ジャワ原人出土の地サンギランはガッカリ世界遺産なのか 【インドネシア】 インドネシア旅行記4日目

インドネシア旅行記 4日目

ガッカリ世界遺産との噂があるサンギラン初期人類遺跡

ジョグジャカルタ→ソロ→カリジャンブ→サンギラン初期人類遺跡(世界遺産)→カリジャンブ→ソロ→ジョグジャカルタ

同じ宿の日本人と楽しい朝を迎えた。朝、一緒にご飯を食べて旅立つ彼らをお見送り。それぞれ別々の目的で別々の地へ向かっていく。LINEを交換して日本での再会を約束し、お別れした。

そして自分もジョグジャカルタから少し離れた世界遺産、サンギラン初期人類遺跡を目指す。まずはバスで2時間のソロへ移動。いつも通り歩いてギワガンバスターミナルへ。ソロ行きは長距離バスに当たるらしく、乗り場が違って奥の方になる。

乗ったのはこのバス。意外と満席近くになった。

バスにはSOLO-JOGYAの文字があるが、人に聞いた方が早い。英語がしゃべれなくても共通して伝わることが2つあると個人的には思っている。“挨拶”と”土地”の名前だ。ソロソロと連呼していると、おじさんが教えてくれた。

バスは途中途中で現地人が乗ったり降りたりを繰り返すのでなかなか時間がかかる。一番前の席に陣取ったので景色はよく見えて楽しいのだが、エアコンのないバスはとてつもなく暑い。そのため窓を開けて運転するのだが、バイクの排気ガスやら運転手のたばこやらでさんざん汚染された空気を吸い込んでしまった。

ソロに到着。ソロには世界遺産であるサンギラン初期人類遺跡のほかスクー寺院という、変わった寺院がある。客引きのおじさんたちがすぐさま寄ってきてスクースクーと連呼していた。どうやらミステリアスなスクー寺院の方が人気らしい。カリジャンブに行きたいというと、地元の乗り合いバス乗り場へ案内された。

バスを見て驚いた。

年季の入ったすげーぼこぼこのバスである。

このようにシートもぼろぼろ。いったい何があったというのだ。

天井も穴が開いている。雨の日はどうするのだろう。

このバスで待つこと15分。どんどんと地元の人が乗ってくる。結局、いったん降ろされてこれとは違うすこしだけましなバスに乗って出発。いったいあのバスは何だったんだ。あっという間に満員近いバスは北に向けて走り出した。また地元民の乗り降りを繰り返しながらのろのろと進む。30分ほどしたところで、急にバスの乗組員に声をかけられた。どうやらもうすぐカリジャンブだから降りろ、ということらしい。

バス停も何もない道路の道ばたに降ろされた。

まわりには何もない場所。交通量が多くて少し怖い。

道路を渡った先に行けとバスの人はいってくれた。このあたりに来る日本人の目的はサンギランしかないとわかっているのだろう。

なるほど、ゲートには”サンギラン”の文字が。ここからさらに奥へ進む。

ここでバイクタクシーをチャーターする。ネットの口コミとかでは30000とか地球の○き方では20000Rpとか書かれていたが、どんなに交渉しても50000Rpからは下がらなかった。結構粘っていろんな人に聞いてみたが、ここからは下がる気配がない。往復料金プラス見学中の待ちってことなのだろうか。まあ、日本円でたかだか300円程度の話だし、こんなことでけちっても仕方ないのでさっさとサンギランへつれてってもらおう。

ものすごい田舎道を爆走する。何度も丘を越えるので上下動も激しい。

 

想像よりもバイクは長旅だった。写真のような道をすっ飛ばしながら40分ほどいったところで、ようやく村らしきものが見えてきた。確かに、こりゃバイクで行くのも大変だと思った。よく写真で見かけるサンギランのゲートに着いた。

これがガッカリ世界遺産との噂があるサンギラン初期人類遺跡のシンボルの門。

ついにたどり着いた。ジョグジャカルタからバスを乗り継ぎ、バイクで丘を越えて約4時間かけてようやく着いた世界遺産。ジャワ原人出土の地とされ、考古学的には大変重要な場所である。進化の研究をかじっていた筆者からすると非常に興味深い世界遺産である。

この遺跡がちまたでガッカリ世界遺産と噂されているのだ。

確かに、これだけ長い道のりを旅してきたのだから(帰りのことを考えると気が重い)ハードルが上がるのもわかる気がする。いや、行った人だけわかればいい。この時点で相当ハードルが上がっている。

この門近くでチケットを購入して中へ入る。

ジャワ原人の肖像がお出迎え。

大きな駐車場がある。観光バスなどのスペースだろうか。

お土産売り場が並んでいるがどことなくひなびている印象。

サンギランにある遺跡博物館。ここを見学するようだ。

サンギランはジャワ原人出土の地といわれているが、発掘現場が見られるという訳ではなく、大きな博物館が建っているのみである。ここに、発掘調査の再現ジオラマや出土品と行った貴重な品々が展示されている。要するに、絶景を有する世界遺産というわけではなく、ただの博物館なのである。

