。このあたりはバスで近づいただけで賑わっているのがわかりました。降りて歩き始めてすぐに東南アジアらしさを感じました。

たくさんのバイクの群れとあふれ出る屋台群。これぞ東南アジア。

さっそく歩き出す。車の排ガスと距離が近いが屋台の衛生面など気にしてはいけない。

ナシゴレン的な食べ物。ひたすら安いのが特徴。

ブリンハルジョといえばイスラム女性が着こなすヒジャブ。実に多様である。

洋服だけで3階建ての大きなショッピングモールが建つ。何より熱気がすごい。

東南アジアにはいろいろな国があり、もちろん特徴は違いますがインドネシアはイスラム教なので、こうした服飾関係に強いなあとしみじみ感じました。たくさん種類のある布からはこだわりを強く感じます。異なる文化圏の国に行くと生活が全く違うので、いろいろと考えさせられることも多いです。

そんなことを考えながら、充実した一日を終えてホテルに向かうため、市内循環バスを待ちます。バス停でチケットを買い、行き交う人々をのんびり眺めながら過ごしました。今日行った寺院群の写真を見返したり、明日の予定を立て直したりしました。

市内循環バスを待つこと1時間が経過しました。

いや、正確には来るんですよね。バス。3路線が停留するバス停なんですが、他の2路線は10分おきくらいでぽんぽん来ます。嫌がらせかと思うぐらい来るんですが、なぜか3Aのバスだけいっこうに来ません。夕方にかけて道がだんだんと混み始めて、いやな予感が漂ってきました。今日もいろいろと冒険して疲れたので行動を起こす勇気も無く、ひたすら座って待っていました。

そこへ一台のバスがさっそうと登場。なんとフロントに3Aの文字が!!

今日も暑い一日で、朝からずっと行動していたので、一刻も早くホテルに帰ってシャワーを浴びたい!キンキンに冷やしておいた炭酸をめいっぱい飲みたい!疲れたから明日に備えて早く寝たい!いろいろな思いが積み重なっていました。そして待つこと1時間20分、ようやく1台目の3Aバスが到着しました。

超満員の状態で。

全身の力が抜けていくようでした。ぎゅうぎゅう詰めの車内。そしてこのバス停で降りたのはたったの3人。係の人が5本の指を突き立てました。5人しか乗れない。そう直感した私でしたが、地元の人には勝てませんでした。列なんて無い待合室なのですが、さすがにそれは予想していなかった。彼らも皆そこそこ待っていた者どうしだったので、声を荒げて抗議するのも余計にいらいらするだけだと思い、とどまりました。

希望とすし詰めの人々を乗せた3Aは悠然と過ぎ去っていった。

その後は何をしていたのか、何を考えていたのか記憶が定かではありません。茫然自失状態だったのでしょう。密室のバス停でおかしくなりかけていたかもしれません。2時間が経過したところで我慢ができなくなり、ついに外に出ることにしました。

歩いて帰ろう

涼しくなってきたが、まだ暗くはありません。GPSで見ると歩いて40分ほどとのこと。ぶらぶら歩いて帰れない距離ではない。なによりバスはいつ乗れるかわからない。こうして私はゆっくりと帰路についたのでした。

夕暮れのジョグジャカルタ。中央銀行はおしゃれで写真を撮る人も多かった。

哀愁がただよう一枚。撮影者の心を繁栄しているに違いない。

無事、ホテルに着いてシャワーを浴び、たまたま同じ日に同じホテルになった日本人3人でゆっくり語り合い、就寝しました。

昼間の冒険でものすごく日焼けをした一日でした。

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