そうはいってもやけに整備された大きな博物館である。

博物館の全景。田舎の僻地に立派な建物が建っている。

おしゃれなテラスまでついている。かなりお金がかかっているのではないか。

博物館の展示はかなりしっかりしている。出土品のコレクションも良い。

館内はめちゃくちゃエアコンが効いていて寒い。

もちろん大事はコレクション保護のための空調整備もあるのかもしれないが、それにしても寒い。キンキンに冷えてやがる。

こちらもパンフレット等でよく見かけるジャワ原人の模型。

建物は広く、展示スペースも多いが、正直普通の博物館といった印象だ。

後半は発掘系の展示が多い。人類の進化が全体のテーマになっている。

最後の部屋にはとても大きな展示が控えていた。ここがクライマックスらしい。

さて、一通り見終わった。確かに、ジャワ原人が出土したことで考古学の知見は大いに増え、歴史も変わったことだろう。が、この博物館は一言で言うならば”微妙”だ。出土品もあるにはあるがほとんどがレプリカで、これといって見応えのある展示もない。よく知られた一般的な知見が展示として紹介されているだけで、個人的には驚くような知見はなかった。

博物館の建物はものすごく立派であるだけに、もったいないなぁと思う。インドネシアらしさを出した展示がみたかったなあと思いつつも、こんなド田舎まで来る観光客など、物好きしかいないに違いない。この土地やその歴史に興味のある人にとってなら楽しめるかもしれないが、世界遺産や絶景目当てで来た人には、ガッカリ世界遺産なのかなあ。という気がした。

結論:ガッカリ世界遺産でした。

まあ、そうだよね。ジョグジャカルタから長い時間や、めんどくさい乗り継ぎの手間をかけて来るようなこころではないかも。しかも、口コミでも評判が悪く、係員の態度がよろしくないとも書いてある。チケット代をぼったくられることもあるとか。そんな不快な思いはしなかったけど、行く人は気をつけてほしい。

出口付近でかっこいいロゴを見つけたので撮っておく。

建物は無駄に立派でかっこいい。ぜひ内部展示ににも力を入れてもらいたい。

待たせていたバイクのおっちゃんに声をかけてカリジャンブに帰る。

帰りもバイクで爆走。整備されてない道もあり怖かった。

カリジャンブに到着。ここまで来ると、人里に戻ってきたように感じる。

カリジャンブの道ばたで待つこと数分で、古くさいバスが到着した。乗り込んでしばらくすると、学校帰りの小学生の大集団がバスに乗り込んできた。車内が一気に騒々しくなる。こんな田舎に日本人の観光客は珍しいのか、

みんなの好奇の目が突き刺さる。気がする。

女の子たちはみんな白いヒジャブをつけている。こうした文化の違いを垣間見れるのも旅の醍醐味だと思う。ソロに向かうにつれてバスも頻繁に止まり、子供たちも順々に降りていく。結局ソロに着くころには、子供の群れは1人になっていた。

ソロのバスターミナルはとても広い。まさに交通の要所となっている。

ソロに着いたのが14時半。ここからさらにスクー寺院に行ってもいいのだが、4日目にして旅の疲れが押し寄せてきた。サンギランに行った充実感もあったので、お昼ご飯を食べて帰ることにした。

インドネシアの郷土料理、SOTO。スープにご飯を入れて食べる。

エアコン付きの大型バスに乗り込み、ジョグジャカルタに向けて出発する。

だが、このバスが地獄の始まりだった。

出発した時点では大きなバスに3分の1くらいしか乗っておらず、バス内もスカスカ状態だった。だが、このバス、何度も途中停車を繰り返す。止るたびにどんどん乗客が増えていき、あっという間に満席になった。さらに乗客は増え続け、立つ人も出てきた。さらにバスは乗客を乗せ、

バス内は限界を超えてぎゅうぎゅう詰めになった。

降りては乗り、乗っては降りるを繰り返し、来るときにかかった2時間が経過したがまだ、半分ほどまでしか来ていない。帰宅ラッシュに見事に巻き込まれてしまったようだ。ジョグジャカルタに近づき出すとだんだん乗客の数も減って行き、停車も減って行った。日が暮れかけたころになってようやくギワガンバスターミナルについた。最終的に乗っていた人は10人ほどしかいなかったのではないだろうか。

日が暮れかけたがなんとかたどり着いた。さあ、歩いて帰ろう。

夕暮れの中、宿泊したホテルに向かって歩き出すと、途中で道ばたで何かを見つめたり写真を撮る集団を見かけた。何だろうと思って近づいてみると、空気が乾燥して澄んでいるからか、遠くに綺麗な山が見えた。

いやなことを乗り越えた先には必ず何かいいことがあるもんだとしみじみと感じた。

いよいよ明日はインドネシア最終日。懸念していた鉄道チケットの予約だが、ホテルの女の子がパソコンでささっとやってくれた。これは非常にありがたい。おかげで、ジャカルタに戻る足ができ、心配事は何もなくなった。同じホテルの友達はみんな今日旅立ってしまったので、今夜は一人である。

 

短いインドネシア滞在を終え、いよいよ明日ジャカルタから日本に帰国する。

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